自転車にはいろんなハンドルがあります。
これらの多様なハンドルバーの特徴と用途、メリットとデメリット、定番とマイナーをたのしく知って、あこがれのハンドルマイスターに近づきましょう。
自転車ハンドルの基本
自転車ハンドルのおおまかな分類は実用系とスポーツ系です。また、その中間に趣味系のハンドルやカスタム型の特殊ハンドルがあります。
素材はおもに鉄、アルミ、カーボンです。チタンハンドルはめったにありません。アルミはかちかち、カーボンはしなしなです。
規格のポイントはステムのクランプです。バーのまんなかのところです。
このハンドルバーは29.56mmて数値をたたき出します。詳しい人はここで小首をかしげます。こんなサイズは超イレギュラーです。
このクランプ部分にはいくつかの定番数値があります。
- 25.4mm=実用車系、クロスバイク、ミニベロ
- 31.8mm=クロスバイク、ロードバイク、ノーマルMTB
- 35mm=ハードMTB
一昔前のロードのドロップハンドルが26mmだとか、BMXが22.2mmだとかしますが、現行の一般的なハンドルのクランプ径はこの3つです。
スタンダードなフラットバー
自転車ハンドル界メジャーのメジャー、圧倒的多数派、ハンドルバーオブハンドルバーはフラットバーです。クロスバイク、ミニベロ、安いMTBのハンドルはだいたいこれです。
フラットバーのメリットは安さ、軽さ、コントロール性、視界のよさです。バーの形状はほぼストレートのパイプです。加工の手間がなければ、加工の駄賃が浮きます。
たいていのやつのグリップ部分は手前にスイープします。スイープ=ゆるやかなカーブのことです。
ノットスイープの完全パーフェクトまっすぐなものもあります。ストレートバーとかいわれます。フラットバーとのちがいはニュアンスです、きっと。
ほぼただのアルミ棒です。じゃあ、2200円は割高だなぁ。色とロゴが2000円くらいでしょうか。アルミパイプは1メートル400円とかですし。
アルミのものは150g前後、カーボンのものは100g前後です。
軽さを極めるなら、バーをカットしましょう。パイプカッターが便利です。
でも、バーのカットは一発勝負です。それよりグリップ側で調整するほうが賢い方法です。単純に握りのポイントを広くするなら、ロンググリップを使いましょう。
ロード用のバーテープを巻くのもありです。このましい長さにグリップを微調整できます。
ただし、非ドロハン型のハンドルバーのグリップのとこのサイズは22.2mmです。これはロードのドロハンのパイプより細身です。
つまり、ちょっと肉厚のバーテープを巻くのがフラットバーバーテープのセオリーです。3mm~がおすすめです。
フラットバーのデメリットはものすごい風圧と手の疲れです。チャリダー時の上半身はピストやTTやロードバイクより起きます。空気抵抗がもろです。
逆に追い風はすごいアシストです。背中をびゅうびゅう後押しします。
本格MTB系のライザーバー
本気のMTBではまったいらなフラットバーはすでにレア規格です。ちょい上がりのライザーバーが基本になります。
ライザーバーの特徴はバーのライズ、上がりです。10mmのローライズから50mm越えのハイライズがあります。フラットバーよりさらにコントロールアップ、ポジションアップです。
だいたい横幅は70cm以上です。てこの原理で小さい力でコントロール力を高めます。オフロード走行の重要度は止まる > 曲がる >>>>> 走る です。
走らなくても下れますが、止まれないと怪我します。
ライザーバーのクランプの主要なサイズはロードバイクと同じく31.8mmです。が、近年、より太い35mmのクランプがじわじわ誕生しました。
すべてはハードでタフなオフロードライドのためです。MTBレースのコースは毎年のように激しく、きびしく、タフになります。
必然的に自転車のパーツの各部は毎年のようにぶっとく、ひっろく、つっよくなります。これはほぼ不可逆変化です。
現状、35mmハンドルクランプ&35mmダイレクトステムがベストハードコンビです。フリーライドやDHのエクストーリムなライドにはこのくらいの強度と剛性が必要です。
BMXのバーのクランプは22.2mm
BMXのハンドルはほぼすべて専用のライザーバーです。丈夫さ重視のクロモリが主流です。とくにフリースタイルのBMXはトリックぽいぽい投げ捨てられますから。
こういうダートレースのBMXの車体やパーツはアルミやカーボンです。
BMXハンドルの特徴はクランプとハンドルグリップが同一の22.2mmであることです。そして、強度確保のためのサポートバーの存在です。投げ捨てウェルカムなBMXらしい設計です。
ライズは20cm前後です。カマキリ以外では最高のライズです。コンフォート用のカマキリハンドル、ぞくに鬼ハンは重くてやぼったいです。
BMXステムのクランプは22.2mmです。基本的に小さいクランプのハンドルを大きいクランプのステムに付けるのは可能です。アダプターやかませやで固定できます。
でも、反対は無理です。大は小をかねません。なので、22.2mmクランプのBMX用ステムはネバーコンパチブルです。
ロードのアイコン、ドロップハンドル
ロードバイクのシンボルがドロップハンドル、ドロハンです。メリットは前傾の取りやすさです。
横幅はだいたい50cm以下になります。シフターとブレーキが一体化したSTIレバーはハンドルのカーブのところにセットされます。
低く狭くで前側の面積を小さくして、空気抵抗の影響を最小減に抑えます。ウェア、メットもその工夫がされます。近年のトレンドは軽量 < エアロです。
ドロハンのデメリットは視野は狭さ、上半身の疲れやすさです。一説ではドロハンの前のめりポジションの首の疲れや目の疲れはパソコン作業の数倍になります。
ために超長時間、連日連夜の長丁場にはロードバイクは向きません。遠乗り、長乗りにはツーリングバイクやランドナーがあります。
いいとこどりのブルホーン
ドロップハンドルの仲間にブルホーンハンドルがあります。
ブルホーン=雄牛の角です。ドロップハンドルより上半身は起きますが、フラットやライザーまで上がりません。
グリップの握りは縦握りです。で、ドロハンほどに不自然な前傾でない。つまり、高速長距離ツーリング向けにベストなハンドルです。
デメリットはブレーキとシフターのポジション決めです。ロードのSTIタイプにせよ、MTBのトリガータイプにせよ、ブルホーンバーにそのまま取り付けるのは難題です。
バーのエンド部分、キャップを詰めるところにシフターを入れるか、ブレーキを入れるか、ステムに近いところにするか、親指シフト、うんぬんかんぬん、ああ、二者択一がいっぱいです。
まあ、でも、前傾で走って、高速域に達して、変速かブレーキかを悩むなら、常識的にブレーキを優先します。
ちゃんと止まれる安心感がないと、恐怖心が心理的ブレーキになります。結果、現実のスピードが伸びません。
蝶と鬼
その他の特殊なハンドルです。まっさきに思い浮かぶのがPハンドルです。アップライトの縦握りが可能なレアハンドルです。
一般的にはバタフライハンドルです
アマゾン、何でもあるなあ、ははは。ノット前傾でマルチグリップがOKです。メリットは重さです。あと、ファンキーに目立ちます。
キング・オブ・アップライト、エアロバーの対極、ハンドル界のアルテマウエポンがカマキリハンドルです。
メリットはスーパー直立姿勢です。背筋ぴーんのどっしりポジションが可能になります。そして、こいつを前にぐいっと傾けると・・・
はい、鬼ハンです。 痛車、デコ車のグレートオリジンです。はじめてのチャリンコカスタムがこれでしょう。クイルステムを緩められたら、もう仲間内のヒーローです。
特殊の特殊、USS
リカンベントのハンドルは超特殊です。とくに下側にステアリングシステムがあるUSSはなぞです。