2017年6月にシマノのロードコンポのUltegraがめでたくフルモデルチェンジを遂げました。2013年以来の4年ぶりのモデチェン。型番は6800系からR8000系へ飛び級しました。
空位の7000系は来年の新型105のものでしょう。MTBコンポの3rdグレードのSLXの型番がM7000ですから、ロードの3rdグレードの105はR7000になります。
で、識者の予想、海外のアンオフィシャルなログ、中華系SNS系からのリークのとおりに真っ黒がちむちクランク、油圧ディスクブレーキ、電動Di2などがデビューしました。
事前情報がたっぷりどっさりあって、シマノの公式発表がただの答え合わせ風になっちゃいましたね。
しかも、そのシマノがオフィシャルサイトでちょっとやらかしまして、発表前の非公開情報を野ざらしにしちゃいました。
具体的には「シマノのオフィシャルサイトの商品情報の個別ページのURLをちょこちょこといじると、公開前のアルテグラのページにアクセスできちゃった!」てなものです。やっちまったなあ!
まあ、そんなこんなも後の祭り、笑い話です。アルテフィーバーは終わって、2017年はすでに上半期に突入しました。そろそろ2019モデルがちらほらしはじめます。
で、そのアルテグラフィーバーの最中にひとつの気がかりが浮上します。ホイールの後継問題です。
WH-RS700とWH-RS500
現時点のシマノのロードホイールの一覧です。TU=チューブラー、TL=チューブレス、CL=クリンチャーです。価格は税抜き国内定価です。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-R9100 C60 TU Dura-Ace | 1480g | TU | – | カーボン | 301256円 | |
WH-R9100 C60 CL Dura-Ace | 1789g | CL | – | アルミカーボン | 207812円 | |
WH-R9100 C40 TU Dura-Ace | 1355g | TU | – | アルミカーボン | 303266円 | |
WH-R9100 C40 CL Dura-Ace | 1501g | CL | – | アルミカーボン | 199619円 | |
WH-R9100 C24 CL Dura-Ace | 1412g | CL | – | アルミカーボン | 145067円 | 25g増量 |
WH-R9170 C60 TL Dura-Ace | 1647g | TL | – | カーボン | 262347円 | Disc |
WH-R9170 C60 TU Dura-Ace | 1500g | TU | – | カーボン | 305775円 | Disc |
WH-R9170 C40 TL Dura-Ace | 1563g | TL | – | カーボン | 248709円 | Disc |
WH-R9170 C40 TU Dura-Ace | 1400g | TU | – | カーボン | 308715円 | Disc |
WH-RS81 C50 CL | 1908g | CL | – | アルミカーボン | 120286円 | – |
WH-RS81 C35 TL | 1581g | TL | – | アルミカーボン | 94099円 | – |
WH-RS81 C35 CL | 1631g | CL | – | アルミカーボン | 90009円 | – |
WH-RS81 C24 TL | 1581g | TL | – | アルミカーボン | 81007円 | – |
WH-RS81 C24 CL | 1502g | CL | – | アルミカーボン | 76918円 | – |
WH-RS81 C24 CL | 1502g | CL | – | アルミカーボン | 76918円 | – |
WH-RS770 TL | 1639g | TL | – | カーボン | – | DISC NEW! |
WH-RS700 TL | 1568g | TL | – | アルミカーボン | 83485円 | NEW! |
WH-RS500 | 1649g | TL | – | アルミ | 48918円 | NEW! |
WH-RS610 | 1791g | TL | – | アルミ | 36825円 | 105グレード |
WH-RS330 | 2051g | CL | – | アルミ | 27275円 | 安重ディープ |
WH-RS21 | 1850g | CL | – | アルミ | 23729円 | カラーオプション |
WH-RS170 | 1149g(リア) | CL | – | アルミ | OLD142mm 12mm E-thruアクスル NEW! | |
WH-RS010 | 1869g | CL | – | アルミ | 14187円 | – |
WH-R501 C30 | 2001g | CL | – | アルミ | – | 8-10速用 カラーオプション |
WH-R501 C24 | 1900g | CL | – | アルミ | 12099円 | 8-10速用 カラーオプション |
今年のニューフェイスはWH-RS700、WH-RS770、WH-RS500、WH-RS170です。シマノの推しはWH-RS770です。
旧6800系のアルテグラホイールはディスクブレーキのオプションをしません。ディスクブレーキ用ホイールはRXシリーズになります。
また、正規グレードのディスクブレーキホイールはデュラエースのR9170シリーズとMetrea U5000のみです。105 DBやTiagra DBは存在しません。
てか、そもそも『105ホイール』や『Tiagraホイール』がありません。『Ultegraホイール』さえがなくなりました。名前持ちホイールはデュラだけです。
この名無しのごんべさんのおかげでアルテグラホイールの後継がうやむやになっちゃいます。
当初の流れ的にはWH-RS700が有力候補に挙がりました。WH-RS770のキャリパーブレーキ版です。チューブレスレディです。
リムの材質はアルミカーボンのハイブリッドです。おはこのカーボンラミネートです。カンパのBullet、フルクラムのRED WINDと同じタイプです。
シマノはキャリパーブレーキのチューブレスレディのフルカーボン化には消極的です。フルカーボンリムのTLはR9170系のディスクブレーキモデルばかりです。ザ・慎重派です。
じゃあ、旧型のWH6800 UltegraはピュアアルミのTLタイプです。『実売3万円のチューブレス互換の手軽なホイール』てポジションをがっちり確保しました。
しかし、このイメージは本来のアルテグラのイメージとはかけ離れます。Ultegraはれっきとしたセカンドグレードの競技用機材です。準エースですよ。
で、新作ホイールのRS-WH700は十二分なエース感を漂わせます。ペア1568g、税抜き定価83485円、アルミカーボンのチューブレスイージーです。
これは実質セカンドグレードの準エースホイールRS81シリーズの地位をおびやかせます。RS81 C24 TLが1581gのアルミカーボンのチューブレスです。
で、これが新生アルテホイールだ! て思われますが、のちのちのRS500が待ったをかけます。
WH6800 Ultegraに生き写しのWH-RS500
「アルテグラホイールが高嶺の花になっちゃうかあ・・・」
全国のアルテファンの嘆きが聞こえますが、いつのまにかWH-RS500て新顔の影がちらほらしはじめます。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
WH-6800 Ultegra | 1640g | TL | – | アルミ | 30000円(実売) | OLD! |
WH-RS500 | 1649g | TL | – | アルミ | 48918円 | NEW! |
はい、これは完全に直系の隠し子です。9gの重量差はリム強度の向上のためか計測サンプルの誤差でしょう。なにからなにまでアルテホイールさんの生き写しです。アルテ王の帰還や!
ちまたのアルテの後継のイメージは完全にこっちです。現実問題、アルテホイールのブランディングをしたがるのはシマノだけです。世間の印象はデュラorその他です。
しかし、アルテグラホイールを本来の正しい位置に据え直すなら、なんでシマノはネームドモデルにしませんかねー? レーゼロ、シャマル、コスカボとかの愛称は大切じゃありませんけ?
そして、シマノの新製品は海外では大幅に安くなりません。国内価格は一律20%オフです。じゃあ、実売が4万円前後になっちゃいます。他社のかっちょいいホイールの実売価格と近くなります。
ライバルのフルクラム、カンパ、マビックは1年毎に新モデルを出します。2017モデルがもう型落ちです。
WH-RS500の海外の実売が3万前後になりうるのは2年後くらいです。大方は同じ4万を出すなら、ゾンダにしちゃいますねえ。
ロードバイクのチューブレス化はまだまだマイナーです。そのうえ、アルテホイール購入層はコンサバのコンサバでしょう。
そもそも旧6800アルテホイールがそこかしこにめっちゃ出回りますしね。アルテネームドの3万のホイール > ノンネームのアルテ相等の4万のホイール、でしょうよ。
安重スルーアクスルのWH-RS170
このアルテ後継問題をよそにしつつ、さらなる新顔がこそーっとラインナップします。WH-RS170です。
オフィシャルにはリアの情報しかありません。10、11速兼用のアルミのディスクブレーキホイールです。シャフトはスルーアクスル12 142mmです。
リア重量が1149g! です。単体では最重量のスーパーヘビー級です。新世代のテツゲタだあ! 黒白のオプションがあります。
7月上旬に、シマノからロードディスクの廉価ホイールが発売です。
WH-RS170。前後で税込み19,076円くらい・・・のようです。ディスクロードF/Sで完成車を作るなら、これ入れとけば大丈夫そう・・・?かな? pic.twitter.com/xJ1O4Xxpja— サイクルショップカンザキ千里店 (@kanzakisenri) 2017年5月25日
ディスクブレーキホイールの前後のスポークレイアウトは同じになります。フロントがあるとしても、そんなに劇的に軽量じゃありません。せいぜいハブの差の100g前後でしょう。
じゃあ、ペアが2100gだあ?! おっも! しかも、タイヤタイプはCL、クリンチャーです。チューブレスで軽量化できません。ディスクローター込みでペア2300g・・・
amazonに在庫が出てきました。