自転車最大90%オフ ワイズアウトレット

自転車のケーブルワイヤー ブレーキ用とシフト用のちがいなど

自転車はアナログな乗り物です。

昨今、おにぎり、無線機、電動モーターなどなどのハイテク機器がつぎつぎ登場しますが、基本的には筒、輪、紐の集合体です。

この紐=ケーブル、ワイヤー類は地味な存在です。でも、これがないと、メカやブレーキがハリボテに堕落します。

紐なしで機能をフルに発揮できる自転車はノンブレーキのトラックバイク、バイクポロ、アコースティックみたいな固定ギアの特殊機体ばかりです。

日本の道路交通法では軽車両のブレーキは公道走行に必須です。ママチャリ、ロード、折り畳み、MTB、いずれがブレーキなしでは走れません。

以下では一般的なスポーツバイクのケーブルやワイヤーの種類や取り扱い方を特集します。

自転車のケーブル&ワイヤーの種類

さて、最初から一つの淡い疑問が生じます。ケーブルとワイヤーです。違いはなんでしょう?

wikipediaの説明です。

  • ケーブル=ロープ、線、ワイヤー
  • ワイヤー=ケーブル、線、ロープ

「『意味』の意味を調べなさい」級の不毛な内容です。

個人的な狭義の解釈です。

  • ケーブル=保護膜付き
  • ワイヤー=むき出し

実際問題、「USBケーブル」と言うけど、「USBワイヤー」とは言わないし。

しかし、自転車界の「ケーブル」と「ワイヤー」の使用率はほぼほぼイーブンです。アンケート結果もほぼ五分で割れます。

アウターとインナー

自転車のワイヤーorケーブルはさらに2系統に分かれます。アウターとインナーです。上記の分類法ではアウターがケーブル、インナーがワイヤーになります。

アウターはゴム膜付きの紐です。

シフターアウター
アウターケーブル

インナーはむき出しの紐です。

インナーワイヤー
インナーワイヤー

アウターとインナーはニコイチです。片方では機能しません。

それぞれの役目

インナーの単体は細い金属線の束です。ふにゃふにゃです。自分の重みに耐えられない。これのみでメカやブレーキを引くのは無理です。

他方のアウターは一定の形状と強度を保ちます。折り曲がっても、直線を保とうとします。反りと張りがある。

つまり、アウターはインナーの変形防止とガイド役で、インナーは純粋な伝導媒体です。これは水道と水の関係に相当します。

油圧や水圧のシステムも基本的にはおなじ理屈です。液体で圧して動作させるか、金属線で引いて動作させるか、その差です。

アウターの曲げすぎは禁物

機械式のアウターとインナーは油圧システムみたいに完全な密閉ではありません。アウターの中心部の樹脂のライナーには少々のアソビがあります。

また、インナーの表面はライナーの内側と摩擦します。で、アウターの取り回しが極端にぐにゃると、インナーとライナーの抵触があちこちで起こって、動きがしぶくなります。

このためにレバー側、メカ側、ブレーキ側の入りのところのアウターの取り回しには余裕が必要です。

左レバー・フロントブレーキ 右レバー・リアブレーキ
左レバー・フロントブレーキ 右レバー・リアブレーキ

油圧はこの限りでありません。実際に上の左の黒いケーブルは油圧ディスクブレーキのアウターです。右の白いのはシフターのアウターです。

ブレーキ用とシフト用

問題です。ブレーキ用とシフト用、どっちがどっちでしょうか?

ブレーキとシフターのアウター
ブレーキとシフターのアウター

左がシフターアウター、右がブレーキアウターです。4mmと5mmです。ブレーキ用のがすこし太くなります。

と、ぱっと見では違いが分かりませんが、両者は完全な別物です。

直線=シフト 螺旋=ブレーキ

表のゴムの皮をむきむきすると、歴然の差を目の当たりにできます。

複数直線のシフターと単線螺旋のブレーキ
複数直線のシフターと単線螺旋のブレーキ

左がシフターです。たくさんの細い直線のワイヤーが中空の樹脂のライナーを囲みます。

右がブレーキです。一本の太いワイヤーが螺旋状にライナーを囲みます。

ちなみにこんなふうにゴムを剥かなくても、ケーブルの切り口から判断できます。シフターアウターの断面は巻きずしみたいになります。

例外はニッセンケーブルなどです。日泉の一部のシフト用アウターの鋼線はブレーキとおなじぐるぐる巻きです。

インナーの違い

インナーはアウターより複雑です。車種やレバーで対応品が変わります。

テフロンインナー
テフロンインナー

ブレーキインナーとシフターインナーの差はアウターより明白です。ブレーキ用のがあきらかにぶっとくなります。

左シフター 右ブレーキ
左シフター 右ブレーキ

シフター用の太さが1.2mm、ブレーキ用が1.6mmです。いずれのワイヤーが複数の細い鉄線の撚り糸です。

インナーはさらに細分化します。ブレーキ用はロードとそれ以外の自転車に分かれます。仕様はブレーキレバーに準じます。

ブレーキインナーワイヤー
ブレーキインナーワイヤー

特殊なカンパニョーロ用

シフターインナーには仲間外れがいます。イタリアの総合自転車パーツブランドのカンパニョーロの製品です。

シマノ/スラム系のシフターインナーのタイコの大きさは4.4mmです。これが業界標準です。車種別の差はありません。

カンパはこれに反して、独自の3.9mmを採用します。ギャップは0.5mmです。レバーの樹脂のソケットにはシマノスラムのシフターインナーのタイコがすっぽり収まります。

シマノスラムのインナーを使った結果
シマノスラムのインナーを使った結果

ただし、アソビがまったくありません。入れるのは簡単ですが、外すのは難儀です。

ぼくは台座に切れ目を入れて、むりやり取り出しました。

自転車ケーブルのおさらい

自転車のケーブル・ワイヤーは2系統です。

  • ブレーキ用
  • シフト用

で、それぞれに

  • アウター用
  • インナー用

があります。さらにインナーは

  • ノーマル
  • ロード用

に分かれます。カンパのレバー用のシフトインナーのタイコは他より小さめです。あと、内装とかに使う平べったいのもあります。

うっかりミスのベスト1はシフター用とブレーキ用の発注ミスです。次点がロード用ブレーキインナーとノーマル用ブレーキインナーの取り違えですか。

とりあえず、タイコの形と線の太さに注意してください。