フルサスペンションのENDUROモデルのマウンテンバイクを組み立てよう! シリーズの第四弾はケーブル、ワイヤー類の取り回しです。
KONA HONZOのHOPEの油圧ディスクブレーキ、SRAMのドライブトレインを流用しますから、予算をおおはばにカットできます。
調達品はシフターのアウターのインナーのみです。ヨドバシ梅田の自転車売り場にひとっぱしりして、Alligatorのアウターケーブルを買ってきました。
ヨドバシの自転車コーナーの品ぞろえはそこらのチャリ屋より上です。梅田店にはVredesteinのラテックスチューブが店頭にありました。
ケーブルワイヤー取り回し
自転車の個々のパーツを結ぶのがケーブル・ワイヤー類です。ドライブやブレーキが臓器であれば、ケーブルやワイヤーは血管・神経です。
パーツの無線電動化は発展途上です。ドライブトレインが先行します。SRAM eTapやFSA K-force WEやXshifterです。つぎがドロッパーシートポストやショックスです。
将来的には無線電動ブレーキが誕生しましょう。多分に現代の自転車乗りはケーブルの内装でなやむ最後の世代です。
めんどくさい内装
現代のスポーツバイクのトレンドの重要なキーワードがインテグラルデザインです。日本語では『おまとめ設計』です。
個々のパーツをひとまとめのユニットに統合して、全体の統一感をたかめます。代表例がエアロロードのヒドゥンケーブルスタイルです。
ワイヤー・ケーブル類が外目には見当たりません。ノーブレーキのトラックバイクみたいです。すっきり。
ステムまわりがカギです。
しかし、線自体はなくなりません。ブレーキの無線電動化はうわさの段階にすぎません。外には出ませんが、中にはしっかりあります。
で、このケーブルの内装作業は暗い、狭い、細い、小さいの苦行のカルテットです。線を穴に通す、はい、ずぼらなO型にはむりだよ!
しかし、せっかくの設計の工夫と機能をぜんぜん捨て置くのは貧乏性にはきついものです。このVITUSのフレームのルーティングを見ましょうか。
BB下に穴があります。リアのディスクブレーキホースとシフターのための内装ルートです。
出口はトップチューブの横の穴です。
これは比較的にシンプルな内ハウジングです。グロメットを外せば、口を広げられます。あと、ヘッドチューブからケーブルを誘導できる。
やっかいな方をさきに片付けましょう。ディスクブレーキです。
油圧式です。ホースの中にはフルードが通ります。フレームのなかを通すにはレバー側かキャリパー側のコネクタを外さないといけない。
常識的にレバー側のコネクタを外しました。
ざつにあつかわなければ、液漏れをふせげます。ホース内のオイルは張力と気圧で保たれます。
でも、ここをながなが開放するのはかんばしいもんじゃありません。さっさとフレームに通しましょう。
と、そのまえにレバーのコネクタのねじ山をふきふきします。オイルとグリスをやると、ワイプオールをマッハで消費できます、ははは。
BB下からそっと入れます。
トップチューブ横から引きずり出します。
で、かんぱつを入れずに再接続します。
OKOK!! オイルを垂らさずに行けました。シフターケーブルはかんたんです。こいつは毒汁をもらしません。よゆうっつすね~。
て、はやとちりすると、こういう惨劇にみまわれます。
えー、あきらかにブレーキホースの長さが足りません。ホースのよゆうが20cmくらいです。レバーがハンドルに届かない! アウチ!
結局、ホースを外装にしました。ザ・二度手間です。
トップチューブに沿わせば、じゅうぶんな長さを取れます。ダミーのフォークを用意して、ケーブルのカットをしましょう。
サスペンションフォークがおそらくラストピースです。
場所を室内に移して、じっくりやります。フォークとホイールを仮組して、ドロッパーシートポストとブレーキをセットしました。
このルーティングはぐだぐだです。ドロッパーポストのリモートのケーブルがだるんだるんです。ブレーキホースはルートで損をしますが、ながさはジャストです。
ドロッパーポストのケーブルはあきらかに長すぎます。そして、キャップを外すと、おなじみのアウターの被膜縮みと鋼線の錆をおがめます。カットカット!
で、これとリアのブレーキホースを結束バンドでトップチューブにくくりつけます。
うん、ケーブルのながれはうざったくありません。オフロードバイクにはこういうむき出しの無骨さはぜんぜんありでしょう。
唯一の内装ルートのリアディレイラーのワイヤーケーブルを調整します。KONA HONZOからシフターとメカをはぎとりました。
SRAMのEAGLEのインナーのタイコ受けはここです。
で、ワイヤーを引っ張りながらシフトをかちかちトップに戻して、アジャスタを根元まで締めます。
これがワイヤー調整前の基本状態です。
リアメカをディレイラーハンガーにセットします。
ついでにハンガーのボルトを増し締めします。
シフトレバーの位置を決めます。このくらいです。
現行のスポーツバイクのリアディレイラーはシャドー系です。ロードもMTBもそうです。メカのアウター受けの手前にこぶしひとつのカーブは不要です。
アウター受けの角度が斜め前です。ケーブルのカーブが横に出てしまいます。旧式のメカのようにはなりません。
すでにこのケーブルのカーブは懐メロの域です、ははは。
インナーケーブルの初期伸びを取って、長さを調節して、エンドを瞬間背接着剤で固めます。
全部のルーティングが完了しました。正面からのケーブルのながれです。
フロントのブレーキホースがちょい長く見えます。ほかはぴったしジャスト+ちょいあそびです。
ちょいあそびを切ってカツカツにしてしまうと、ハンドルを90度にできません。実走ではめったにありませんが、トリックではたまに90度のハンドリングはありますし。
注目の全体像です。
今のところ、超高級バランスバイクです。カセット、チェーン、クランクを入れれば、ふつうに走りに行けます。
てか、もうかっけーっすわ! 実物は写真の三倍のかっこよさですわ!!! フルサスサイコー! いや、まだ半サスですけど、ははは。
次回はクランクとカセットの取り付けです。このプロトタイプで試走に行くか、サスフォークを待って完全な形で乗り出すか、それが問題だ・・・・