マウンテンバイクに乗り始めると、技に目覚めます。『ペダルを漕ぐ』が相対的に薄れて、『フロントを上げる』とか『体をひねる』とかが大きくなる。
ウィリーとマニュアル
MTBer乗りが手始めにやるのがウィリーです。てか、疎い自転車乗りの知識はウィリーしかありません。スタンディングやジャックナイフがぎりぎり入りますか。
で、見よう見まねでフロントをバーンと上げて、ウィリーらしきことをやって、失敗→尻もち→後方でんぐり返り→爆発四散の憂き目にあいます、ははは。
真の強敵はマニュアル
ウィリーは二輪技の代名詞的存在ですが、フロントアップ系の技はこればかりではありません。
もうひとつのだいじな技が『マニュアル』です。知らない? 実際、このトリックの知名度はウィリーとは段違いです。一気に下がる。
うらはらに技のむずかしさは跳ね上がります。マニュアルのキープが非常にやっかいだ。初心者のザ・関門です。
ウィリー=フロントアップ+ペダリング
自転車でウィリーするのは意外とかんたんです。うしろへこける恐怖を克服して、いきおいで行けば、わりとぱーっと進めます。器用な人は一日でできる。
ながれです。
- フロントをあげる
- ペダルをこぐ
- サドルに座る
で、バランスを取りながら、つーっと進みます。できる人は何kmも走れます。たしかMTBの一時間の最長ウィリー記録は25kmとかです。意味不明。
ウィリー中にはフロントはずっと下がります。それをペダリングで制御します。ペダリングを止めると、フロントをキープしづらくなります。
前にぼくは見切り発車でウィリー10m走の動画を取りに行きましたが、とくに練習なしでぱーっとできちゃいました。いきおいがかんじんです
ジャックナイフの最大の敵が前方転倒への恐怖、ウィリーのそれは後方転倒への不安です。
マイルドな路面を選んで、恐怖心をやわらげて、だめもとで「えいや!」とやれば、意外とすんなり行けます。
はでにこけてもそんな大ダメージを受けません。
もっとも、ええ年のオトナの最大の課題は人目の克服でしょうけど、ははは。
むずい! マニュアル
で、ウィリーとは一線を画すマニュアルです。これは一両日ではどうにもこうにもなりません。いきおいでぱーっと行けない。
ながれです。
- 一定の速度を出す
- フロントを上げる
- 腰を引く
- サドルに座らない
マニュアルはペダリングなしです。つまり、事前に一定の速度を出します。ゆるい下り坂が練習にはベターです。
これはぼくのマニュアル中の図です。
フロントを下ろさないように、バランスを崩さないように、自転車を全身で保持しながら進みます・・・あらためて書くと、意味不明さに笑ってしまう。
梃子の原理と三点バランスですね。日常的にはないモーションです。ウェイクボードとか綱引きに通じますかね~? とにかく、ぼくのスポーツ経験にはこのうごきはない。
腕の長さ、足の長さ、体重、自転車の大きさ、重さなどなどが絡み合います。感覚頼みの部分が大です。
バランスのスイートスポット探索は一輪車よりハードですね。ぼくはまだきちんとできません。7mがせいぜいです。
うまい人はこれで小ジャンプするとか、崖を下るとか、空中で宙返りしてマニュアル着地します。なんじゃ、それ。
4大失敗要因
年末から短期間でマニュアルのけいこをこなしまして、4パターンの失敗例に気づきます。
- 加速不足
- フロント上げ不足
- 左右のバランス崩れ
- 縦のバランス崩れ
下記の動画内では3大パターンて申しますが、失敗例は4つです。加速はけっこうだいじです。
感覚的に10mマニュアルに挑戦するなら、同じ距離かちょい長い助走を取りましょう。ダートな路面ではなおさらです。
ウィリーではペダリングで推進力を足せますが、マニュアルでは足せません。止まると動けない。
フロント上げ不足は重心の崩し不足ですね。自転車のバランスを崩さないと、フロントを上げられません。投げ技のようなものです。
左右のバランス崩れは態勢のいびつさから生じます。ぼくはこれをよくやる。左によれる失敗パターンが難敵です。
利き腕・利き足じゃない方の腕の引きや足の踏ん張りはおのずとおろそかになります。体ヒネる癖ある人はたいへんだ!
縦バランスの崩れは『まくれる』につながります。
後輪がここまで出てしまうと、立て直しはむりです。即座に足を離して、すってんころりんを回避します。
バランスをとれる絶妙なスイートスポットは非常に限定的です。それを手探りで掘り当てるのがマニュアルの真骨頂です。
て、そんな理屈を知ってすぐにできれば苦労はありません。ハウツー動画もあんまり参考にならんし。
先日、淀川の河川敷で二時間ばかしやってみましたが、10mチャレンジに失敗しました。うーん、むずい・・・