休むダンシングのコツ 体重とハムストリングをももまえを使い分ける


自転車界のスキル、走法のひとつにダンシングがあります。ようは立ちこぎのことです。対義語の座りこぎはシッティングです

 

大半はとくに意識せずとも、ふつうの自転車体験で自然と立ちこぎを体得します。上り坂、友達との競争、遅刻間際のラストスパートとかです。

 

子供が背伸びして、大人用のママチャリに乗ると、立ちこぎに頼らざるを得ません。シッティング=座りこぎではサドルが高すぎ、クランクが長すぎますから。

 

で、この身近な立ちこぎをきちんと意識的に技法化して習得すると、『ダンシング』て重要なスキルをマスターできます。今日からきみもアスリートだ!

 

 

攻めるダンシング

 

ダンシングは攻めるダンシングと休むダンシングに分かれます。いずれがダンシングて称されますが、用途や性格はぜんぜん正反対です。

 

フルパワーの全身全霊でガシガシするのが攻めるダンシングです。心の中でうりゃーて叫びます。もしか、「どけ!」「前譲れ!」て紳士的な言葉が実際に口をつきます。

 

ゴール前のラストスパート、相手を抜きにかかるとき、パーソナルレコード更新狙い、船の時間がぎりぎりだ、あ~う〇こが漏れそう!!! て勝負所や正念場が使いどころです。

 

オフロードの本気モードはほぼスタンディングorダンシングです。尻をサドルに預けてしまうと、ジャンプや段差で泣きを見ます。立ちこぎの重要性はロードの比じゃない。

 

攻めるダンシングは強負荷の無酸素運動です。数百メートルがせいぜいです。心配も筋肉もバクバクのビキビキになります。

 

1kmも2kmも続くダンシングは攻めるダンシングじゃありません。後段の休むダンシングになります。

 

休むダンシング

 

休むダンシングは部分的な運動です。体重、腿前、ハムストリングなどなどを局所的に使って、負荷を意図的に分散します。

 

ケツのストレス逃れの立ちこぎダンシングはロングライドの常套手段です。サイクルパッドを履かない普段着チャリダーには必須テクです。

 

サドルクッション増強

サドルクッション増強

 

ぼくのケツの耐久力は10時間です。一旦バッテリーが上がってしまうと、こんな対策は付け焼刃にしかなりません。バイクパッキングの2日目の帰りはほぼ立ちこぎになります、ははは。

 

こんなふうにどこかの負担を和らげながら立ちこぎするのが休むダンシングです。サドルから尻を離せば、バイクとの接点を減らして、身体をより自由に動かせます。

 

反対にシッティングではポジションが固定されます。身体の流動性はスタンディングやダンシングに劣ります。融通が利かない。

 

その分、余分な動作は減り、安定度は上がり、効率はアップします。そのシッティングで長く速くはしるための自転車がロードバイクです。

 

体重でこぐ

 

立ちこぎではサドルに体重を預けません。つまり、この位置エネルギーはライダーの手の内にあります。

 

これを推進力に回せば、腿の筋肉を使わずに進めます。体重ダンシングと申せましょうか。すごく楽です。ぼくはこれを多用します。

 

体重ダンシング

体重ダンシング

 

重心を高めにして、体重を片足に乗っけつつ、逆足の荷重を抜きます。体重移動がカギです。逆足は瞬間的に死にます。

 

足の戻しには筋肉を使わず反動を使います、ずるい腹筋や懸垂みたいに。

 

これをリズムよくトントントントンてやれば、筋肉を温存して、半永久的にダラダラ進めます。平地で20km、緩い上りで5kmは朝飯前です。

 

もちろん、速度はさっぱり出ません。

 

ハムストリングでこぐ

 

ふとももの裏側の筋肉がハムストリングです。ダッシュのパワーの源です。乗り物のアクセルに当たります。

 

裏もも=アクセル

前もも=ブレーキ

 

これがふとももの基本の役目です。文科系のクラブ活動部員には初耳でしょうか。体育の授業ではそんなに詳しく教わりませんが、運動系部活では最初に習いますね。

 

スポーツ未経験者がハムの機能をかんたんに体験できるのは上り坂のウォークやランです。上るときにはももうらを使います。

 

反対に下りではももまえの筋肉を使います。たまの登山やハイキングで腿前が筋肉通になるのは山を登ったからでなくて、山を下ったからです。

 

自転車では引き足の意識を高めると、負荷をハムストリングに渡して、そのほかの疲労を緩和できます。

 

ハムダンシング

ハムダンシング

 

引き足を意識的に強くすると、自然とハムストリングを使います。反対の踏み足側のもも前の筋肉の負担があきらかに減ります。

 

当然、引き足を使えるビンディングペダルでしか実現できません。

 

もも前でこぐ

 

最後はもも前ダンシングです。一般的なふともものイメージはここでしょう。ムキムキさせてバリバリ使ってガシガシ漕ぎます。

 

もも前ダンシング

 

もも前の筋肉だけで推進力は生まれません。これは体重ダンシングとの合わせ技です。フラットペダルフレンドリーなダンシングです。

 

こんなふうに体重、もも前、もも裏を使い分けて、疲労を分散します。で、シッティングと組み合わせれば、長いヒルクライムを登り切れます。

 

いろんな筋肉と相談しながら走れますから、身体意識を高められます。「なんかおれアスリートぽくない?」て自己満できますし。休むダンシングはおすすめです。

 

センターをずらさない

 

良い動作はぶれません。ぶれない動作が良い動作です。軸、センター、重心がだいじです。

 

ダンシングて俗称のように立ちこぎペダリングはゆらゆら舞います。しかし、ダンスするのは人体でなく、車体です。

 

ダンシング時にはライダーの身体は自由になります。でも、頭は大きく上下左右しません。ここがふらふら不安定にぶれると、視点から姿勢まで一切合切がぐちゃぐちゃになります。

 

背骨もほぼ不動です。腰骨、尾骨は柔軟性や可動域によります。脇、体側、横隔膜、腰のやわらかさがポイントです。ぼくはまあまあ柔軟しますから、肋骨から下はぐねぐね可動します。

 

たまにつるむ友人はガチガチです。上半身と下半身が一枚岩みたいだ。でも、スポーツ経験はありますから、センターはしっかり出ます。頭はぶれない。

 

自転車を左右に振る?

 

「ライダーは舞わず、バイクを舞わす」

 

それがダンシングです。イニシアチブはライダーのセンターにあります。これが主です。バイクが従になります。

 

走るときの動作を思い浮かべましょう。ランナーやウォーカーは足だけで走りません。腕を振ってバランスを取ります。腕を振らないとブレブレになります。

 

ダンシングでは自転車を振ってバランスを取ります。ためしに自転車をぜんぜん動かさずに立ちこぎしてみましょう。十中八九、動作がぎくしゃくして、乗り手のセンターがぶれます。

 

で、ダンシングのときの車体は左右に揺れます。この外見の動きから『ハンドルを左右に振る』てイメージがインプットされます。

 

でも、実際の力のかけ方は左右でなく上下です。はたまた、押し引きです。走るときの手の振りも縦方向です。左右には振りません。

 

腕を左右に振って走るのはぞくに『おかま走り』になります。愛嬌は出ますが、速度は出ません。

 

仮に右足でペダルをぐっと踏み込んだとしましょう。で、乗り手のセンターを保つために車体を左に少し傾けてバランスを取ります。

 

このとき、左手はハンドルを少し押し、右手は少し引くことになります。で、結果的に車体が左側へ傾きます。反対側もしかりです。

 

力のイメージはこんなです。

 

二点のバランス

二点のバランス

 

対角線上の二点の力がお互いを相殺します。で、結果的にセンターが安定します。

 

この動作の連続で自転車がさも左右にぐいぐい振れるように映りますが、実際のベクトルは細かい縦の上下運動、押し引きの応酬です。

 

立ちこぎ初心者が『左右に振る』てイメージすると、まちがいなく意識過剰のオーバーモーションになります。

 

ランニングやウォーキングの自然な腕の振りみたいなものだて把握しましょう。とくにむずかしいものじゃありません。ペダリングもダンシングもかんたんです。

 

近い動作は・・・パンの生地を捏ねる動きが頭に浮かびました。ハンドルを捏ねましょう、コネコネ。

 

ギアとリズムとケイデンス

 

理想的な休むダンシングは上記のようなものです。センターをキープしつつ、身体の部位を局所的に使いつつ、バイクを舞わす。

 

一連の動作はシッティングのペダリングより煩雑で複雑です。ケイデンスはゆるくなります。

 

たとえ100や120で回せても、左右の『振り』をきちんとこなせません。ベストなギアの選択とリズムがかんじんです。リズムを刻めなきゃ、ゆうがに踊れません。

 

個人的にはジョギングの二回吸って二回吐くのテンポがおすすめです。ぜえぜえはあはあするのは休むダンシングじゃありません。

 

そして、攻めるダンシングもこの休むダンシングの延長線上ないし再構築上にあります。ハンドルとペダルの二点で保持する体勢でのバイクコントロールに慣れるのが習得の近道です。

 

速攻でマスターするなら、サドルを取っ払いましょう。否応なくスタンディングの2点ポジションを強いられます。

 

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