少し前まで自転車のディスクブレーキはオフロードバイクの専売特許でした。
これがロードバイク、オールロード、Ebike、クロスバイク、ミニベロにまで普及します。20インチの折り畳み自転車にディスクブレーキが要るか?
ローターとパッド干渉
油圧ディスクブレーキはワイヤー引きの機械式ブレーキよりメンテフリーです。
自転車のディスクブレーキはやや繊細なオートバイのブレーキのようなものです。単車のメンテは何年かに一回でしょう?
機械式ブレーキの要はワイヤーないしケーブルですが、これは意外とすぐに傷みます。鋼線が空気や水気に触れますから。
シュッシュ音
自転車のディスクブレーキの最も日常的な不具合は異音です。シュッ、シュッ、シュと同じリズムで耳障りな擦れ音がする。
この異音はディスクローターとパッドの干渉です。で、うちのバイクのリア側でこれが発生しました。
ブレーキパッドを外して、詳細を観察します。
オー・マイギャップ! ハブ側のピストンがあきらかに出べそです。しかも、左右で出代がちがいます。手前側は均一です。
で、この状態からレバーを軽く動かします。手前側の二つのピストンはレバー開放で戻りますが、ハブ側の二つは固定になります。こいつが犯人です。
戻らないピストン
ディスクブレーキのピストンには戻りの限界値があります。それを越えてしまうと、キャリパー内に自動で戻らず、こんなふうに定位置で固まっちゃいます。
そもそも何でこんなにピストンが飛び出てしまうか? 理由はすきま、余地、クリアランスです。じゃあ、何でそんな隙間があるか?
左2つがフロントのパッド、右2つがリアのパッドです。
厚みが全く違いますね。常用のリアブレーキのパッドはもうぺらぺらです。
ペアを二枚重ねにしましょう。
はい、リアはフロントのほぼ半分です。この摩耗分が隙間になります。
ブレーキパッドが到着
ところで、ディスクブレーキのパッドはメーカーやモデルで異なります。ぼくのブレーキはHOPE E4です。国内流通がほぼない。
海の向こうから届きました。
11ユーロ、ざっと1500円です。スタンダードのレジンタイプです。
パッドの一式です。パッド、内ピン、とめボルト、とめピンです。ちっこいとめピンを見逃さないように、パッドをべたべた触らないように注意しましょう。
ディスクブレーキパッドの交換は簡単です。キャリパーやVブレーキみたいに面倒な手順はありません。
ボルトを緩めます。
で、旧パッドをすっこぬいて、新パッドを入れます。はい、おわり。
新品のパッドをならす
新品のパッドは完全じゃありません。タイヤと同じく当たりが出始めると、本領が発揮されます。
当たりの出し方の手早い秘策はローターを軽くぬらす→ブレーキするを何度か繰り返すことです。つまり、疑似的な水研ぎです。
ぬれたパッドは盛大に鳴きますが、あたりが出ると、音がしずまります。これを二度三度繰り返せば、パッドの皮をいい感じに剥けます。