マウンテンバイクのホイールは変幻自在です。2010年以降のトレンドは26→29→27.5→29です。2018~は第二期29erジェネレーションです。
ぼくは2017年にフレームを買いました。当時では先鋭的だったBOOST 29erのKONA HONZOです。
![KONA HONZO](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/05/KONA-HONZO.jpg)
フロントにセミファットの3.0をセットして、フルリジッドでながらくねばりました。で、このながれから二つのMTB用ホイールはともに29erです。
と、昨年末からYoutubeをはじめまして、初心者の技の練習シリーズてものをローンチします。バニーホップ、ジャックナイフ、マニュアルなどなど。
![まくれる](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/02/7436997208ed54d4f3d00bdb6288b5c8.jpg)
と、上の写真のように29erの車体は巨大です。このフルサスの前輪タイヤ先端~後輪タイヤ先端の全長は190cmに達します。170cmのぼくより二回りでかくなる。
じゃあ、モーションが大振りになって、体力はごりごり削られ、腰は悲鳴を上げ、巷からシュプレヒコールが上がります。えいえいおー!
小さいホイールへの逃避行がはじまりました、2019年1月。
26インチホイールへのいきさつクロニクル
現在のマウンテンバイクのホイールのトレンドは29erです。つぎが27.5です。これはロードバイク=仏式サイズ表記の700Cと650Bに相当します。
プロやトップレーサーのハイエンドマウンテンバイクはほぼ29er化しました。XCレーサーのニノ・シューターもDHスターのアーロン・グウィンも29erです。
前世代の27.5インチ時代にハブのBOOST化が普及しました。で、BOOST化でホイールの剛性が上がりました。それが大径ホイールにはより有利に働きます。で、第二期29erが来たと。
![29er BOOSTリアホイール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/10/7d1102fe2e12393c76c005e6953ec759.jpg)
たしかに29erのBOOSTホイールは強力です。実走では最強だ。しかし、長所は短所です。小回りや取り回しにはそのでかさがあだとなる。ザ・適材適所です。
![パンプ横から](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/12/18c1e64d539f34285df141f5c80df306.jpg)
で、技の練習には小さいホイールのがべんりです。実際、BMXやトライアルバイクのホイールは20-24インチですね。
しかし、ホイールがフレームに対してちいさすぎると、車高がさがりまして、BB位置が低くなりまして、クランクが地面にがりがりします。
29インチ用フレームのKONA HONZOに29erホイール+700x25Cタイヤの足回りです。クランク位置がやや怪しげだ。
![パナレーサージラーをBOOSTホイールに](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/08/211d0a902cefb6a2c0f65d3f2373f972.jpg)
26×2.3とかのタイヤサイズはこれとどっこいどっこいです。じゃあ、ここらが下限でしょう。てことで、26インチが候補となりました。
絶滅危惧種の26インチ
ところが、この26インチホイールがこの十年の移り変わりのなかで完全にマイナー化します。リム屋もタイヤ屋も26インチの新作を出さない。オーマイガー!
現状の26インチ関連は前時代のなごりです。過去の遺産。まあ、26インチはながらくメインを張りましたから、新古品はぽろぽろ出てきますが。
で、インチ数から逆算すると、はじめにリムを買います。この調達はなんぎでした。結果的にH+SONのTODESTRIEBが手元に来ました。
そのつぎがハブです。これはBOOSTのストレートプルタイプです。台湾の新鋭ハブ屋Yuniperのハブです。
で、この二つが決まって、最後のピースが埋まります。スポークですね。DT SWISSのスポーク計算機で算出しました。
Piller 1420ストレートプルのエアロスポーク、266mmを36本、265mmを36本で発注しました。リムの特性からながめを選択します。
で、これがようやく届きました。長い道のりでした・・・
![手組ホイールの材料](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/211975f95428f7ae130032234826123e.jpg)
手組ホイールの勝負はパーツの調達から始まります。とくにスポーク長は鬼門です。スポークの長さをまちがうと、ホイールを組めません。気合や技術でどうにもできない。
26インチホイール
26インチリムは昔の規格、BOOSTハブはイマドキの規格、ストレートプルは一癖の規格です。手組ホイール的にはイレギュラーだ。
実際問題、初心者やベテランはこんな組み合わせをしません。メジャー規格でやります。
ぼくも一発目にはいちばんらくちんなピストのノーマルハブのフロントを手がけました。
![Miche Pistard フロントホイール](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2018/08/6667b15bcf92f4b489202f76532e0492.jpg)
この例は五万とあります。26er BOOSTのストプルの例はぜんぜん見つからない! 船場のホイール大好きおじさんのむラボの膨大な過去記事の中にすらBOOSTホイールの例は多くない。
で、たのみは手探り、現物合わせ、いちかばちかばかりです。スポーク長はどうだあ?
手組ホイールBOOST編
事前にDT SWISSのサイトの計算機でスポーク長を算出します。内容です。
![スポーク長](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/6c4707d361cdd94ff0cf3eee9be5db9f.jpg)
左からフロントハブの左、同右、リアハブ左、同右です。で、フロント左≒リア右、フロント右≒リア左ですね。
つまり、263mmを32本、264mmを32本取れば無駄なくできます。が、この数値はリムのオフセットを加味しません。
しかも、TODESTRIEBリムはノーマルなアシンメトリオフセットでなく、クロスタイプのシンメトリカルオフセットです。穴振りがエキセントリックだ。
とうぜん、スポークは長くなります。そんなわけで+2mmして、265mmをと266mmを取り寄せました。かなりの英断です。
現物合わせで仮組
最初にウニを作ります。ストプルのウニはかんたんです。スポークは指向性を持ちます。ノーマルハブみたいにだらんとしない。
![ストプルのウニ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/a7c15848aa8ce1891fd5ce5838ba6ee2.jpg)
で、このウニをリムに組み付けます。スポーク長の可否がここで分かります。ニップルをしこしこ通すと・・・
長くもなく短くもなし。ベストな理想的な長さでした。勝った!
これはリアの仮組の模様です。スポークのねじ山を目安にして、一律にニップルを回します。おおまかな縦振れ取りに有効です。
![スポークのねじ](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/f0fa6b45249e1823f8a077c515939d0f.jpg)
最大の懸念が晴れました。振れ取り、テンション調整、センター出しなどは以前の復習ですね。失敗してもやり直せます。
本締め後のニップルとスポークエンドのギャップです。ニップル-1mm前後です。かんぺき!
![ニップルに埋もれるスポーク](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/a45cfb584a934c0254dbd91573833f70.jpg)
そんなこんなでホイールセットが組みあがりました。
![26インチBOOST](https://b4c.jp/wp-content/uploads/2019/03/7225aad360e43ca97874bec48addc4ea.jpg)