Zwiftの導入方法 ダウンロードや月額料金、必要なものまで調べてみた

自転車のハイテク化、ガジェット化が止まりません。電動ドライブ、パワーメーター、E-bikeアシストユニット、スマートトレーナーみたいな電子機器があとからあとから出てきます。

これらを全面的に買いそろえると、バイクの代金と同額ないしそれ以上の出費を食らいます。Garminの最新サイコは10万円、GoProは6万円です。

自転車関連機材の進化はハードウェアばかりでありません。ソフトウェア、コンテンツが急速に普及します。STRAVAが出世頭です。

ここへさらにバーチャルな、ゲーム的なオンラインサービスが登場します。それがZwift、ズウィフトです。

Zwiftてなに?

Zwiftは世界初の本格的バーチャルサイクリングサービスです。公式の概要には『サイクリング型MMO』の文字がおどります。

MMOはゲーマーにはおなじみのワードです。マシッブリー・マルチプレーヤー・オンラインの略称です。直訳は『たくさんの不特定多数のプレイヤーのオンラインゲーム』です。

Zwiftはこれの自転車版、MMOBIKEです。つまり、マリオカートのチャリンコ版 in 全世界です。アバターがマリオやクッパからしゅっとしたヒルクライマーやむきむきのスプリンターになります。

ちなみに本格ロードバイク自転車ゲームはほぼ一種類だけです。Pro Cycling Managerシリーズです。

DUT2017
DUT2017

これはソロのオフライン型一人用ゲームです。しかも、チーム運営シミュレーションゲームです。サカつく、野球つくのロードバイク版です。

コントローラーは実機の自転車

Zwiftとただのゲームの最大の差は操作端末、コントローラーです。Zwift内の仮想現実空間のアバターとバイクを動かすのは十字キーでなく、実機の自転車です。

データは自転車→センサー→PCやスマホ→ネット→Zwiftサーバーとリアルタイムに流れます。アナクロ機材と小型ワイヤレス機器と常時高速オンラインの申し子的ハイブリッドサービスです。

簡易なセンサーのかわりに高度なパワーメーターや最新のサイクルトレーナーを用いれば、より正確なデーターを取って、Zwift内に送れます。ゲームにもシミュレーターにもなりえます。

実際、一部のプロ選手がZwiftをインドアトレーニングやリハビリ機材に取り入れて、積極的にPRを重ねます。

従来の古風なローラー台では業界外の耳目を集められません。反応するのはアスリート志向のコアユーザーばかりでしょう。はて、3本ローラーがゲーマーの心をつかめますか?

一方、ゲーム性、先進性からアプローチできるZwiftはライトユーザーやガジェット世代、業界内外のアタラシモノ好き、イシキタカイ系の人に広く訴えられます。ローラー台よりキャッチーでしょう。

ハンドリングは反映されない

Zwiftのキャラの操作は出力によります。リアの出力オンリーです。ハンドリングは反映されません。ハンドリングを捉える市販のセンサーがありませんから。

この世にペダリングモニターはあれど、ハンドリングモニターはありません。ロードバイクにはオフロードやトリック系バイクみたいなハンドルテクは不要です。機材の力で感覚でびゃーっと走れます。

で、現状のZwiftはロードバイクライクです。出力、ペダリング効率、心拍数みたいなシンプルな数値で現実のライドに近い状態をバーチャル空間内に反映できます。データ化がかんたんです。

逆にMTBやトリック系バイクの動きをバーチャルに反映しようとすれば、ロードの数倍のデータを求められましょう。スピードセンサー1個では動きをぜんぜん再現できません。

かりにそれをキャッチするなら、どんな機材を使いましょう? モーションキャプチャーみたいなものを取り付ける? そのデータを世界レベルで同期する?

サーバーが爆発するか、利用料金が5倍になります。むりゲーです、ははは。

Zwift内アイテムはマリオカートのパクリ?

『Zwiftはマリオーカートのチャリ版』はただの例え話じゃありません。Zwift内にはマリカーみたいなアイテムがあります。以下のものが一定ポイント通過ごとにランダムで出ます。

  1. Large Bonus
  2. Small Bonus
  3. Lightweight
  4. Draft Boost
  5. Aero Boost

ゲーム中でPCのSpaceキーで使えます。ローラー台で走行中にキーボードを使えへんわ! そんな方にはモバイル版です。ボタンタップで使えます。

1、2がスコアボーナスで、ゲーム内ランクの総得点を無条件で増やします。3、4、5がスピードアップで、おなじみのマリオカートのキノコです。

マリオカートは世界的に有名なお手軽レーシングゲームです。1992年発売のスーファミの初代スーパーマリオカートから足かけ四半世紀年を経ますが、衰え知らずの人気シリーズです。

さて、チャリレースゲーを作ろうというゲームデザイナーやゲームプロデューサーがこのレースゲームの金字塔を無視できましょうか? マリカーを知らない? マリオを知らない? それはむりなはなしです。

Zwiftの導入に必要なもの

Zwiftを始めるのにはなにが必要でしょうか? 設備をさらっと箇条書きしましょう。

自転車

マストアイテムは自転車です。これがZwiftの操作端末、コントローラー、十字キーです。推奨は700cのロードバイクやクロスバイクです。

しかし、キャラやバイクの動きの大本はセンサーの出力数値です。これを取り付けられるなら、正確性に劣りこそすれ、MTB、ミニベロ、ママチャリでZwiftできます。

悪の発想をすると、パワーさえサーバーに送れ付ければ、異常な高得点をたたき出せます。ぞくに『チート行為』です。オンラインゲームにはつきものです。

チート利用者=チーターを放置すると、運営元のコンプライアンスを問われて、ユーザーの信頼を損ないます。チートもチートの放置も悪です。そのオンラインサービスは終わります。

気軽なSTRAVA内ではすでにチート行為が蔓延します。セグメントの異常な数値はたいたい自動車かオートバイです。これが大騒ぎにならないのは費用の安さと没入度の低さのためです。

PC、スマホ、タブレット

Zwiftはアプリです、ゲームです、ソフトです、カセットです。箱に入れなきゃ、起動できません。PC、スマホ、タブレットが『本体』になります。

公式の推奨動作環境はこんなところです。

  • OS: Windows 7 x64 bit, OSX 10.8
    Processor: Intel Core 2 Duo
    Memory: 4GB
    Graphics: 1GB dedicated GPU, or embedded Intel HD 4000/AMD R5
    Hard Drive: 4GB of free space

ゲーミングパソコン的には10年前のぽんこつ仕様です。据え置きゲームではPS3やXBOX360の世代です。

実際、Zwiftのグラフィックや動きはPS4や最近のミドルグレードのゲーミングPCには力不足です。上記のManagerシリーズと五十歩百歩です。

古いノーパソ、古いふつうの家庭用PCでは動作があやしくなります。メモリの4GBがビミョーなラインです。安定動作には倍の8GB前後が理想的です。

最新のスマホやタブではモバイル版はカイテキでしょう。が、画面の小ささがネックです。運動中にちっこい画面はストレスフルですぜ~。

ぼくは32インチの古いパナの液晶テレビをPCディスプレーにします。デスクトップの作業やゲームにはちとでかめですが、机前にバイクを置いて、走りながら見るにはベストサイズです。

Zwiftの画面とライダーの距離感はテレビ視聴に近くなります。22インチや24インチはちょっと物足りません。

センサー

PCやスマホにZwiftをインストールすれば、機器設定やキャラメイキングをスキップして、ゲームのコースには入れます。が、アバターやキャラはそこから動きません。パワーがありませんから。

バーチャル内のキャラやバイクを動かすパワーは現実のZwift利用者が出力するパワーです。それを検知するのがスピードセンサー、ケイデンスセンサーです。

イマドキの無線サイコンにはこのセンサーがバンドルします。無線方式はANT+かBluetoothです。

一般的なデジタル家電にはBluetoothの方がおなじみですが、高級サイコンの人気ブランドのGarminがもともとANT+派です。てか、ANT+はガーミンの子会社の開発商品です。

この流れでANT+のがフィットネスや自転車業界ではおなじみです。速度、ケイデンス、心拍て、データがそんなに大容量になりませんし。

台湾のGPS屋のBrytonもANT+対応します。センサー単品がアマゾンにあります。

パワーメーターはセンサーを兼ねます。Garminと連動できるモデルはほぼANT+対応です

USBドングル

これらのサイコンのオーナーはANT+センサーをZwiftに流用できます。しかし、受信側のハード、PCやスマホの無線チップはまちまちです。

WifiとBluetoothはだいたい標準搭載ですが、ANT+搭載の基盤はレアです。ぼくの昔のパナソニックのスマホはANT+対応でした。みんなのiPhoneはBluetooth派です。

ANT+非対応のデバイスにANT+を認識させるには外付けの受信機を使います。ANT+ドングルです。ドングリやダンバルやでんぐりがえりやぐりとぐらではありません。ドングル!!!

パソコンのUSBポート、Android端末のマイクロUSB、iPhoneのライトニングにこのドングルをぶっさして、センサーの出力数値をびびっと受信します。

その昔、PSPのモンハンをパソコン回線につないでオンラインプレイするのにアドホック対応のUSBアダプターがゲーマー内で流行しました。あれも一種のドングルです。確かXlink Kaiてやつです。

これはAndroid用のANT+ドングルです。

アマゾンレビューの様子では完全にZwift用になりつつあります、ははは。PC用は見つからない。中華から安いのを取り寄せるか~。

で、このANT+ドングルをPCやスマホに付けて、センサーを自転車やライダーに取り付けて、各種のデータを送れば、Zwift内のキャラを動かせます。

必須のものはスピードセンサーのデータです。かりにママチャリのホイールにセンサーをくっつけて、手回しや空回ししても、なにがしかの数値を出力できます。ほんとに動かすだけになりますが。

本末転倒気味にANT+チップ搭載orドングル外付けのスマホでZwiftを起動して、バイクにセンサーをくっつけて、外でふつうにチャリダーすれば、当然のごとくキャラを動かせます。

インドアサイクリングシミュレーターの意味は完全になくなりますけどね!

ローラー台

室内でチャリを漕ぐにはローダー台が必要です。スタンドをアップして、ママチャリを漕ぐ? 負荷がかかりませんから、数値がめちゃくちゃになりましょうよ。おとなしくローラー台を使いましょう。

推奨のローラー台のブランドリストはZwift公式ページにあります。MINOURA、Elite、Tacx、CycleOps Kineticなどです。

もちろん、これ以外のローラー台でZwiftするのは禁止だ! てわけじゃありません。ローラーはローラーです。すでに実走とは別物です。ゲームに厳密な正確性を求めるのがナンセンスです。

正確性、競技性を求める熱心なユーザーにはハイテク機器のスマートトレーナーが人気です。これはセンサー、パワーメーターを兼ねます。

さらに最新型はZwiftのバーチャルなコース状況をリアルタイムで現実に反映して、負荷を自動的に調節します。ゲームコントローラーのぶるぶる機能のすごい版です。

ハイエンドモデルが売れ筋です。上り下りを再現できるスマートトレーナーです。業務用みたいなふんいきです。

北米やヨーロッパのハイアマチュアやコアユーザーの冬場のトレーニング用でしょう。ゲームのレベじゃない。いや、まあ、ゲーミングパソコンはこんなもんですけど。

結局、日本はそんなにむちゃくちゃな寒さにはなりません。外で走れる。そして、住宅事情が欧米ほどじゃありません。バイクとこれを一箇所に置くスペースの確保、騒音振動対策はたいへんです。

iPadやでかスマホとクラシックなローラー台で気軽にコンパクトに楽しむのがJapanase Zwiftスタイルのメインストリームでしょう。

Zwiftの月額利用料は1500円

このZwiftは無料アプリじゃありません。月額1200円の有料オンラインゲームです。ガチャやDLCのなさはすくいですが、そこそこの課金サービスです。

登録後の7日間は無料体験期間です。多分、飽きる人はここで飽きちゃいます。

ちなみにぼくがZwiftを始めるにはスピードセンサーとUSBドングルとローラー台が必要です。3万円で行けますか。AAAクラスのゲームを4つ買えますね、うーん・・・