うちには2セットのチューブラーホイールがあります。ピスト用とロード用です。このうちのピストのリアタイヤはスキッド練習で早々に逝きました。
で、現在のタイヤは3本体制です。メインはコンチネンタルのスプリントです。手頃なチューブラータイヤです。
チューブラー修理の味方シーラント
このタイヤの具合が数日前からイマイチです。数日で空気圧が8barからペコペコまで減圧します。スローパンクのようです。
チューブラーの本格的なパンク修理はたいへんです。
タイヤの裏地の『ふんどし』の縫い合わせをほどいて、チューブを引きずり出して、パンクをふさいで、元通りに縫い合わせる・・・むりです。
そもそもハンドメイドチューブラーを作れるメーカーが希少です。しろうとが手縫いでちくちくリペアするのは無理です。
で、巷ではより手軽な応急処置が好まれます。シーラントの投入です。
チューブレスタイヤの気密性アップの魔法の霊液です。
屋外駐輪タイヤチェック
問題のチューブラータイヤです。
使用期間はせいぜい4か月、走行距離はざっと1000kmです。しかし、トレッドの全体にこまかいひびわれが走ります。
これはぞくに『オゾンクラック』に見えます。ゴム製品はオゾンと紫外線を受けると、めっきり劣化して、このようなクラックを起こします。
ついでにうちのチャリは野ざらしの雨ざらしです。極端な乾燥と湿気もタイヤにはNGです。劣化の速度は室内保管の3倍です、まじで。
バルブコアとエクステンダー分解
チューブラータイヤのエアチューブはタイヤに完全に包囲されます。外界との唯一のアクセスポイントは空気の通り道、そう、バルブです。
さいわいエクステンダーとバルブコアがアジャスタブルです。レンチやバルブコア外し工具で平面をつかんで左回しすれば、ふつうに外せます。
と、バルブの根元にいやなものが見つかりました。緑色のしみです。カビか緑青だあ?
緑青は銅のさびです。バルブの軸のピンはしんちゅうです。これは銅と亜鉛の合金です。緑さびの温床です。
また、チューブラータイヤのなかの補強材やケーシングは綿、コットンです。これは湿気でカビます。
さて、この緑のしみはカビでしょうか、サビでしょうか? 首をかしげながら、バルブコアとエクステンダーをパージします。
コアの近影です。小さなOリングのようなパッキンのようなものが見えます。特段の異常は見当たりません。
エクステンダーのねじやまには白いものがこびりつきます。ロックタイトでなく、シーラントです。バルブホールからおなじみの生臭いラテックスのフレーバーがただよいますから。
ぼくはまだ入れません。てことは、前オーナーのしわざでしょう。
乾ききったシーラントは役立ちません。むしろ、コアやエクステンダーの目詰まりの原因になります。
シーラント投入
新しいシーラントを投入しましょう。MTB用のSTANS NOTUBEのシーラントがたっぷりあります。
ちっこい容器にシーラントを入れて、バルブの口からちゅーちゅー注ぎ込みます。
シーラントの量の目安です。
- ロードバイクの細タイヤ 30cc
- シクロ、グラベル 50cc
- 2インチ~ 100cc
ふつうの穿孔パンクには十分な効果があります。クギ、画鋲はぎりOKです。でっかいバースト、サイドカットはこの限りでありません。
ちなみに30cc=おおさじ2杯分です。おおさじ1=15㏄です。この容器は目分量で25cc前後でしょう。
はい、なぞの白い液体が染み渡りました。霊液の投入はロードレーサー界の伝統です。ヤベー! キクー!
バルブコアとエクステンダーを付け直して、リムにセットして、空気を入れます。ちょい高めの9barまで入れました。