昔々、ぼくは大阪のとある繁華街の酒屋のスタッフでした。個人的にアルコールは飲み物ではなく、売り物だ。
反対に甘いものは大好物です。ブラックコーヒーやノンシュガーのストレートティーはお口に合いません。カフェオレとミルクティーを日に五杯ほど飲みます。
紅茶の茶葉が高くなったから、自家焙煎のコーヒーがもっぱらです。
コーヒー、紅茶の砂糖消費量が一年で14kg!
ここでふと疑問が浮かびます。飲み物に使う一日の砂糖の量はどのくらいだ? と。簡単な計算式がこうです。
コーヒー1杯 × 砂糖小さじ2杯 = 8g
8 × 5 = 40g /1day
で、毎日のように紅茶やコーヒーをがぶがぶ飲む=砂糖をがぶがぶ摂るです。ルーティーンは朝昼晩、運動の後、作業中の一息です。うん、一日に五杯は確定です。
とすると、一か月で1200g、一年で14400g・・・米5kg × 3袋ですよ。計算がおそろしくなってきました。
これは身体によろしくありません。砂糖の取りすぎは肥満、胃潰瘍、虫歯のもとです。近年の健康トレンドに砂糖依存症てワードがありますし。
一時、不摂生と運動不足でえらく太って、そこからすこし気合を入れて、食事制限とかジョギングとかサイクリングをして、まあまあベスト体重に近づけました。
その一環で脱砂糖にチャレンジして、お菓子類を止めて、ドリンクシュガーも封印しましたが、数日で断念しました。やはり、多少の甘みはコーヒー、紅茶に必要です。甘味=満足感です。
スーパーにあるラカントを試す
そこで砂糖以外の健康甘味料に目を向けます。最初のターゲットは定番のラカントSです。
CMでおなじみの定番甘味料です。スーパーの店頭にあります。ぼくはアマゾンで小さめのパッケを買って、日頃のドリンクにさらさら投入しました。
顆粒の質感はグラニュー風です。上白糖みたいなしっとり系じゃありません。さらさら系です。こぼれ分がべたつかないのは嬉しい誤算です。
ラカントSの使い勝手や味に不満はありません。ネックは価格です。割高だ。1kgが2500円です。ふつうの砂糖の二十倍です。維持費がかさみます。
Amazonでエリスリトールに出会う
ラカントを使い切って、割安のマイナーな人工甘味料を物色します。調査対象はamazonです。スーパーや薬局の店頭には有名メーカーのブランド甘味料しかありません。ジェネリック甘味料がない。
結果、高評価のこれが目に留まります、フランス産のエリスリトール。
名前のようにソルビトールやキシリトールなどのトール甘味族の一派です。アルファベットのつづりは”erythritol”です。別名エリトリトール。この記事では『エリスリトール』で統一します。
このアマゾンのエリスリトールのお値段は1000円/1kgです。ラカントSの半額以下だ。少し安心して普段使いできます。それでも、普通のスプーン印の砂糖の5倍の価格ですけど。
そして、意外なことにラカントSの原料の一部がこのエリスリトールです。ラカントのエリスリトールはトウモロコシ由来のものですね。これに羅漢果由来の糖分が入って、ラカントブランドを作り出します。たぶん、エリスリトールだけの方が安上がりでしょうけど。
意外と身近な糖アルコール
エリスリトールは耳馴染みのない甘味料ですが、こいつの正体は糖アルコールの一種です。で、この糖アルコールの大本はポピュラーなぶとう糖です。これが発酵して、糖アルコールになります。
糖アルコールは自然界にはメロン、ナシ、ブドウ、スイカのなかに存在します。また、発酵食品のほのかな甘みもこれです。
味噌の甘み、日本酒の甘み、醤油の甘み、チーズの甘みの一端もエリスリトールです。意外と日本の食文化に近い甘味です。
すなわち、エリスリトールは人工的な化学物質ではありません。自然甘味料です。これの抽出や精製を人工的と言うなら、市販の砂糖も蜂蜜もメープルシロップも人工的です。
聞きなれない横文字カタカナがネックでしょうか。和風に『糖酒精』とかにすれば、年配の方が誤解しないかも。
吸収されるが代謝されない
エリスリトールは食品業界では昔からカロリーオフ甘味料として扱われます。そんなエリスリトールのカロリーの目安はゼロ・・・でなく、2.4kcal/1gです。砂糖の60%です。
「あれ、ゼロカロリーじゃない?」
ゼロじゃありません。熱量自体はあります。そして、胃腸から体内に吸収されます。しかし、それが体内でエネルギー変換されずにそのままの形で尿から排出されます。
つまり、吸収はされますが、代謝はされません。体内に蓄積されませんし、エネルギーになりません。で、実質ゼロカロリーの糖です。
歯垢を分解し、虫歯予防になる
トール系甘味料の大御所はキシリトールです。「砂糖のように甘いのに虫歯を予防する」というキャッチコピーで健康食品のメジャーに上り詰めました。歯磨きやガムに良く使われますね。
このキシリトールも糖アルコールの一種です。材料はキシロースです。こちらはぶとう糖ほどにポピュラーじゃありません。自然界では白樺の木の中に多く存在します。
虫歯は口の中の虫歯菌の活動で引き起こされます。菌も生物、生き物です。エネルギーなし、腹ペコでは活動できません。好物は砂糖=ショ糖です。菌は糖を食らって、酸を吐く。
ところが、この虫歯菌はトール系の甘味料=糖アルコールをエネルギーにできません。人間と同様にこれを代謝できない。結果、菌の活動が弱まって、口内の酸が減り、虫歯が予防されます。
エリスリトールも糖アルコールの一種です。舌はこれを甘く感じ、胃腸はこれを吸収しますが、人体はこれを代謝できません。
虫歯菌も同様です。これを食らって、酸を出せません。逆に活動が弱まって、結合力が下がり、歯垢が分解されます。
また、キシリトールやエリスリトールは血糖値をあげません。糖尿病の人がふつうに飲み食いできます。食事制限、低血糖食の甘味付けに常用されます。
この特性から歯磨き後の夜中コーヒーの甘み付けに最強です。深夜パソコン作業にエリスリトール入りの紅茶とコーヒーはもう不可欠です。
日々のダイエット効果は微々たるものでしょう。が、1か月1200g、1年14kgの砂糖のカロリーと虫歯の原因が丸ごとなくなります。
一時の思い付きでこの未知の甘味料に飛びつきましたが、もう5年ほど継続して使い続けます。きっちり一か月1kgのペースでなくなります。あれ、1200gでないのはなぜでしょう? 値段のおかげで砂糖みたいにどばどば使えないからです。
個人的には虫歯予防の効果が大です。ガムが苦手でして。
エリスリトールはカラメル化しない
砂糖とエリスリトールのおもしろい比較があります。フライパンで熱してみましょう。右のエリスリトールはじきに溶け始めます。その後で砂糖がじわじわ溶け始めます。
エリスリトールは水に溶けると、周囲の熱を奪います。実際に単体の顆粒を舐めると、あきらかな冷気を感じられます。疑似ミントみたい。ゆえに冷菓や氷菓との相性がばつぐんです。
エリスリトール自体には特別なフレーバーはありませんが、この清涼感が一種のミントぽさを醸し出し、疑似的な風味みたいなものが口の中に広がります。
そんな豆知識のあいだに砂糖がこげはじめて、こうばしい匂いを出します。カラメル化、キャラメリゼです。プリンには欠かせない。
一方のエリスリトールは透明のままです。液体に粘度が出ません。しゃぱしゃぱです。キャラメルみたいな匂いもしません。
ここから放置して冷まします。
溶けてキャラメル化した砂糖はアメ状になります。一方のエリスリトールは再結晶化して、白くにごります。べたべたしません。
かんたんにフライパンからぺこっと外れました。特性が塩みたいです。でも、味は砂糖だ。ふしぎな食材です。このためにエリスリトールでは飴玉や綿菓子を作れません。粘度が出ない。
逆に少々の加熱で焦げませんから、すき焼きや生姜焼きの味付けに使えます。多分、溶けやすさからして味の染み込みも早いです。砂糖よりあっさりした仕上がりになります。じつに優秀な甘味料ですね。
とにかくエリスリトールにはカロリー抑制、糖分コントロール、虫歯予防には絶対の効果があります。理想的な健康食品です。
というよりも、改めて見返すとふつうの砂糖が非健康的すぎる! 『毒のカタマリ』てゆわれる理由もあながち大げさではありませんね。
甘味料の取りすぎは下痢のもと
顆粒や甘味料の取りすぎは下痢のもとです。しかし、これはアレルギーや病気ではありません。腸内の正常な機能です。
大量の甘味料が腸内に入ると、腸液の濃度が一時的にあがります。腸壁はこれを薄めるためにスプリンクラーみたいに大量の水分を噴出します。結果、お腹がゆるくなって、下痢の症状が出ます。
もっとも、エリスリトールの下剤作用は甘味料や調味料の中では緩い方です。大半が体内に吸収されますから。
ラカントSでは何回か駆け込みトイレをやらかしました。羅漢果のエキスは漢方薬並みに強力です。現に適度な摂取は便秘の解消になります。
エリスリトールとは?
エリスリトールは糖アルコールの一種で、キシリトールやソルビトールの親戚です。果物や発酵食品の中に存在します。怪しい人工的な化学物質ではありません。昔から糖尿病患者の治療や食品の甘味料に使われます。家庭用の市販品の入手がしやすくなっただけです。
エリスリトールは身体に吸収されますが、体内で代謝されません。そのままの形で尿から体外へ排泄されます。ゆえにエネルギーは実質カロリーゼロで、糖質ゼロです。舌だけを満足させる不思議な甘味料です。
同じ理由で虫歯菌もエリスリトールをエネルギーに変えられません。歯磨き後のコーヒーで虫歯予防がはかどります。
Amazonで1kgのエリスリトールが1000円です。しかし、糖アルコールのメリットを知って、普通の砂糖のデメリットを知ってしまうと、とくに高く感じません。スーパーの特売の砂糖というものは身体にも歯にも極めて危険な罠ですから。
これに加えて、コーヒーそのものをダイエット系に替えてしまえば、一定の痩身効果を期待できます。
コーヒー豆には体脂肪の燃焼をサポートするクロロゲン酸が豊富です。が、これは220度以上の高熱で壊れます。生豆 > 乾燥豆 > 浅煎り > 深煎りの順にクロロゲン酸の数値は低くなります。
海外で流行ったグリーンコーヒーは極度の浅煎り豆もしくは乾燥豆の粉末です。クロロゲン酸を壊さないように焙煎を抑えます。結果、生豆の緑色が残る=グリーンコーヒーです。
これは嗜好品というより生薬や漢方薬ぽくなります。豆感が強い。ぼくも試しに自家焙煎でグリーンコーヒーを作ってみましたが、やや青臭い風味が残ります。コーヒーというより豆茶ですか。
コーヒーの効能は下手な健康食品やサプリより優秀です。実際、歴史的に薬と見なされたことも一度や二度ではありません。覚醒作用、利尿作用、脂肪燃焼作用は科学的根拠に基づきます。
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