クイックリリースの交換 チタンシャフトで反則級の300gの超軽量化


クイックリリースのおさらい

 

クイックリリース、クイックレリース、クイックレリーズ、QR、クイックスキュワーうんぬんetcと呼ばれるパーツがチャリの世界にはあります。

 

それがこのメカメカしい構成体のどこかにあります。さあ、どこでしょう。

 

何系ともいいがたい仕様のマイ小径車

何系ともいいがたい仕様のマイ小径車のリアホイール

 

答えはまんなかのレバーですね。単体はこんなです。

 

クイックリリース

クイックリリース

 

シャフト、レバー、キャップ、バネからなる地味なニッチなパーツです。役目はホイールをフレームのエンドに固定することです。ママチャリやシティチャリでは一般的なナットが同様の役目を担います。

 

ママチャリホイールの固定ボルト

ママチャリホイールの固定ボルト

 

この固定ナットを外すのにはスパナかレンチが必要です。他方、クイックリリースは手で外れます。まさにクイックです、クイックマンです。スポーツバイクと一般的な自転車の一線を画すのがこのクイックリリースの有無でしょう。

 

発明者はイタリア人のカンパニョーロさん、そう、あの高級変速屋のCampagnoloの創業者です。

 

このQR発明でレース中のホイールのメンテナンスの利便性が飛躍的に向上しました。まさにカンパさまさまです。ロードバイクラーは足をヴェネトに向けて眠れません。

 

ただし、本格MTBの分野ではホイールの固定器具はスルーアクスルタイプに切り替わりました。

 

 Marzocchi 20mm Axle - Bolt Through

Marzocchi 20mm Axle – Bolt Through

定価 6204円
割引 11%
特価 5534円

※2016/10/08 19:56:38のchainreactioncycles.comの価格

 

固い棒です。これがフレームとホイールとシャフトを擬似的に一体化させて、溶接加工に近い強度を生み出します。

 

一方のクイックリリースの細いシャフトはフェイクです。ただの水先案内ガイドさんです。クイックリリースのシャフトは重量を支えません。

 

クイックリリースの役目はホイールとフレームの固定に限られます。実際に重量を支えるのはホイール側のハブ内の中空シャフトです。下の棒ですね。

 

フリー分解

フリー分解

 

最終的にはシャフトの両端のエンドキャップがフレームのツメにかかって、車体と乗り手の重量を支えます。

 

ハブキャップ

ハブキャップ スポークヘッドの『DT』の刻印はピンぼけ

 

クイックリリースの細いシャフトは重みを支えきれません。げんに見た目が貧相ガリガリくんでしょう。素手でかんたんに曲がりますし。

 

じゃあ、デメリットは利便性の裏返しです。圧倒的な強度不足です。丈夫さがナット締めやスルーアクスルに劣ります。永遠の仮留めみたいなものですからね。おかげでホイールがさっと外されて、ぱっと盗まれます、たまに。

 

ハブのシャフトの中身の写真です。さて、穴の向こうに見えるあれはなんでしょう?

 

What?

What?

 

答えは次章で!

 

クイックリリースをチタン化

 

今回のカスタマイズはクイックリリースの交換です。目的は軽量化です。しかし、パーツがパーツです。見込みはせいぜい数十グラムでしょうよ。改造の意味がありますか?

 

はい、通常の場合、軽量化目的のクイックリリースの交換は重要じゃありません。しかし、最初の写真のようにうちのミニベロのリアホイールのクイックリリースはスタンド付きです。

 

去年の今頃にサイクリーの松原店でたまたまこれを見つけました。

 

 

お買い物チャリ時代の名残です。スマートでグッドですよ。おすすめスタンドです、ディアボロの大冒険のエコーズACT3かウェザーリポート並みのおすすめスタンドです。

 

でも、買出しの役目は平行世界のGIANTのクロスバイクに受け継がれました。じゃあ、へヴィなスタンド能力を外して、すっきりとボールブレイカーにしましょう、ニョホホ。

 

無限の回転エネルギーのみなもとはこちらです、チタンシャフトのクイックリリース。

 

AESTチタンシャフトクイックリリース

AESTチタンシャフトクイックリリース

 

リアのシャフトは長めです。ロード用の短いものはMTBやクロスバイクに足りたり足りなかったりします。うちのミニベロのリアホイールの幅は135mmです。ディスクブレーキタイプのものはだいたいこちらですね。

 

計測です。50gですね。

 

50g

50g

 

通常のものは100g前後です。チタンと鉄の差がもろに出ますね。それぞれの比重は4.5と7.8です。単純計算で鉄はチタンの1.73倍の重さですね。

 

パーツ別にじっくり見ましょう。

 

クイックリリース

クイックリリース

 

レバー、シャフト、キャップ、バネです。注目はバネですね。

 

タケノコバネ

タケノコバネ

 

このバネはぞくに『タケノコバネ』と呼ばれます。うーん、たけのこっぽく見えるう? ぼくはバベルタワーにしか見えませんが。

 

ブリューゲルのバベルの塔

ブリューゲルのバベルの塔

 

しっくりですね。じゃあ、マイチャリアトリエではバベバネ、BBと呼びましょう。

 

こいつの役目はフレームとホイールの緩衝材兼キャップとレバーの押し戻しですね。タケノコバネがないと、クイックの外への戻りが甘くなって、てきせつな隙間ができず、ホイールがエンドのツメから外れにくくなります。

 

ちなみにバネの狭いほうが内側に来ます。この写真のバネはNGですね。

 

タケノコバネのだめな取り付け方

タケノコバネのだめな取り付け方

 

クイックリリース交換

 

クイックリリースのはずし方はシンプルです。レバーを起こして、キャップを押さえて、左回しで緩めます。このとき、キャップを押さえないと、空回りでからから永久ループにはまります。

 

リムブレーキのチャリではさきにブレーキを開放します。ディスクブレーキはぽん外しOKです。

 

で、こちらはリアホイールのリリースですが、シャフトのまっすぐさが怪し気です。

 

リアのシャフト

リアのシャフト

 

うーん、ビミョーないがみがありますねー。リアはわりにトラブりましたからねー。チェーンがスプロケットの内側に落ちたりとか。心当たりがたくさんです。ちょうど交換時期だったかもね。

 

実測しましょう。スタンド付きで365gです。ワオ!!

 

スタンド型クイックは370g

スタンド型クイックは365g

 

スタンド的には軽い部類ですね。でも、クイックリリース的にはウルトラスーパーヘビー級です。

 

じゃあ、リリースの交換で315gも軽くなりますやん! 前のチタンシャフトのペダル交換との合わせ技で500gオーバーの軽量化です。やったぜ! しかも5000円しか使わへんし!

 

取り付けましょう。レバー側からシャフトをハブに通して、先端にバネを乗っけて、キャップで押さえながら仮締めします。

 

バネの狭い方を内側にしましょうね。

 

バネ方向

バネ方向

 

通常、レバーは車体の左側に来ます。でも、ディスクブレーキのチャリの場合、レバーとブレーキのディスクローターが近接して、金属の削れかすの粒子や放射熱がレバーに悪影響を与えるとか与えないとか。

 

神経質なディスクブレーキラー人はレバーを右側にしましょう。うちの場合、ご覧のとおりにキックスタンドとクイックリリースのレバーがニコイチでしたから、レバーが自然と左側に来ちゃいましたが。スタンドは右サイドにはつきません。跳ねる方向が逆になってしまいますしね。

 

リリースを仮留めしたら、フレームにがっちゃんと戻して、本締めします。最初のポイントはレバーを起こすことです。

 

レバーを起こさずに締めると、固定に適切なトルクをかけられません。レバーを起こした状態でくるくる締めて、最後にレバーを倒す、これがクイックリリースの取り付けのセオリーです。

 

これはレバーの拡大図です。芯が中央にありません。これは設計ミスでなく、リリースの秘訣キモです。

 

レバー芯

レバー芯

 

この狭いほうが最後に外側に来ます。つまり、芯が最後にぐっと外側へ引っ張られて、最後のラストの留めトルクがかかります。てこの原理ですね。

 

レバーを倒したままでリリースをくるくる締めると、この留めの一撃ラストトルクを掛けられません。まさしく文字通りに『ツメが甘い』ことになります。事故とトラブルのもとです。

 

だって、レバー倒しっぱのくるくるできっちり締められるなら、レバーの存在意義がありません。羽根型のナット留めか両方エンドキャップでことは済みます。

 

レバーてのはてこの原理のための機構です。倒す起こすの手順がどこかに入ります。決してくるくるするための便利な取っ手じゃありません。

 

レバーオープンとレバークローズのものを見比べてみましょう。

 

上・レバーオープン 下・レバークローズ

上・レバーオープン 下・レバークローズ

 

ほら、中心がぜんぜん違いますね。オープンのピンク線からレバー倒しでクローズのイエロー線に芯を持ってこれます。これが肝心かなめの最後の『ツメ』ですわ。

 

締め付けの強さの基準は親指

 

さて、最後にレバーをクローズします。このときに締め付けの強さをふと思い悩むのが初心者チャリダーの登竜門です。

 

締め付けは親指で

締め付けの力加減は?

 

何度か手探りでやるとじきに感覚を掴めます。一般的な目安は親指で倒せるくらいの強さです。

 

感覚的に親指で「ぐぅい」てくらいですね。「くいっ」とか「ぐいっ」とかはトルク不足ですね。クイックリリースは親指で「ぐぅい」が合言葉です。

 

親指で倒しきれないような強さは締め付けすぎです。掌底とかを使わず、親指の腹を使います。レンチとかで無理にレバーを倒すのは厳禁です。細いシャフトが一発でいかれますよ。

 

ハブの玉当たりと同じくがちがちもゆるゆるもNG失格です。キャップ側であんばいを調整しましょう。レバー側をまわすと、クローズの位置を理想のポジションに出来ません。

 

かっこいいポジション

かっこいいポジションを考えよう

 

基本ポジションは2時・10時の方向、地面と水平、ステーやフォークのラインに沿わせる、45度とかですね。あなただけのベストQRレバーポジションがあります、きっと。

 

アルマイト系のカラーものを選べば、おしゃれなワンポイント差し色にできます。

 

 

ファッショナブルな満足度がありますよ~。おしゃれ目的がメインです。うちみたいな300gの軽量化のごときは特例中の特例ですわねー。