- 総合評価4/5 ★★★★☆
- 最強の実用性
- 4Eシューズの基準点
ぼくがこのように感じたアシックスの手頃なランニングシューズasics JOG 100 2の詳細を以下で解説します。
asics JOG 100 2の基本情報
日本国内には世界屈指のスポーツ用品メーカーがあります。アシックスとミズノ。
この二社はウェアの大手でもあり、シューズの大手でもあります。どちらも関西の企業です。アシックスは神戸に、ミズノは大阪に本拠を置きます。
この二社は豊富なスポーツシューズを展開します。そして、国内メーカーらしく幅広タイプの取り扱いが豊富です。
ぼくもNIKEやプーマのスニーカーのタイトさに泣かされて、アシックスとミズノのシューズに癒されました。
今回の主役は神戸のアシックスのオーソドックスなランニングシューズ・・・いや、ジョギングシューズのasics JOG 100 2です。
ちなみに”asics”の正式な綴りは公式ロゴのように小文字です。
標準的な幅広フラットシューズ
asics JOG 100 2の基本情報をアシックスの公式サイトからの引用します。
価格 | 5390円(税込) |
素材 | インナーソール:取り替え式 |
生産国 | カンボジア |
サイズ | 22.0~29.0/30.0cm |
アッパー素材 | 合成繊維(ラッセル構造)+人工皮革 |
アウター素材 | ゴム底 |
その他 | 22.0~24.0=ワイド 24.5~=スーパーワイド |
ワイド=2E、スーパーワイド=4Eです。”EXTRA WIDE”の表記もあり。
中間の3E幅はその他のジャンルではありますが、ランニングシューズではレアです。おおむねワイド=2Eのワンサイズ上はスーパーワイド=4Eです。
JOG 100 2のキャッチコピーはこうです。
ワイド~スーパーワイドラストを採用し比較的ゆったりとした着用感。ビギナーのランニングをサポートするクッション性とグリップ性。
asics jog 100 2 公式説明文より
価格、説明文、用途、設計、全てがスタンダードなビギナー向けランニングシューズを表します。つまり、ハイスピード軽量型でなく、クッション快適型です。
JOG 100 2はメンズのみです。同タイプ、同クラスのカジュアルな男女共通モデルはJOLT 2になります。
使用者の身体情報
ぼくの足のサイズ・・・という表現は誤解を生みかねません。足の”データ”は以下の通りです。
性別 | 男性 |
体系 | 中肉中背 |
素足サイズ | 25.5cm |
スニーカーサイズ | 26.0-26.5cm |
素足幅 | 11cm |
スニーカー幅 | 4E |
土踏まず足囲 | 26cm |
母指球足囲 | 27cm |
4Eクラスの幅広甲高の足囲は縦幅を軽く上回ります。幅広甲低や幅狭甲高はこうなりません。
このサイトの幅広甲高の定義は足の回り > サイズです。
asics JOG 100 2の特徴
上記のようにasics JOG 100 2は初心者用のスタンダードなランニングシューズです。手元の実物は4Eの26cmですね。
設計や価格から強烈な特徴はありません。NIKEの厚底シューズ、ヴェイパーシリーズのような先鋭性や専門性はない。
『スーパーワイドタイプ』というのが最大の特徴です。
しかし、ぼくのシューズ選びの最優先はサイズと幅ですから、この『スーパーワイドタイプ』は『超軽量』や『限定品』より高得点です。
アッパーは普通でシンプル
asic JOG 100 2のアッパーは非常に普通です。メッシュの合成繊維の下地+人工皮革の補強です。
アッパーのベースはネイビー、アシックスのシンボルマーク部分がゴールドです。ちなみにこのマークの正式名称は『アシックスストライプ』です。
このカラーはやや控えめなデザインに見えますが、JOG 100 2の他のバリエーションはさらに控えめです。やや地味。
おそらくこのモデルのメインユーザーは学生でしょう。一種の学校指定感はありますね。アシックスとミズノのシューズの欠点はこれです。
アシックスの高級路線のオニツカタイガーはなかなかおしゃれですが、エントリーモデルは少しやぼったく見えます。
同価格帯のニューバランスの方が街では映える。
アッパーのホールド感、サポート感、履き心地は平凡です。可もなく不可もなし。
トレランシューズのNB MT410のような特筆の柔らかさもありません。ある意味、ランニングシューズの王道です。
サイズ感はスタンダードな4E
別項のNB MT410のアッパーは4Eの中でもゆったりな4Eでした。これはトレイルランニングシューズの特性です。
一方のJOG 100 2は名前の通りにジョギング用です。つまり、このシューズは厳密にはランニング用でなく、ジョギング用です。
ランニングとジョギングの違いは以下の通りです。
- ランニング=ハイペース走
- ジョギング=マイペース走
経験者は「喋りながら走れるのがジョギング」と良く言います。この分類ではぼくは確実にマイペースのジョガーです。
で、ジョギング用のJOG 100 2のアッパーの容量はスタンダードな4Eです。トレランシューズのような甲のルーズさはありません。
4Eの26.0cmが素足にジャストです。冬場に厚手の靴下を履くと、タイトに感じるかも。
ヒールは普通
こちらはJOG 100 2のヒールです。
NB MT410のヒールはふにゃふにゃですが、JOG 100 2のここは普通です。特に硬くも柔らかくもない。
試しに新品を下ろして素足で10km走りました。ヒールの縁の当たりで靴擦れが起こるとか、踵がすぽすぽ抜けるとか、そういうトラブルはありません。
ヒールが硬すぎるor浅すぎると、靴擦れやすっぽ抜けが起こりますね。素足派はここらには敏感です。
難点は靴紐の短さでしょうか? 幅広甲高は習慣的に甲を広くします。すると、靴紐が少し短くなってしまいました。まあ、些細なことですが。
インソールも普通
インソールはコスト削減の対象です。シューズの予算の優先順位は基本的にアッパー < アウトソール < ミッドソール < インソールです。
で、このJOG 100 2の高コスト部位のアッパーは平凡ですから、低コスト部位のインソールは必然的に平凡かそれ以下となります。
これが実物です。
フラットなウレタンのインソールです。”asics”のロゴすらない。
もっとも、私はアッパーの容量の確保のためにしばしばインソールを外しますから、この部位の出来栄えを重視しません。
むしろ、糊付けの高級インソールは苦手です。洗濯がめんどくさくなりますから。
アウトソールも普通
シューズの反発力、接地感、グリップはアウトソール(とミッドソール)で決まります。
そして、履き物の寿命もここに左右されます。アウトソールの寿命=シューズの寿命です。ランニングシューズの寿命は一般的に1000~2000kmと言われます。
アッパーとインソールが普通ですから、アウトソールもミッドソールも普通です。
小さいトライアングルは溝の深さからほぼデザインです。つまり、アウトソールのブロックパターンは四角形ですね。
溝は全体的に浅めです。雨上がりのマンホールや大理石の路面ではややスリッピーです。ウェットコンディションのグリップ力は強くありません。
遊びや軽い運動には絶好ですが、山歩きとかトレランには不向きです。
またメッシュのシューズをサッカー、バスケ、テニス、フットサルなどに使うのはおすすめではありません。アッパーが急速に痛みます。
とくにボールを蹴って走るフットボール系競技ではダメージが甚大です。すぐに穴が空く。
しかし、それらの競技用シューズには4Eがほぼ存在しないのも事実です。
で、asics JOG 100 2のアウトソールの各項目は非常にオーソドックスです。
素材は高反発系ではありません。シンプルなゴム底です。手持ちのNIKE ZOOM PEGASUSなどよりソフトだ。
とはいえ、トレラン用のNB T410より反発はありますし、接地感はダイレクトです。足裏が少し疲れました。
まあ、こちらが本来のランシューの疲労度でしょう。トレランシューズのクッション感が快適すぎる。
重量は重め
スーパーワイドタイプはワイドタイプや標準タイプよりボリューミーです。単純にアッパーやアウトソールの面積が大きくなる。おのずと重量が嵩みます。
そして、手頃な初級モデルには特別の軽量素材は搭載されません。軽さを求めるなら、1万円前後のモデルを検討しましょう。
asics JOG 100 2を測りで計測します。
紐、インソール込みの片側重量が268gです。高速軽量ランニングシューズのNEW BALANCE HANZO Sなどは 2E 26cmで約180gです。その差は歴然です。
しかし、そもそも私はマイペースなジョガーです。タイム、自己ベスト、パフォーマンスなどなどにはこだわりません。軽量高速タイプの出番がない。
また2Eや3Eを大会やレースで短時間に集中的に使うなら我慢できますが、定期的なジョグのために履こうとは思いません。
そして、高速軽量タイプのランニングシューズの4Eモデルというのはほかの専用シューズと同じくレアです。
asics JOG 100 2のレビューまとめ
asics JOG 100 2 4Eの総評は『スタンダードな幅広ランニングシューズ』です。
ブランド、デザイン、注目度、ファッション性などにこだわらなければ、レギュラーに入れられます。
asics JOG 100 2 5段階評価
価格:4
ブランド:4
デザイン:2
性能:3
機能:3
幅広甲高:4
トータル:4
ホールド感がNB MT410より劣りますから、幅広甲高は4となります。まあ、あちらの希望小売は7500円です。
ミズノとアシックスは良コスパですが、2500円の差はこのグレードでは埋まらない。
難点は見た目のシンプルさと地味さです。ベタ塗りのベースカラーとアシックスストライプがやや学校指定風に見えてしまう。
街履きやデートでは映えません。アディダス、ナイキ、NBなどに負けます。
反面、スポーツ実用度の高さは抜群です。日課のラン、ジョグ、ウォーク、軽い運動には最強の一足でしょう。
ただし、激しいスポーツは苦手です。メッシュアッパーでボール蹴りは禁物だ。
50km走行後のシューズのコンディション
このasics JOG 100 2で10km/5回のジョギングをしてみました。走行距離はおおむねフルマラソン+αですね。
真っ先に消耗するヒールの外側の摩耗を見てみましょう。
ふつうの減りです。この試用期間中に印象の変化はとくにありません。非常に標準的な幅広ランニングシューズです。
このasics JOG 100 2は本当にシンプル、スタンダードですから、このサイトの基準点のシューズになりますね。