オンラインフードデリバリーの代表がUber Eats です。少し前まで異様に見えたあの大きな黒いバッグがすっかりおなじみのものとなりました。
おかげでほかのバッグで配達しても、「Uber Eats みたいなやつだ!」と言われます。
Uber Eats のバッグ事情
最初に最重要ポイントを申し上げましょう。Uber Eats のバッグないし備品には特別な規定はありません。
- Uber Eats の公式バッグ
- パチモンのバッグ
- 市販の保温バッグ
- 出前館やmenuのバッグ
- スーパーのビニル袋
- 手持ち
配達パートナーはこのどれを使っても、Uber Eats で稼働できます。
なぜなら配達パートナーはビジネスパートナーであって、Uber Eats の社員やアルバイトでないから。制服や備品を強制される身分ではありません。一国一城の事業主です。
Uber Eats と配達パートナー
配達パートナーとUber Eats が結ぶのは直接の雇用契約でなく、ゆるい提携です。これはRPGの酒場と勇者、ギルドとハンターの関係にそっくりです。
で、この出前ギルドからの依頼内容は『加盟店Aから注文者Bに料理Cを運ぶこと』です。1件なんぼのリアルなお使いクエストだ。
配達パートナーの収益は給与収入でなく、事業収入です。個人事業の売り上げ、お使いクエストの成功報酬です。
建前的にはUber Eats と配達パートナーの立場は対等です。この関係性では推奨や指示は可ですが、命令や強制は不可です。
「このバッグを使え」
「この服を着ろ」
「マナーを守れ」
「接客サービスの向上に努めろ」
以上のようなものは軒並みNGです。パートナーはUber Eats に忠義を捧げる社畜ではない。
仮に特定のアイテムを指定するなら備品として支給するのが道理ですし、マナーや接客の向上を求めるなら研修を行うのが筋です。
しかし、Uber Eats 及びオンラインフードデリバリーサービスの多くは飲食業や接客業や配送業ではありません。実態は斡旋仲介代理業、マッチングサービスです。
運営とパートナーの関係性が直接的な上下でなく、間接的な横横ですから、強制的な指示や命令は不可となります。
この手のサービスで最も厳しいのは国産の出前館の配達パートナーです。受け取りや受け渡しの際に指定の帽子の着用&バッグのロゴ隠しが必須です。※直雇用の従業員は既定の制服を着用する。
バッグは業務内容外
このような仕組みから本質的な業務内容の『加盟店Aから注文者Bに料理Cを運ぶこと』以外の強制力は機能しません。
バッグも同じです。推奨は可ですが、強制は不可です。
そもそも全世界の不特定多数の配達パートナーの装備をリアルタイムでどのようにチェックするか? 無理です。
ということで、公式バッグを持たずとも、フォーマルな格好をせずとも、Uber Eats でふらっと配達できます。
でも、おすすめはUber Eats 公式バッグ
最低限のコストで最大のリターンを得るのが事業の基本です。食べ物の配送のような単発の安価な仕事はとくにそうです。
これらのコストを切り詰めて、『加盟店Aから注文者Bに料理Cを運ぶこと』を最大化するのが効率的です。
そこで瞬時に身柄を表せるシンボルマーク的なものが威力を発揮します。Uber Eats がここまで浸透すると、あの黒いバッグが名刺になる。
後発のmenuやDiDi Foodのバッグはこの域に達しません。実際、それで稼働すると、「Uber Eats みたいなやつ」と言われます。
ぼくのかつての職場の酒屋にも一升瓶やビール瓶を入れるための特別の袋があります。下のごつい自転車の後ろの荷台の紺色のやつです。
うちの店や知り合いの酒屋さんの間ではこれは「両口袋」で通用しました。一升瓶が左右に3本ずつ入る大きさです。
これは酒販業界だけの特別な配達バッグです。今や非売品で希少品です。『松竹梅』のロゴが見えます。宝酒造からの提供品?
普通のバッグは耐久不足
普通のバッグと配達のバッグの差は耐久度です。
上の酒屋の両口袋は厚手のジーパンみたいに頑丈でタフです。年単位の酷使に耐えうる。ザ・商売道具です。
で、フードデリバリーの公式バッグは配達用の設計です。年単位の数百回の荷重や開け閉めに耐えうる。ザ・商売道具です。
一方、市販の保温バッグは配達用の設計ではありません。日用品の延長です。耐久度に欠けます。ノー・商売道具です。
非純正品や販売元に注意
以上の理由からこのUber Eats の公式バッグがおすすめです。なぜなら販売元のUber社はカバン屋でないから。
Uber Eats のロゴ入りバッグで儲けようとするのはカバン屋か転売屋です。UberはIT企業です。このカバンで大儲けしようとはしない。
後述のようにコロナのせいでUber Eats のパートナーセンターが休業になり、店頭訪問・対面受付が形骸化します。
- コロナのために実店舗でのバッグ受け取りは凍結中
- 純正バッグの販売元はamazon→Uberショップ
- 価格は4000円→5000円台
2022年未明にアマゾンの在庫が一斉に消滅しました。多分、転売対策です。現在の正規販売元はUber公式ショップです。
しかし、この公式ショップの使い勝手がビミョーで、日本人にはやや不親切です。おまけにバッグの価格がしれっと5000円台に上がりました。
バッグのデポジット制度は撤廃
コロナのせいで各エリアのUber パートナーセンターが休業して、Uber Eats のバッグの受け取りが通販に一本化されました。
さらにデポジット制度が終了して、バッグは買い取りになりました。返品時の払い戻しはもうありません。※30日以内の返品は可能です。
この結果、公式バッグの正規ルートでの入手の意味合いがやや薄まりました。先述のようにバッグの規定はありませんし。
Uber Eats のパートナーセンターの再開時期は未定です。
Uber Eats のバッグの機能やサイズや重さを徹底解説
さて、ぼくはこの記事作成のために通販でUber Eats のバッグを調達しました。
梱包の段ボールは特大です。うちの置き配ボックスには入らず、再配達となりました。
バッグの中身一式
梱包はシンプルです。ペライチのビニルカバーのなかに黒い本体が収まります。
あれ、ロゴがない? 出前館仕様ですか?!
いえ、ロゴなしのバッグは旧型の余りもので、ロゴありの現行モデルより低性能です。
このモードは収納状態です。稼働エリアまでの移動にはこの形態を使います。
横からの図です。
あの大きなバッグがここまでコンパクトになります。この形態で走る自転車乗りは仕事前か仕事後のオフの配達パートナーですね。
ストラップを外して、上蓋をめくると、例のロゴとご対面できます。
正面の外観は真四角に見えます。実際、カタログ寸法は46x46cmの正方形、重さは3.18kgです。
バッグの付属品は5枚のプレートです。2枚の黒Aが側面、黒Bが上蓋、銀色1が底面、銀色2が区切り用です。
組み立てはかんたんです。各面のマジックテープを外して、プレートを差し込みます。
トランスフォームが完了しました。型崩れが起こりません。マチ(奥行)の部分は31cmまで広がります。
内張りの銀色の素材は保温と防水に優れます。掃除も楽ちんです。
ところで、国内のフードデリバリーの主な利用者はおひとり様で、オーダー量は一食分です。この大きなバッグはめったに満タンになりません。
小口のフードやドリンクの固定には内側のサイドネットやマジックテープ付きのパーティションを使います。
が、細かいスペースの調整には何らかの緩衝材は必須です。amazonのプチプチや段ボールの切れ端などが便利です。
こちらはとある午後のオーダーです。中身はココイチのカレーです。スペース余りが深刻です。
そして、意外と運ぶ時より背負う時に中身をこぼしてしまいます。寿司はかたより、汁物はあふれる。まあ、ココイチの出前用梱包は優秀ですが。松屋とかスシローが難敵だ。
Uber Eats のバッグのスペックのまとめです。
販売元 | UB UET Japan |
購入先 | amazon→Uberショップ |
価格 | 4000円(税込)→5000円 |
サイズ | 46x46x31cm(ストラップを含まない) |
重量 | 3.18kg |
付属物 | 黒プレートx3 銀プレートx2 |
備考 | 緩衝材は付属しない デポジット制度は終了 30日以内の返品はOK 2021年春に新色のグリーン追加 ※2022年からUBeショップで販売。値上がり! |
バッグの機能
Uber Eats のバッグはより効率的な配達のために進化します。現行モデルは第4世代です。細かい機能を見ていきましょう。
ストラップはメッシュ素材で広めです。これは肩への負担を和らげるためと汗の通りを良くするためです。
反対に細いストラップは肩にぐいぐい食い込みます。長期稼働では汗と圧で衣擦れが起きかねません。
右肩のストラップにはポケットが付属します。これはあきらかにスマートフォン用です。
しかし、いちいちの出し入れは地味にコスト増ですし、落下破損の危険性が跳ね上がります。
本気勢はリスクとコストを減らすためにスマホホルダーで車体に固定します。画面を見過ぎる可能性はありますが。
ロゴ下のファスナーの中身はポケットではありません。バッグの拡張部分です。底面がここまで広がります。
何のため? 特大のピザ用のスペース以外にあり得ません。アメリカ人のピザ消費量は半端ではない・・・
お察しのように国内ではオーバースペースです。大量の寿司のお盆の平置き用? ホールケーキはここまで大きくないし。
ロゴ側のファスナーを全開にすると、バッグをフルオープンにできます。
大容量、高機能、高耐久なバッグです。
Uber Eats のバッグのまとめ
Uber Eats の純正バッグは推奨であって、強制ではありません。が、同価格の市販バッグはこれより落ちます。
配達用の仕事道具として、あいさつ代わりのアイテムとして、純正バッグがおすすめです。
コロナのせいでUber パートナーセンターが閉鎖して、バッグの入手方法がWebオンリーになりました。
バッグ返却時の返金制度はなくなりました。ただし、30日以内の返品は無料です。
大容量の純正バッグのスペースを使い切る注文はめったにありません。スペース調整用の緩衝材や梱包材は必須です。ダンボール、プチプチ、アルミシートetcetc…
副業勢や女子には純正バッグがでかすぎる?
Uber Eats の純正バッグの弱点が大きさです。世界的に小食の日本人のオーダーにはこのデカいカバンはオーバースペックだ。
さらに自転車勢はカバンの容量と重量に体力を削られます。専業のパートナーはタフですけど、副業さんや女子はそこまでゴリゴリじゃない。
ということで、非純正の少しコンパクトなデリバリーバッグも人気です。ロゴを隠す手間なしで出前館の配達を掛け持ちできますし。