ちょい乗り用のフラットバーロードバイクのオーバーホールその3です。第一話でパーツをばらして、第二話でフレームセットの丸洗いをしました。
で、今回は自転車整備の最難関のドライブトレインのクリーニングを行います。この系統の部位はギザギザ、ジャリジャリ、デロデロのオンパレードです。
冬場のドライな空気とベアリング周りのハイブリッドな汚物のコンボは手にこくです。今年はまだましですね。去年のメンテの手荒れは春先まで治らなかったよ・・・
ドライブトレイン大掃除
初回でとりはずしたドライブの一式です。
変速機がありません。このパッケージはシングルスピードのセットです。DIYラーをなやますギザギザ手裏剣・多段スプロケットがありません。メンテが楽です。
1ピース型のEagleの12速カセットはほぼいやがらせレベです、ははは。
ヘッドパーツの掃除
ドライブトレインと申しましたが、ヘッドパーツを紛れさせました。ベアリングに触れる部分をいっぺんにやってしまいます。
もちろん、ヘッドパーツもBBもシールドベアリングです。色気を出して、パッキンをはがすと、シールをむやみに痛めてしまいます。前に懲りました。
シールドベアリングのメンテは1にも2にも拭き掃除です。ダスト、サビ、古いグリスの混合物をきれいにふきふきします。
ちなみにぼくの体験では屋外駐輪のヘッドパーツサビサビ率は100%です。が、ベアリングごりごり率はさほど高くありません。
ちなみのちなみにこのヘッドパーツはカーボンフレーム用のインテグラルタイプです。トップ1 1/8、ボトム1 3/8てレアなテーパーです。標準は 1 1/8-1 1/2ですね。
BB掃除
よごれもの界の大御所のBB師匠をきれいにします。
やっぱし、シールドベアリング=ふきふきです。水洗いもオイルスプレーもベアリング周りにはかんばしいもんじゃありません。拭き掃除以外の対処法がない!
例のごとく余計な色気を出して、パッキンをごにょごにょして、回転を軽くするぞウオー! ていきごむと、早晩のゴリゴリ地獄をまねきます。
そもそも圧入BB取り外してふきふきすること自体がすでにけっこうな大規模工事です。ふつうの人はねじ切りのBBすらメンテしない。
やや右カップのベアリングがゴリゴリします。はい、スルーしましょう。で、順番をすこし入れ替えて、BBをフレームに圧入します。
方式は毎度のハンマーたたきこみです。フレームをぶちわったら圧入工具を買おうと思いますが、さいわいこのむりやりPFをなかなか失敗しません。
しろうとのむりくりごりごりハンマー圧入が見れるのはB4Cだけ! ウホ!
ギア掃除
おつぎはギアです。シングルスピードのギアは一枚だけです。掃除がめっちゃらくだ!
ギアは厚歯の16Tです。ホイールのハブのフリーボディはふつうのHGタイプの11速用です。固定ではありません。
で、4つの若いリング、グレーの筒みたいなもの、多段ギア用のちっこい薄歯の11Tトップギアはスペーサーの代用品です。
こういうことです
ハブのメンテは次回のホイール整備の回へ。
クランク掃除
クランクです。
EASTONのカーボンクランクEC90 SLです。RACEFACEのNEXT SLクランクにくりそつです。てか、名前違いの同等品です。
MTBのフロントシングルはふつうですが、ロードのフロントシングルはレアです。ROTOR、FSA、EASTONあたりが候補です。
シマノ、カンパニョーロ、SRAMはそれぞれシングル用のクランクを出します。でも、これはトラック系パーツです。デュラ、ピスタ、オムニウムとかですね。
で、そっち系のクランクを付けると、理想の車体のイメージを損ねてしまいます。なんかちょっとやぼったくなる。
このEASTONクランクはぼくのイメージにぴったし来ます。英国ストアのセールで破格でしたし。ROTORの新型はちょっと高すぎた。
チェーンリングの汚れ落としに禁断の呉556の封印を解きます。
リングにオイルスプレーはOKです。チェーンには条件付きでOKです。
- 556で洗浄
- 拭く
- 丸洗い(煮沸)
- 乾燥
- オイルで潤滑
これが正解です。556の実態を知らない人は上記の”1″で止まってしまいます。スプレーしてふき取りすらしない。髪にシャンプーを付けただけようなものですがねえ・・・
ブレーキ掃除
KSNCのダイレクトマウントの掃除もついでにやってしまいます。案の定、方法はドライクリーニングです。ワイプオールが三枚目だ!
とどのつまり、拭けばだいたい直ります、ははは。逆にドライブトレインをてきとうに洗っても、ヘドロ状のしつこい汚れを落とせません。
個別にバラシて拭く、これが非常に効果的です。口でゆうのはかんたんですが、実際にやるのはたいへんです。汚れものを気軽に広げられるスペースの確保が難題でしょう。