プーリーはリアディレイラーの二つの小さな滑車のことです。上がガイドプーリー、下がテンションプーリーです。
これはシマノXT M780のプーリーです。
右がテンションプーリー、左がガイドプーリーです。
これはシールドベアリングですが、安価なものはシールドベアリングですらありません。樹脂の歯車x軸ブッシュのシンプルな滑車です。
正味、パーツの中ではニッチのニッチ、マイナーのマイナーです。安物、高物のちがいはしろうとに分かりません。大半の人にはリアメカの一部でしかない。これだけを交換する人はまれです。
そして、結局、案の定、純正のパーツ構成が総合バランスに優れます。しろうとが思いつきでするカスタムは本業の変速メカ屋が全力で考える設計を越えられません。それはあたりまえです。
ゲームのメモリーカード、純正がいちばんです。でも、だめなものはほんまにだめですが、そこそこのやつはそこそこじゃありませんけ? おまけに某S○NY製は独自企画ばかりだし。
そして、純正パーツのビジュアルは没個性的でやぼったくなります。とくに堺国のシマノ製品はシツジツゴーケンをモットーにします。工業的な黒、銀カラーがジャスティスです。たまーーーに金色がおまけ程度に入ります。
中世以来の自治商業都市堺の実用的あきんど精神の矜持でしょう。
でも、スポーツバイクはぼく的に一種のファッションです。実用性だけに固執して、均一的にやぼったくなるのはごめんです。ユニクロのヒートテックやウルトラライトダウンだけでは所有欲は満たされません。
で、社外品です。アルマイトカラーです。セラミックプーリーです。毎度の中華からスモパケが届きましたで。
超回るよ、セラミックベアリング!
カーボン、チタン、セラミック、これは自転車パーツの高級3大素材です。ばくぜんと高級だてのは分かりますが、実際の相場はよく分かりません。
一昔前の定説で「100g軽量化=1万」てのがありましたね。カーボンが稀少だった時代、2010年前後の古めかしい風説でした。
が、いまやカーボンパーツはちまたに溢れかえりまくります。パソコンのHDやSSDが数年で安くなるみたいにカーボンパーツも安くなります。もう特別なものじゃありません。
チタンは相変わらずです。が、チタン系パーツは小物ばかりです。ボルト、シャフトなんかです。価格は知れます。このチタンシャフトのBBは4000円強です。
中華カーボンのレポートはたくさんですが、中華チタンのはからっきしです。これでグラベルをバラ完するのはおもしろそうです。近日の計画に入れましょう。
で、セラミックです。自転車ではベアリングに使われます。セラミックの特徴は強さ、軽さ、固さです。ことさらに鋼の天敵の酸、塩分、水気に無敵です。
この耐性のおかげでシールをマイルドにできます。本体の防御力が高めだから、バリアがすこし弱くなっても、雨酸塵が目じゃありません。
おおよそに純正ベアリング=鋼ベアリングです。雨、酸、塵が弱点です。地の鉄は雨水でほんまにすぐにさびちゃいます。
なので、シールのパッキンやグリスのバリアは分厚く念入りにならざるをえません。こんなのが適量です。
とうぜん、このねっちょりした物質やしっかりパッキンは中身の鋼球の抵抗になります。じゃあ、回転はおのずともっさりになります。
現実、このグリスアップ直後のプーリーは5回転くらいしかしなくなりました。ちょっとグリスが大量だったかあ?!
で、セラミックプーリーです。なんとMEROKA製です。いかにもなパチモンくささがGOODです!
滑車は7075アロイ合金製です。歯数はやや多めの13Tです。カラーはグリーンです。ビバ、アルマイト! このはなやかさはシマノにはありえません。
ベアリングの中身です。
パッキンのシール度合いがスチール系のものと違います。半面はほぼむき出しです。回転のよさはなによりこの構造のたまものです。
ベアリングの天敵の砂、ちり、ほこり=石の粒子です。主成分は石英とかです。これはモース硬度7です。鋼は7.5、セラミックは9です。
単純な発想でこの固さ、てゆうか、きずつきにくさ、引っかき傷や噛み込み傷への耐性がセラミックをむき出しにできる理由じゃないかなと思います。これより固いノイズは路上にそうそうありません。ダイヤの破片がそこらにあるかあ?
反面、ガラスやダイヤと同じくでかい衝撃が弱点です。鉄みたいにしなっと変形せずに、ぱりんと砕けるかぱきんと割れます。ガラスのつるぎの攻撃力は絶大ですが、使用回数は一回でしょう。
さて、恒例行事をしましょう。空転時の回転性能の確認だア! 左プーリーをプーリーごと右回転! 右プーリーをベアリングごと左回転!
おお! めっちゃ回る! 回転時間は平均7秒/1指パッチンです。
はい、これで満足しました、元を取れました。変速性能? は?