ハッチンソン? ユッチンソン? 妙に不人気なフランスのしにせタイヤ屋

Louis Garneau

この人名風の企業名を正しく読めれば、チャリダーの仲間入りを果たせます。チャリ問題入門編です。ぼくの初代の愛機もここのミニベロでした。

愛機ペガサス号
愛機ペガサス号

“Louis Garneau”は北米カナダのブランドですが、フランス語圏のケベック州の会社です。つまり、仏読みが正解です。ルイガノ ou ルイガノー ou ルイガノオ ou ルゥイギャノオ。

名前はブランド展開には大切な要素です。もし、これが英語圏の会社で、ルイス・ガーノーだったら、ここまで爆発的にヒットしたか・・・

ルイはどことなくルイヴィトンをイメージさせておしゃれぽく聞こえますが、ルイスはもうカール・ルイスの印象しかもたらしません。え、ハミルトン? 世代ギャップ!

ユッチンソン? ハッチンソン? なHutchinson

チャリ問題中級編が”Hutchinson”です。字体は完全に英語風ですが、ここはフランスの企業です。華の都パリのゴム屋です。

創業者はアメリカ人出身のHiram Hutchinsonさんです。社名はこの人の名前に由来します。で、これの英語読みがハイラム・ハッチンソン、仏語読みがイラム・ユッチンソンです。

細かい差異でハッチンスン、ウッチンソン、ュッチンソンなどなどがあります。いずれの読みが間違いではありません。王貞治氏を王さんと呼ぶ人もおれば、わんちゃんと呼ぶ人もいます、長島です

国内のハッチンソン派とユッチンソン派はほぼほぼイーブンです。ちなみに仏文学好きのぼくは仏語読みのュッチンソンを推します。

他方、フランス自転車パーツ屋の”Hurét”はユーレないしユーレーで確定です。シクロジャンブルみたいなヴィンテージ系のフリマでしばしばお目にかかれます。

ここはローマ字読みでヒューレットとは呼ばれません。ヒューレットはパッカードやないか。

後年、このHurétはドイツのF&Sに買収され、F&SはさらにアメリカのSRAMに買収されて、表舞台から消えます。SRAMのRIVALシリーズはSachs Huret時代の2ndグレードモデル名の名残りです。

出世作はゴム長、アパレル部門がAIGLE

Hutchinsonの草創期の大ヒット商品はラバーブーツ、ゴム長靴です。ここからアパレル部門が生まれます。AIGLE、エーグルです。

AIGLEのロゴの仏語のDEPUIS 1853は英語のSINCE 1853です。150年オーバーの超老舗です。同郷のMichelinより古参です。

チューブレスタイヤのさきがけ

現行のユッチンソンの印象は『チューブレスタイヤのメーカー』です。日本のIRCと共にロードやMTBのチューブレスタイヤをいち早く手掛けます。チューブレスのパイオニアです。

また、2000年代前半にはロード用のチューブラータイヤでトップレースを総なめしました。主な愛用者は幻の7連覇王者アームストロングです。

そして、この2000年以降のチューブドクリンチャータイヤのトレンドのなかではユッチンソンはなかなか上位陣に食い込めません。

初期のミシュラン、全盛期のコンチネンタル、後期のVittoriaの3本柱が強力です。多彩なシュワルベ、日本製のパナレーサーがあとに続きます。

ユッチンソンとIRCはこの次です。第二先頭集団の後続組です。おすすめランキングの入賞圏内にはぎりぎりランクインできません。

チューブレス化で浮上するか?

フランスのホイール屋のMavicが2018モデルからUST=チューブレスを一気に投入します。イタリアのフルクラムはDB用の新作アルミホイールを2WayFit=チューブレス互換にします。

ロードバイクのチューブレス化のゆきさきはまだまだ不透明ですが、チューブレスはトレンドのディスクブレーキロードバイクやフルカーボンクリンチャーとベストマッチです。

シマノ、スラム、そして、カンパニョーロさえが油圧ディスクブレーキに力を入れます。メーカー主導の形でディスク推進、キャリパー排除は着々と進みましょう。

実際問題、ロードのチューブラータイヤ、MTBの26インチホイール、シクロクロスのカンチブレーキはそのように廃れて行きました。

このチューブレス化の波にうまく乗れば、ユッチンソンはロードタイヤの先頭集団に躍り出られます。そして、MAVICの純正タイヤはHutcinsonのOEMです。マビックのUSTホイールがキーです。

反対にクリンチャー普及の功労者のミシュランはロード用のチューブレスタイヤを販売しません。渾身の新作POWERはVittoriaの新作Corsa G+にやや遅れを取ります。

しかも、そのVittoriaはすでに本気のチューブレスCorsa Speedを不意打ちで発表して、世間を驚かせました。こいつの転がりの軽さは全チューブラー、クリンチャー、チューブレスの中でベスト1です。

来季からよりトレンディーな25cモデルが出ます。2016年以降のロードタイヤのイニシアチブはVittoriaの手の内にあります。

ユッチンソンのタイヤが大特価

そんな事情でタイヤ界のマイナーリーグに属するユッチンソンの製品はけっこうな頻度でたたき売られます。

ユーザーの人気は否応なく『高性能』、『対抗馬』、『ベストセラー』の3つに集中します。それぞれCorsa G+、POWER COMP、GP4000S IIです。で、つぎの候補は『最軽量』や『良コスパ』です。

現行のユッチンソンのFusion5は2016年デビューです。Corsa G+やPowerと同世代です。旧世代のGP4000S IIのがんばりが目立ちます。

ぼくはFusion 5 11STORMでエアロロードを組んでみました。

HUTCHINSON FUSION5チューブレス
HUTCHINSON FUSION5チューブレス

チューブレス化のしやすさは特筆です。コンチ、ヴィットリアのチューブレスがイマイチですから、ロードにはシュワルベかユッチンソンかIRCですね。