名車アルベルト 衝撃のデメリット 高価格通学自転車の長所と短所 一発二錠リコール情報も

アルベルト・・・

OVAジャイアントロボの十傑集で実質的主人公 本編では大怪球のバリアを吸収し、スパロボではサキエルや量産型EVAをなぎ倒す衝撃のおっさん。

ブリヂストンサイクルの通勤通学のロングセラー・ベストヒットの名自転車、アルミフレームとベルトドライブを搭載する重いチャリ。

はい、今回のアルベルトは後者です。え、BSがBF団に見えた? 今川だからしょうがない。

最新版のアルベルトの本体価格は衝撃の10万円オーバーですが、ぼくは格安中古を18500円で購入しました。

アルベルトロイヤル
アルベルトロイヤル

ぼくの自転車人生で10数年ぶり、二代目のアルベルトです。一代目はノーマルアルベルト、二代目はなんと最上位グレードのアルベルトロイヤルだ!

懐かしのこのモデルを岸和田まで引き取りに行って、自宅まで35kmほどじっくり走って、衝撃を受けました。

  • 重い!
  • でかい!
  • しぶい!

結果的に街乗りメイン車両への昇格は見送られました。不満が勝つ。思い出の中のノーマル版よりこの上位モデルの印象が良くない。

ここではアルベルトロイヤルの率直な意見を詳しく書きます。

名車アルベルトの概要

ブリヂストンは一般的にはタイヤ・ゴムメーカーですが、自転車事業の老舗です。一般車のブリヂストンサイクル、ちょっとおしゃれなグリーンレーベル、スポーツ自転車の”Anchor”を展開します。

実際、ロングセラーの有名車両が豊富です。

  • アルベルト
  • マークローザ
  • ビッケ
  • ステップクルーズ

などなど。個人的にミニベロタイプのマークローザM7がお気に入りです。

で、今回の車両はそのなかの看板商品、通勤通学自転車の第一人者、BSアルベルトです。公式ページでの扱いは最上位、メーカーおすすめの一台だ。

ちなみに今季2026モデルの定価は109800円(税込み)です。ただし、内装変速がシマノINTERの5速です。

ぼくの現物は2012?頃のINTERの8速モデルです。

SHIMANO NEXUS INTER 8
SHIMANO NEXUS INTER 8

8速版のロイヤルの最終モデルの定価は12万前後です。まさに超高級シティサイクル。スポーツバイク入門機、電動アシスト並みだ。

しかし、この『ハイグレード』や『プレミアム』は自転車業界では一種の闇です。孔明の罠がある。

アルベルトロイヤルの仕様

中古自転車の詳細は未明ですが、グリップの下から”2012″の刻印が出てきました。じゃ、2012モデルでしょう。全体のくたびれ方もたしかに10年選手風です。

といって、このモデルの仕様は年式でそう激変しません。アルベルトテンプレートは以下の通りです。

  • アルミフレーム
  • ベルトドライブ
  • 27インチ=ETRTO630
  • クロモリフォーク
  • ローラーブレーキ
  • ダイナモハブ
  • 自動ライト(点灯虫)
  • 一発二錠 ※要注意

フロントブレーキが専用のキャリパーブレーキになる、内装ハブの型番が変わるなどの変化はあれど、アウトラインは上記の通りです。

それより最重要な問題があります。専用鍵『一発二錠』の不良です。

重要事項 一発二錠リコール

2003年から2015年までのアルベルトの標準装備の専用ロック、一発二錠がリコール対象です。公式の案内は以下です。https://www.bscycle.co.jp/info/2019/6624

通勤通学号では防犯が重要です。一つの鍵は我がナニワのようなチャリパクの聖地では赤子の手の指の先のごとしです。

このアルベルトの一発二錠はそれを解決します。なんとリアのロックとハンドルのロックが連動して、施錠でフォークががちっと固定されます。すぐれもの!

一発二錠 旧式
一発二錠 旧式

が、この2003~2015モデルの黒シールの一発二錠は重要な不具合を起こします。まれに走行中にロックが勝手にかかって、ハンドルが曲がらなくなる。

2019年にリコールの案内が出て、無償交換が地道に行われますが、定番商品のロングセラーが仇となります。対象の販売数が3,164,913台です。全部の回収は非現実的だ。

で、上の画像のようにうちの車両の一発二錠は黒シール=リコール対象です。2012の刻印とも合致する。

このまま乗り続けるのは不安です。後日、ぼくは一発二錠を自力で取り外しました。

一発二錠のロック機構
一発二錠のロック機構

意味不明専用パーツの宝庫でした。幸か不幸か部品の加工精度は非常に良質です。つまり、コストがここに掛かる。

一般の方はブリヂストンの取扱店に持ち込んで、白シールの一発二錠に交換しましょう。交換は無償です。

afterのフォーク回りです。

ヘッド側たまおしを兼ねる
ヘッド側たまおしを兼ねる

ワイヤーとガワの部分を取り外せますが、上ワンと謎の黒パーツを取り外せません。なぜなら黒パーツ=玉押しです。そもそもこれなしでは高さが変わる。剥き出しが正解です。

ノーマルサイズのヘッドパーツの調達も難です。多少の見栄えの悪さと防水力のなさには目をつぶりましょう。まあ、資金回収のために前後輪を売り払ったので、しばらく動かせませんが。

アルベルト後輪一式
アルベルト後輪一式

というか、ベルトドライブなきアルベルトはもうアルベルトでなくないか? いえ、ぼくの見解ではアルベルトの本体はかごとキャリアです。この魂は手元にあります。

アルベルトロイヤル プレミアムモデルの罠

『プレミアム』商法は自転車業界でもその他でもおなじみの手口です。ぼくはこのワードを含む商材を積極的に購入しません。しかし、今回の件では『ハイグレード、最上位、ロイヤル』に屈しました。

これが大失敗です。ぼくの記憶のなかのノーマルのアルベルト(イオンバイク限定の5万くらいの廉価モデルだったかな?)はここまでもっさりではなかった。

高価格≠高性能

アルベルトロイヤルはこの典型です。価格=コストが機能に食われる。作りの良さが仇です。

どっしりずっしりごってり

アルベルトのコンセプトは通勤通学です。メーカー側の裏設定は「がっちりした中高生がノーメンテで雑に3年余裕で乗れる」です・・・たぶん。

実際、ぼくの初代のノーマルアルベルトは5年の通勤にノーメンテで耐えました。車体は余裕です。しかし、酷使でタイヤが摩耗でゴリゴリにすり減って、さきイカみたいに縦にはらりと割けました。

この中古のロイヤルのタイヤは初期のBS純正品ではありません。SHINKOのDEMING JETDAIii です。これはおそらく出品者が交換してくれたやつ。

シンコータイヤ
シンコータイヤ

27インチ=ETRTO630です。タイヤの種類が限られます。MTB29インチやロード700c=622はこのホイールにはハマりません。

このシンコーのやつはBS純正のタイヤと同タイプ・・・はたまた、完全同型のロゴ違いモデルですらありえます。ブリヂストンの自転車タイヤはほぼ中国製ですから。

DEMING JETDAIiiは一本2000円くらいの手頃な27インチタイヤです。おそらく27インチタイヤの売れ筋でしょう。

で、この27インチタイヤがぼくの感覚ではけっこう大振りです。街乗りロードよりあきらかにでかい。二段階くらいでかい。取り回しがめちゃくちゃです。

実際、完全にばらす前には作業部屋(3階)まで運び上げられなかった。でかい、おもい、ごつい、でかい。

このサドル高では脚が全く届きません。

シティサイクルデカすぎ説
シティサイクルデカすぎ説

細部のひとつひとつがしっかり、どっしり、ごってりです。上のフカフカのコンフォートサドルも1kgくらいです。クッションとシリコンの塊だあ!

マジの鉄下駄ホイール

ホイールはがちがちのMTBホイールよりはるかに激重です。前輪はステンレスリム+ダイナモハブ+高耐久タイヤで3kgくらいでしょうか?

前輪
前輪

推進力が重さと電力に吸われます。35度の好天に恵まれた岸和田からの帰り35kmは地獄でした。そもそも、10km以上はアルベルトの推奨距離ではありませんが・・・

このモデルの快適な走行距離はせいぜい5kmです。うちの環境では梅田はOK、なんばはNGです。

ちなみに車輪の真上の英式空気バルブの横のなぞの突起物は空気圧チェッカーです。無駄なコストがここにも・・・いや、普通のユーザーには有益でしょうが、こじれたチャリマニアには蛇足にしか見えません。

でも、一般ユーザーが律儀にこれで空気圧チェックするかは眉唾です。買う時に「へー便利」といわせる機能。

作りは文句なし

不満ばかりをあげつらわず、少し視点を変えて、いいところを上げましょう。自転車として見ず、工業製品として見てみると、作りの良さに感心します。

フレームはグッド!

フレームはいい
フレームはいい

ケーブルは内装、ダウンチューブはモノコック風の菱形、塗装も重厚です。安っぽさはまったくない。

リアエンドはMTBみたいな147mmです。BOOSTホイールを使えないか? ステーも非常に堅牢です。むしろ、過剛性だ?

エンド
エンド

普通の通学自転車にここまでの太さのアルミチューブは不要です。しかし、ノーメンテで二人乗りしてゆっくりゆっくり下っていく(ダメだが)にはこのがちがちさは適当です。

リアキャリアも異常に堅牢です。積載重量は27kgです。コメ袋3つ分。ほぼ業務用。

と、こういう附属品のしっかりさがまたまた重量に繋がり、走行性能にいい影響を与えません。『アルベルトの本体はかごとキャリア説』の根拠はここです。おまけが本編だ。

逆の発想でより安価な付属品はチープになりますが、軽くなります。結果、走行性能にいい影響を与える。ノーマル版のアルベルトの方が軽快だった理由はこれです、あきらかに。

コスト=価格が多機能な付属品に食われる。アクセサリ全振り型のステータス。これがアルベルトロイヤルの正体です。

まさにハイグレードの孔明の罠。

なぞ技術の結晶 偏心クランク

アルベルトの意味不明な仕様はこればかりではありません。一番の難点はクランクです。”BRDGESTONE”マークのこれは特殊専用品です。その名は偏心フロートクランク。

偏心クランク
偏心クランク

表のブラックボックス的なカバーがもう異様ですが、実態はさらにミステリアスです。

裏側が一目瞭然です。

軸が偏る
軸が偏る

クランクアームの軸がギアプーリーの中心にありません。アームとサークルの部分が一体ではありません。ぐにぐに動きます。ペダルの力が直にBBに伝わらない。

乗り心地はフリーパワーにそっくりです。ふにふに、むにむに。

フリーパワー
フリーパワー

この両者に共通するのは『足に優しい』です。しかし、優しさは反動の弱さ、力の伝わりにくさと同義です。

立ち漕ぎや漕ぎ出しでペダルをがっと踏んでも、適切な反動を得られません。まさに暖簾に腕押しな感じ。力が逃げるし、タイミングが合わない。シンプルに加速が壊滅的です。

このクランクのせいでストップアンドゴーの軽快さが1万のママチャリに劣ります。ベルトドライブの掛かりの悪さをさらに助長して、印象を下げます。

偏心+ベルト
偏心+ベルト

偏心フロートでない固定型のベルトドライブクランクもあります。SUNTOURのやつが定番です。

チェーンドライブ化に失敗する

この偏心クランクの印象はさんざんでしたので、チェーンドライブ化が計画されました。が、このアルベルトのシマノ内装ハブと現行のコグが現物合わせで合わない。

駆動体ユニットが特殊?
駆動体ユニットが特殊?

このハブの型番はNEXUS INTER 8 SG R8-31です。終売品ぽい。ブリヂストン車両用のバルクモデルのようです。

で、この INTERハブの中身は駆動体というやつですが、ここのソケットの数が10溝くらいです。ベルトドライブ用の形状か? 旧式か?

現行のINTER内装ハブ用のコグの形状は3爪対応です。1mmもハマりません。はい、アルベルトチェーンドライブ補完計画は終了しました

駆動ユニットの交換が現実的ですが、新品のユニットは余裕で1万円オーバーです。しかも、このハブは旧式だ。ものが出てこない。

この改造失敗を受けて、前後輪の処分を確定しました。手取り回収金額15000円です。で、現在のアルベルトの用途は部屋のオブジェです。

でも、本体=しっかりしたカゴは町乗りロードに移植されましたよ。ぼくの中ではこれは三代目アルベルトです!

アルベルト=かご
アルベルト=かご

まあ、差額で自転車弄りネタと高品質な付属品を入手できました。総合的にはこのアルベルトの購入は及第です。シンプルな乗り味? お察しください。

ブリヂストンアルベルトロイヤルのまとめ

  • 定価高すぎ
  • 機能多すぎ
  • 重い
  • でかい
  • ごてごて
  • 付属品と作りは良い

価格1、ブランド3、機能4、性能1、品質4の総合2.5くらいです。とくに上位のロイヤルが時代に合わない。もっと安いノーブランドの電動アシスト自転車の方がおすすめです。

純正の付属品の作りは良です。安くはないが。