スポーツバイクの命はタイヤです。このゴムのわっかが自転車のジャンル、カテゴリ、用途、性能に絶大な影響を及ぼします。
タイヤの本場は欧州です。フランスの二大メーカー、ミシュラン、ユッチンソンはしにせのタイヤ屋であり、しにせのゴム屋です。ユッチンソン=エーグルのゴム長靴の逸話は有名です。
世界最大手のタイヤ屋のブリヂストンは自転車タイヤを販売しますが、なぜかチューブとタイヤを自社で作りません。BSタイヤの製造元は台湾CST、チェンシンタイヤです。
そのほか、コンチ、ヴィットリア、ヴェレデスティン、WTB、チャレンジ、パナレーサー、IRC、TIOGA…etcetcがあります。
タイヤはそのほかの部品より割安です。軽い気持ちで浮気できます。が、なんだかんだでお気に入りのブランドやメーカーはしぼられます。
ぼくのそれがシュワルベです。たまさか初代の愛機の初期装備がここの20 x 1.5のマラソンレーサーでした。
以来、いろいろなカテゴリのシュワルベタイヤを使いまくります。したの巻き巻きタイヤの半分がシュワルベです。
あ、旧式の緑のタイヤレバーはいまいちでした。タイヤレバーはパナレーサー派、チューブはTIOGA派です。
そんなぼくがシュワルベの魅力を語りましょう。
Schwalbe=つばめ
シュワルベのつづりはSchwalbeです。このパッケージを何度となく開きましたから、まちがいなくつづれます。SCHWALBEです、Cがくせものです。
字体と読みから由来がなんとなく知れます。ご想像のとおりにここはドイツのタイヤ屋です。単語の意味は『つばめ』です。ツバメタイヤ。
じゃあ、ロゴのマークはつばめがえしの弧の形です。
となりのWTBのロゴはなんとなくオオカミに見えます。Wilderness Trail Bikes、カリフォルニアの総合自転車パーツ屋です。
で、シュワルベです。実のはなし、Schwalbeは会社名でなく、ブランド名です。母体はBohle社です。ここのタイヤ部門がSchwalbeです。
カンパのフルクラム、ホダカのkhodaabloom、ビーズのDOPPELGANGERみたいなものです。もっとも、世間的にはメーカーもブランドもシリーズもごっちゃです。
パートナーは韓国흥아타이어
シュワルベのパートナーは韓国のHung-A、흥아타이어です。Dunlopとも提携する有力タイヤ屋です。
BholeもHung-Aも一族経営のグローバル企業です。そんな事情でトップ同士の馬が合ったか、1970年代にパートナーシップが結ばれました。
「韓国のタイヤ~? キムチ入りですか~? ケケケ」
て、アイコク系の人にはお醤油入りのパナレーサーや味噌煮込みうどん入りのIRCがあります。が、BSはかくのごとしでビーフン入りです、HAHAHA!!!
現実問題、Schwalbe=Hung-Aのメイン工場はインドネシアのジャカルタにあります。インドネシアは天然ゴムの一大産地です。タイヤ作りにはベストの環境です。
主力は単車、車いす、自転車のタイヤ
シュワルベの主力商品はオートバイ、自転車、車いすのタイヤです。自転車タイヤはヨーロッパのマーケットリーダーです。とくにオフロードタイヤが強力です。
また、ハイエンドモデルのSCHWALBE ONEシリーズを小径車ホイールにまで展開します。ONEのETRTO 451は20インチタイヤの最速最強タイヤの最有力候補です。
旧モデルのアルトレモ時代、ETRTO 406期から20インチのハイエンドをせっせと販売します。てか、車いす用のONEさえがあります。アメイジング!
ぼくはこれをついに使いませんが、高耐久のマラソンプラスの406×1.5からシュワルベ歴をスタートします。つまり、スポーツバイク歴=シュワルベ歴です。
むてきのMTB
シュワルベのつよみはMTB系のタイヤです。ロードタイヤは同国のライバルのコンチネンタルに遅れを取りますが、オフロードタイヤはばつぐんの支持を持ちます。
ロケットロン、マジックマリー、ノビーニックなどが人気です。超軽量のFurious Fredは350g前後しかありません。2インチタイヤがグラベルタイヤ並みです。
最速タイヤはXC用のTHUNDER BURTです。
たしかにめちゃめちゃ転がります。反面、サイドのプロテクトは弱めです。けわしい岩場にはしりごみします。
軽量タイプのLITE SKINモデルのサイドの薄さは一目瞭然です。ぺこぺこです。
アンチラテックスチューブ
詳細はシュワルベの公式サイトのQAにありますが、ここは天然ゴムのラテックスチューブには消極的です。
で、クリンチャータイヤ用のチューブ、チューブラータイヤのインナーチューブ、いずれがブチル系です。
シュワルベの看板商品のオフロードタイヤの主流はチューブレスやチューブレスイージーです。典型的な親チューブレス・反ラテックスの傾向になります。
おかげでONEの20インチサイズ、ニュージャンルのオールロードタイヤにさえチューブレスイージーのモデルがあります。
シュワルベのチューブレスのイニシャルは”TLE”です。TubeLess Easyの頭文字です。このマークの有無でチューブレスの是非がわかります。
ちなみに上記のTHUNDER BURTはノーマルなクリンチャーモデルです。でも、シーラントでチューブレス化できます。
減圧がTLEモデルより早くなりますが、重量が軽くなります。レースや短期決戦ではぜんぜんありです。
基本的にクリンチャー < チューブレスイージー < チューブレスの順で重くなります。もっとも、完全チューブレスはMAVIC、HUTCHINSON、IRCくらいです。
アイコンはシュワルベマラソン
シュワルベの出世作は高耐久のMarathonシリーズです。世界一周自転車旅行者のヴォルフガングさんと実地で共同開発しました。ツーリングタイヤのロングセラーのベストヒットです。
オールコンディションのロンググライドが本来の用途ですが、自転車通勤通学、チャリ通、アーバンコミューターにすごく向きます。
クロスバイク、ミニベロの足回りをこいつにすれば、ほとんどノートラブルで1、2年を過ごせます。トレッドがほんとにぜんぜん減りません。タフネスです。
弱点は重さです。ミニベロのやつは1.5インチのワイヤービードでした。スーパーヘビー級です。で、反動でパナの7/8のMinits LITEに行ってしまいます。
451の23は快適さとは無縁です。軽さがすべてだ! いつかPRO ONEの451の25をチューブレス化しようと思います。が、ミニベロのチューブレス対応のリムが見つからない。
強烈なグリップ
シュワルベロードタイヤの特徴はグリップです。ぼくは前世代のONEチューブラーを固定ギアのバイクに履かせます。強烈なグリップのせいでスキッドに苦労します。
ああ、せっかくのハンドメイドがちょっともったいないお化けです。
ONEのコンパウンドのもちもち度はVittoriaの現行モデルのグラフェン入りのG+モデルといい勝負です。路面追従性がGOODです。
そして、くだんのようにチューブラーのインナーチューブはブチルチューブです。空気は長持ちします。
ぼくの実験では9barが10日で6bar、30日で4.5barです。ラテックス系チューブラーはこんなに持ちません。
特価の常連
このようにシュワルベのタイヤは大家族です。オンロード、オールロード、オフロード、ミニベロに無数のモデルがあり、クリンチャー、チューブレス、高耐久、超軽量みたいなオプションがあります。
そのせいか海外通販でシュワルベの在庫だけが他メーカーを差し置いて、3ケタ台に達します。次点のコンチネンタルやMAXXISが80ちょいです。
おかげでお値打ちの特価品が通期で出回ります。
マラソン、デュラノ、ONE、オフロードタイヤ各種がおすすめです。ビバ、シュワルベ!