YouTuberの最初の時給は1円ほどです。数か月のただ働きは珍しくありません。90%の配信者は最初の1円にすら到達できません。チャンネル登録者1000人の壁のためです。
しかし、世にはYouTuberという存在が確立しますし、トップランカーは人気者で億万長者です。
また税理士、弁護士、医者などの堅実な職業の人が副業や宣伝の一環で専門的な動画を配信して、ファンの獲得に成功します。
彼らは庶民でこそありませんが、なおさらに有名人やスーパースターではありません。一般の方々です。
具体的に一般人がゼロからYouTubeを始めて、最初の1万円を受け取るための流れを以下に記しましょう。
YouTubeでお金を貰うまで
YouTubeで収益を受け取るための最低条件は以下の通りです。
- 18歳以上
- 18歳以上の法的保護者
つまり、5歳の幼稚園児や17歳の高校生は収益を直に受け取れません。しかし、親族等の法的保護者を間に挟めば、間接的に収益を受け取れます。
スーパーチャット、メンバーシップ、グッズ販売のいずれにこの条件が掛かります。未成年は家族を説得するか、18歳まで待ちましょう。
視聴時間4000時間とチャンネル登録者1000人
近年、YouTubeの収益化は厳しさを増します。昔の緩い条件で良い思いをした一部の利用者はこれを『改悪』と非難します。
客観的な観点ではこれは『フェア』な改正に見えます。ゾンビのように生まれる右翼系、差別系、テキスト系、フェイク系動画の対策には効果的です。
今のYouTubeではチャンネル運営、ファンの人数、コミュニティの活発さが大切です。それを端的に表すのが『チャンネル登録者数1000人』です。
YouTubeの収益化の条件は過去に何度か変わりますが、直近の最大の事件が2018年2月の20日の改正です。
それ以前の収益化の条件は比較的に緩い物です。総再生回数10000回以上のチャンネルに広告が付きましたから。
それが2018年2月20日に大幅に変わります。現在では収益化機能は登録者数1000人以上のチャンネルの特権です。
1000人 > 4000時間
もう一つの条件に直近一年以内の総再生時間4000時間というのがあります。4000×60=240000分ですから、5分の動画48000回分です。
が、こちらはそう難しくありません。ヒット動画が何本か出れば、4000時間は軽くオーバーします。
一方、登録者数1000人は相当な関門です。さて、あなたはリアルに1000人のファンを集められますか?
視聴者は面白い動画を見つければ、気軽に鑑賞しますが、次のアクションまでなかなか進みません。
視聴後の行動の筆頭格は『次の動画を見に行く』です。その次が『YouTubeから離脱する』です。アクションの優先順位は高くありません。
またアクションの中にも優先順位があります。評価、コメント、登録の順にハードルは上がります。
私の感覚では評価は再生数の数パーセント、コメントは評価の半分以下、登録者はコメントの十分の一ほどです。
仮に一本の動画が48000回まで伸びても、チャンネル登録者は1%未満の300人前後でしょう。
イケメンor美女で多少の補正は掛かりますが、登録者数は再生数の10%や20%にはなりません。優先順位が高くないし、メリットが分からないから。
実際問題、チャンネル登録せずとも、評価やコメントを利用できます。チャンネル登録の機能的メリットは最新のアップデートの告知くらいです。
チャンネル登録の本来の意味は応援です。好意、興味、関心、共感、感動、同情、畏怖、尊敬etcetc..視聴者の心を先に動かさないと、指先を動かせません。
配信者の大半がこれを軽く考えて、1000人の壁に阻まれます。1000人のファンですよ。学校一の人気者になるより大変ではありませんか?
私が1000人のチャンネル登録者を獲得するまで
これらの一般論を踏まえて、具体例を挙げましょう。私のメインチャンネルの登録者数の推移を紹介します。
概要はこんなものです。
- 開設:2018年12月
- 配信者:アラフォーのおっさん
- 顔面偏差値:中の下
- 顔出し:あり
- 声:ふつう
- ジャンル:自転車
- 動画経験:ほぼゼロ
- 他の媒体:ブログ
はい、状況は有利ではありません。参入時期は2018年12月、まあまあの後発組です。年齢はアラフォー・・・いや、すでにリアルな40歳ですが。
顔面偏差値は中の下です。コメントでゴリラゴリラと良く言われます。声は人気のイケボではありません。
ジャンルは自転車です。これは非常にニッチな部門です。トップの個人YouTuberの登録者数が17万、メディア系が6万です。
動画の経験はほぼゼロです。が、私は完全な初心者ではありません。数年前と十数年前に短期間の動画アップ生活をしました。ジャンルはゲームプレーです。
しかし、編集ソフトの使い方は記憶の彼方に消えましたし、YouTubeの仕様もすっかり様変わりしました。アドバンテージは特にありません。
唯一の強みがブログです。私のブログは個人の自転車カテゴリのなかではトップクラスのアクセス数を誇ります。
で、長らく文字と画像でやってきましたが、テキストの限界とマンネリ化に悩んで、2018年12月に動画をやり始めました。
ただし、ブログとYouTubeの利用者層は別物です。最初の二週間のYouTubeのチャンネル登録者数は約100人でした。ブログの影響力のなさよ! 残念なスタートダッシュです。
このショッキングな事件の後で一本の動画がYouTubeのおすすめに出て、一気に10万再生を稼いで、1000人の登録者を獲得しました。
この現象の原因は未だに不明です。ビギナーズラックかラッキーパンチか。
恐らくSNSで多数のフォロワーを抱える人がYouTubeを始めても、高い確率でこのパターンに陥ります。
収益化の審査
YouTubeのチャンネルがこの条件をクリアすると、ようやく収益化の対象となります。
あ、これはサブチャンネルの収益化画面です。ご覧の通りにありがたい励ましの言葉と無味乾燥のデータが提示されます。
条件をクリアしたチャンネルは自動的に審査モードに入ります。後日、成否のメールが届きます。
ぼくの場合、2019年2月時点に1000人達成、そこから約7日で合格メールが来ました。平均的な審査時間でしょう。
ちなみに違法なコンテンツをアップロードしたり、不正なチャンネル運営をすると、不合格通知や永久審査待ち、アカウントBANの処置を受けます。
特にアダルト、暴力、差別、著作権違法系のコンテンツや運営者にはYouTubeは無慈悲です。
そのようなジャンルで稼ぐなら、別のプラットフォームを探しましょう。
現在のベータ版YouTube Studioでは個別の動画から広告を選べます。一括で適応するには左のメニューの『従来のクリエイターツール』から設定します。
YouTubeはベータ版を積極的に推しますが、仕様を詳しく説明しません。旧ツールの愛好者はアップデートの度にひいひい泣かされます。
支払いはGoogle Adsenseから
ところで、YouTubeの収益はYouTubeから振り込まれません。この儲けは母体のGoogleから振り込まれます。
YouTubeのパートナーシップはGoogleの広告サービスのAdsenseに集約されます。ブロガーやWeb製作者にはおなじみのものでしょう。
私のようにブログとYouTubeで活動すると、毎月21日にGoogleから銀行口座に前月分の収益を合算で振り込まれます。ちなみに最低振込額は8000円からです。
別の記事で詳しく解説しますが、チャンネル登録者1000人を達成して、コンスタントに動画をアップすると、毎月1万円ほどの収益を出せます。8000円は確実です。
それから、YouTubeのパートナーシップはYouTubeだけのAdsenseですから、ブログやWebサイトには無効です。Web用にはWeb用のAdsense認定が必要です。
現在のAdsenseの審査は十年前より格段に厳正です。ペラペラなペライチサイトはまず通りません。