自転車のタイヤの空気圧は超絶に重要です。適正な空気圧を維持することが機材の保全と走行性能の向上の最も確実な手段です。
ですから、気圧メーターつきの空気入れ、フロアポンプは自転車乗りには必須です。
オランダの自転車パーツブランドBBBのフロアポンプです。もちろん、メーターつきです。そして、口金は米・英・仏のコンパチブルです。口金が勝手にバルブを判断します。かしこ工具です。
先日、こいつがジャムりました。
未知数な空気入れの修理
空気入れの主な不具合の一覧です。
- パッキン系
- 反動板系
- 弁系
- 持ち手破損系
今回は恐らくパッキン系でしょう。が、そのパッキンの箇所が不明です。そもそも開け方のマニュアルやレポートが見当たらない。
こういう場合には手探りで緩められるところを緩めて、開けられるところを開けます。
まずは手仕事です。手で外せるところを外します。空気ホースの口金のソケットと空気圧ケージの根元をぐりぐりします。
異常は見当たりません。汚れがちょびっとだけです。きれいなもんです。ホースの空気漏れではないか。
レバーの手応えから筒のなかが怪しげです。
台座の裏です。でっかいナットが見えます。
この止め方で中の仕組みはおおよそに分かります。
案の定、ナットとネジを外して、持ち手をぐいぐい引っ張ったら、シャフトをすこっと抜けました
サビとグリスですわ。チューブはしっとりウェットです。ところどころに水滴がします。
さて、この水気は何でしょうか? この空気入れは完全室内保管ですけど? 湿気?
グリスの下のなぞの玉です。
このボールの裏が空気口みたいです。ボール自体は逆流弁でしょう。
余分な汚れと水分を取って、グリスを塗りなおして、外筒にセットしなおします。と、持ち手が全く動きません。完全密封状態です。圧はきちんと掛かりますが。
全体を見渡して、新たなボルトを発見します。これをカチカチ→ちょいゆるにしました。
で、しゅこしゅこしなおす・・・お、ばっちり口金からエアが出ます! イレギュラーな空気漏れはありません。修理完了です。やったね!
ためしに23cタイヤを9barまで入れてみました。完全に前より動きがスムーズです。
サビの犯人はおまえだったか!
今回の不具合は多分にシンプルなグリスの劣化or不足です。簡単なメンテで症状が治りました。
しかし、筒の中のサビと湿気のなぞが残ります。世の中にはふしぎなことがあるなあ・・・まあ、ええか。
と、ポンプを玄関の片隅の定位置に戻した途端にはっと気付きました。
謎はすべて解けた! 犯人はこの中にいます!
そうです、傘ですよ、こいつが水滴の犯人です。
ここはうちの傘置き場です。雨の日にはカッパとかも一時的にこの上にどちゃっと放置されます。
その水滴が滴って、持ち手を伝い、空気入れのインナーチューブの中に入る。
パイプのなかは密閉です。水避け穴みたいなものはありません。シャフトはザ・鉄です。じゃあ、サビがむらむら沸きます。
はい、Q.E.D.です。証明終了。
玄関の傘立てのそばに空気入れを置くのはありがちでしょうよ。ことさらにぬれたカッパのどっちゃり被せはあるあるだあ!
みなさんも注意しましょう。十中八九、傘立てそば置き派チャリダーの空気入れのなかはサビサビでしょうね。室内保管の盲点だ。