ピスト、ピストバイク、フィックス、フィックスドバイク・・・これらは固定ギアのバイクを指します。
この秋口にぼくはサブのバイクをMICKEのトラックホイールとシングルクランクで固定ギア化しました。
パナソニックのママチャリフレームベースのピストバイクです。フロントにミニVブレーキ、リアにキャリパーブレーキを付けて、街乗りに適合します。
ピストの必須テク、バックを踏むとスキッド
さて、伝統的なノーブレーキの固定ギアの自転車の停止、減速の基本は『バックを踏む』や『スキッド』です。
リアホイールとダイレクトに連動するクランクとペダルに逆方向のパワーを掛けて、推進力を打ち消します。
バックを踏むのは簡単です。目一杯に踏ん張れば、平地の減速や停止には困りません。ビンディングやストラップを使えば、ママチャリのブレーキより俊敏に止まれます。
また、減速と停止の場面を常に想定しながら走りますから、より一層の安全運転を心がけるようになります。固定ギアの乗り方はテクニカルで論理的です。
もうひとつの減速技術のスキッドはややトリッキーです。力技だけではままなりません。最近、ぼくはこのコツをつかみました。
ロングスキッド
ロングスキッドはスキッドのためのスキッドです。つまり、見せ技です。極端な前傾姿勢を取って、体重を前輪に預けて、スキッドを無駄に続けます。
ポジションのイメージです。矢印は意識の方向です。体勢はスキーのジャンプのごとしです。
ももをステムやハンドルバーに当てるように前のめりに前傾します。で、リアを浮かせ気味にして、シュルシュル滑らせ続けます。
このとき、重心をリアからフロントに移し切らないと、ふつうにストップしちゃいます。
使いどころは開けた平地や長いゆるい直線の坂道です。雨上がりのスリッピーなコンディションがベストです。
でも、ぼくがこれをやろうとすると、たいてい股間をステムに打ちつけます。ママチャリのジオメトリだからか、足の長さが足らんか・・・
ミドルスキッド
ミドルスキッドは実用的なブレーキングテクニックです。スキッドの基本です。制動のためのスキッド。減速から急停止までミドルスキッド一本でこなせます。
ミドルスキッドのポジションです。
ロングスキッドみたいな極端な前傾を取りません。リア、フロントの比重を3:7か4:6くらいのイメージにします。
で、足とクランクは平行気味になります。体幹でつっかえ棒をするようにして、ペダルを停めます。
ぼくは愛機のママチャリピストではヘソからカカトまでをステムとペダルの間に挟み込むようなイメージでやります。トップチューブがありませんから。
コツをつかめば、利き足、逆足、ビンディング、フラットペダル、ライザーバー、ブルホーンバーでできます。
ショートスキッド スキッピング
ショートスキッドは3つの中ではもっともテクニカルです。ミドルより後ろ気味ないしシッティングのままでリアホイールを跳ね上げて、瞬間的にロックします。
連続ジャンプすると、スキッピングになります。
必然的にクリップ、ストラップ、ビンディングがキーアイテムになります。フラペでは一度ジャンプできても、連続的に小ジャンプできません。
スキッド向きのタイヤ
新しい技を覚えると、むやみやたらと乱用してしまうのがこの世のさだめです。なめらか路面を見つけてシュルシュル、雨上がりのアスファルトでズサー・・・宿命です。
いずれのスキッドがリアタイヤには過酷です。異常な速度でトレッドが消耗します。トリックを多用する人は1か月で使い切っちゃいます。
高いタイヤ、軽量タイヤはピストのリアには向きません。あと、このSCHWALBE ONEみたいな高グリップのタイヤは見せのスキッドには向きません。滑らない。
ここからロード系のハイエンドの細タイヤはのきなみアウトです。
おすすめはアーバン系のワイドなスリックタイヤです。コンチのGATORSKINとかは定番です。25c以上が理想的ですね。
同じ理由でリアに良いホイールを入れても、即効で使い倒してしまいます。
前をカーボンバトンホイール、リアを手ごろなホイールにするのは節約のためです。