ママチャリはパンクします。原因は調整不足です。一般人はタイヤの空気圧に無頓着です。へこへこタイヤで歩道をがこがこ走ります。結果がリム打ちパンクです。
そして、一般人はパンクを自分で修理しません。丸投げが常態化します。
最難関! ママチャリのパンク修理
一般的な自転車のホイールは武骨なボルトナットでがっちり固定されます。
無数の余計なパーツがハブのまわりにごてごてと付属します。これを外すのがじつに大変です。
ママチャリや軽快車は生活用品で移動手段です。MTBやロードバイクのようなスポーツ用品ではありません。ゆえに機能性、整備性は二の次です。
後輪の整備性のなさはチャリのなかで最悪です、マジで。アンチ機能美。
で、今回のママチャリのパンクはもののみごとに後輪です。全国のママさんは定期的に空気を入れてください。
英式バルブを外す
一般車、軽快車、ママチャリのチューブの空気の口金は『英式バルブ』です。
ほかに米式と仏式があります。自動車やオートバイは米式です。スポーツバイクは仏式です。競輪のタイヤは特殊英式です。
英式バルブのパーツは3点セットです。
- バルブコア
- キャップ
- 虫ゴム
です。黒い樹脂のふたは機能面には影響しません。ただのかぶせです。
コアとキャップは金属ですが、虫ゴムはまんまゴム製です。これはよく劣化します。空気漏れの常習犯です。
で、このチャリの虫ゴムは少しボソボソします。寿命は長くない。予備のおニュー品に交換しましょう。
チューブを出して、パンク穴をさがす
チューブの空気を完全に抜いて、ホイールからタイヤを外します。ママチャリのタイヤは素手で簡単に外れます。
バルブのソケットをホイールの外に押し出して、チューブをタイヤのすきまから引きずり出します。
ここでさっきの虫ゴムとキャップを一時的にバルブに付け直して、チューブに空気を入れて、パンク穴を探します。
もちろん、空気入れに英式ヘッドソケットを使います。たいていの空気入れのオプションにありますね、このソケット。
空気チューブのパンク探しの伝統的な手法はバケツの水にどぶづけです。はい、うちでは洗面器でした。
このようなピンホール系の穴は目視で確認不能です。すなおにバケツと水を用意しましょう。いや、洗面器・・・
穴はこのかすり傷でした。
パンクホールはこの一か所だけです。
パッチとチューブをヤスリング
パンク穴の周辺をやすりがけして、チューブの表面をざらつかせます。
紙やすりがない? そこらの石ころを拾ってきて、軽くごしごしやりましょう。コンクリ、石畳、アスファルトも立派なやすりです。
パッチは昔ながらの古チューブの切れ端です。
パッチは角からはがれます。四角い手作りパッチはNGです。
ゴムのりをパッチとチューブのパンクホール付近にべちゃんと落として、指で薄くのばします。ぐずぐずしない、何度も触らない、すっすっす、とやりましょう。
それから、パッチをぺったんこして、工具やタイヤレバーの平たいところで圧着します。このとき、のりをちゃんと乾かし切ります。目安は3分です。生乾きははがれのもとです。
パンク修理用のゴムのりは完全に硬化しません。これは接着剤ではない。ジェルやグミに近い性質です。
パッチとチューブとゴムのりの関係性です。
やすり掛けした部分にゴムのりが入り込んで、それぞれがそれぞれを吸着します。そして、圧の化学反応で貼り付ける。
パッチとチューブをざらつかせて、ゴムのりを薄く延ばして、へら状のものでぎゅっと圧着する、それぞれに意味があります。
タイヤをチェック
チューブを戻す前にタイヤをチェックします。ピンホール系のパンクはなにがしかの破片がらみです。犯人がまだ現場にいます。
ほおら、出ました。今回の犯人です。なにかのプラスチック片です。見事なカニの爪だな。
チューブをタイヤに戻します。このとき、リムテープの状態を見ましょう。ママチャリのここはだいたい悲惨です。
全体をもみもみしながら、タイヤの内側のビードをリムのはめ込みます。
空気を入れて、様子を見ましょう。一時間後にタイヤがべこべこにならなかったら、あなたのパンク修理は成功しました。おめでとうございます!
「べこべこやー!」
いちからやりなおしましょう。
やすって、洗って、かわかす
初心者の失敗で多いのはやすりがけ不十分、油分や汚れの付着、ゴムのりの伸ばし忘れ、生乾きです。パンクの発見、チューブの着脱はそんなにむずかしくありません。
目標は30分です。自転車屋持ち込み、修理待ち、受け取りはだいたい二時間コースです。
タイヤ交換はこれよりハードになります。リアホイールを車体から取り外すのが軽い地獄です。