- ミニプラグ
- ミニジャック
- 3.5mmプラグ
呼び方はバラバラですが、これはイヤホン、ヘッドホン、小型マイクなどの端子の部分のことです。

と、この小物がこんなふうに単品で転がるのは非常事態です。ご覧の通りにケーブルが断線しました。あと、怪しく黄ばんだ半透明の物体はエポキシ樹脂で、過去の修理の痕跡です。
つまり、ミニプラグのケーブルの断線は初めてではありません。むしろ、恒例行事です。
半期に一度のミニプラグケーブル断線祭り
このケーブルとプラグはTASCAMのラべリアマイクとレコーダーの純正品です。

自転車やオートバイのVlog系動画の最大の敵は風切り音です。アクションカメラも固定のデジカメも風の音を盛大に拾って、会話や環境音をかき消します。
屋内では反響が難敵です。6畳フローリング作業室みたいな環境では音が異様に響きます。編集泣かせ。
dw、クリアな音声素材のためにピンマイクは不可欠です。しかし、こいつの線は本格マイク用のXLRケーブルみたいにぶっとくありません。
下の紫の線がXLRです。

XLRケーブル=うどん
3.5mmケーブル=そうめん
自転車動画の撮影環境はアウトドア、長時間、アクティブです。結果、ケーブルが真っ先に痛みます。
このTASCAMのレコーダーとマイクはこの2年弱で4回の断線に見舞われました。その都度、ぼくがちまちま修理して、余命を引き延ばしました。
しかしながら、ミニプラグがもう限界です。直近の修理でピンが曲がって、プラスチックが溶けた。そして、樹脂が剥がれない。
マイクの新調? メーカ物のラベリアマイクはそこそこ高価です。このTASCAM DR 10Lは8000円ほどです。手が出ない。
出費を抑えつつ、機能を取り戻すための手法は何でしょう? はい、新品のミニプラグの入手ですね。

質素なパッケージです。自作、補修、改造用のバルクでしょうか。家庭用小売りには見えません。とはいえ、在庫はヨドバシやAmazonにあります。
例のごとく安い中華製プラグが出回りますが、ヨドバシの流通には乗りません。安心と信頼のメーカー物です、たぶん、
『3極プラク』はなんかチャイナぽく見えますが、この表記も間違いでない? ペダルとペタル、バッグとバックみたいなもんだ?
ここでは『ミニプラグ』で統一して、自作修理に着手します。
2極? 3極? 4極?
この小物の呼び方の定まらなさは長年の疑問ですが、ややこしいポイントはこればかりではありません。極数です。
新旧のプラグです。

黒線1本=2極=モノラル
黒線2本=3極=ステレオ
黒線3本=4極=入出力
下のぼろいやつは黒線1本=2極に見えますが、3極です。かつて溝のところにプラスチックの帯がありました。しかし、たびたびのはんだ付けで溶けて砕けました。
今回の本体はマイク・再生機能なしの純粋レコーダーですから、ステレオ入力の3極となります。イヤホンやヘッドホンは出力の3極です。
プラグ自体は両用です。つまり、3極の安いイヤホンを100均で買って、プラグを刈り取れば、マイク修理に使えます。
極数互換性なし
問題は極数です。2極には2極を、3極には3極を使う。下位上位の互換は基本的にありません。
実際、前にスマホにRODEのワイヤレスマイクを接続しようとしたら、この極数問題にぶつかって、4極ケーブルを買いなおしました。
あと、マニアはこのプラグのモデルやランクで「音質が変わる!」と仰います、ドンシャリがきびきびする、低音が迫力を増すとか。ほんまかいな。
ぼくは細かいミキサーまでやりませんが、カメラ音声とマイク音声の同期、ノイズ消去、音量調整を軽くやってから、エンコードしてアップします。
で、プラグをはんだ付けでくっつけて、マイクを直した後に自分の声をざっと聞き比べましたが・・・違いが分からん! いつものわしの声やないか。
まあ、マイクを格安で復活させるのが最優先です。ドンシャリの違いは風切り音の有無の前では誤差の範囲でしょう。
ミニプラグの断線修理の道具
我が家のミニプラグの断線修理セットです。

はんだごてはこの断線修理にしか使用されません。なのに、先端の黒さがもういぶし銀です。
正味、有線マイクはチャリ動画撮影には向きません。ペダリングなどの細かい反復動作で線がよれて、金属疲労で銅線がぐずぐずになり、根元がマッハで痛みます。
アウトドアの音声収録にはワイヤレスマイクがおすすめです。RODEのWireless GOなど。うちの先代マイクがまさにそれでした。充電がめんどうですし、お値段がそこそこですが。
ちなみにプラグは500円くらい、はんだは200円くらい、はんだごては1000円くらいです。新品マイクよりぜんぜん安上がりです。
定番? 共立プロダクツ
ミニプラグの売れ筋は全く分かりませんが、共立プロダクツのものが人気のようです。理由はおそらくプラグの形状です。

樹脂のストッパー、銀色キャップ、金色のプラグの本体です。ポイントは爪と穴ですね。この形状は後付けの自作・カスタムのためのアイディアです。
純正のプラグにはこんな爪や穴はありません。

細かいところは汚いエポキシのせいで見えませんが、ケーブルの白線の中身はチョボの外側、黒線の中身はチョボの頭にそれぞれ接続します。
無論、逆はダメです。接触不良もダメですし、ショートもダメです。とくにはんだの盛り過ぎで白黒の補修部分がくっついて混戦するのはDIYあるあるです。
まず、細いケーブルのガワをうまくひん剥いて、正しい長さに揃えるのが最初の難関です。上の図では白線は適切ですが、黒線は長すぎです。接触ショートのもとだ。
で、さっきの協立プロダクツのプラグの爪と穴はこのショートを予防して、はんだ付けしやすくするための工夫です。
実際のケーブルハウジングです。

つまり、これはケーブルガイドです。ありなしで自作作業のしやすさが激変します。
はんだ付けのコツ
銅線のはんだ付けはそこそこ大変です。
- 線がまとまらない
- はんだが乗らない
- ショートする
ぼくはこのマイクばかりを何回も直して、コツを掴みました。手先の器用さより下準備の入念さが重要です。
最重要ポイントは自転車のケーブルハウジングと同じで、『線を適切な長さに切ること』です。ガワのゴム膜、中の銅線、もじゃもじゃの毛を適切に処理しないと、後で苦労します。
この接続では中の白線が外で、外の黒線が中央です。白線が常に長くなる。あと、白のガワを剥き過ぎると、はんだの盛りで混戦が起こり得ます。
また、プラグの根元の空間は銀キャップで閉じられます。ケーブルの余りやエキセントリックはんだは収まりません。
やりがち。

他には
- ヤニを多めにつける
- 銅線を少し焙る
- 適切な作業台を用意する
- 煙を直に浴びない、吸わない
ヤニなし、焙りなしでは溶けたはんだは線の上を面白いようにするする滑ります。
実質、この雫には接着性や粘着性がほぼありません。溶岩みたいにどろどろではない。つるつる、ないし、とぅるとぅるです。
はんだがたまたま良いポジションに留まって、そこで冷えれば固着します。しかし、たいてい変な位置に滑るとか、こてから離れないとか、下に垂れるとかします。
ヤニなしではんだを付けるのは糊なしで切符を貼るようなものです。
仕上げにグルーガンやエポキシ樹脂など
作業に戻りましょう。ショート回避のために、本体の電源をオンにして、ランプを見ながら、はんだを付けます。

煙が目に染みて、咽る。これは鉛フリーではなかったか? 明らかに有害な気配が・・・
通電と動作をチェックして、樹脂のストッパーと銀のキャップを締めます。それから、とどめにエポキシ樹脂でガチガチに補強します。

何気にマイクヘッドの風防もスポンジの切れ端+結束バンドのケチケチDIYです。やっぱり、純正の風防が割高でして。
ぼくはこのマイクを屋外ロケで使うとき、オンオフや付け外しを頻繁に行います。おかげで、ケーブルを不用意に引っ張る、落とす、巻き込むをよくやらかします。
で、この補強がないと、衝撃が端子のチョボとはんだに直で行きます。ロケ先の断線はシャレにならない。
エポキシ樹脂、グルーガンのグルー、瞬間接着剤は電気を通しません。ベタ塗りOKです。
ただし、端子側をがちがちに固めると、つぎの断線修理のはがしで苦戦します。お古のプラグがいい例ですね。
ミニプラグの修理まとめ
- ミニプラグ、ミニジャック、3.5mmジャック、プラクなどと多彩
- 極数に注意。端子の横線で判断。互換はない
- 自作修理には爪穴ありのプラグが便利
- 線の長さがキモ
- 混線注意
- はんだは滑る
最近、はんだごてすら無線化しました。たしかに作業中に線は邪魔です。
アマゾンのAnkerのプラグは変な中華製より断然に良さげです。



