マウンテンバイクやロードバイクみたいなスポーツバイクのならわしがペダルの別個売りです。
そこそこの完成車にはペダルが付属しません。100万オーバーの展示車両も画竜点睛です。
チャリ入門者はこれを見て、「おいおい、走れへんやん! 欠品やん!」とわらいます。スポーツバイクの通過儀礼です。
競技用自転車のペダルは基本的に別途ですね。用途や好みに応じて、ものを使い分けます。
新しいペダル=固いペダル
ママチャリやシティサイクルに乗っても、ペダルの回転の良しあしにはとくに注目しません。用途が実用品です。ベアリングの回転抵抗などは些細な問題だ。
他方、スポーツ自転車に乗ると、そこかしこの摩擦や抵抗に神経質になります。ことさらにロードバイク乗りはこれを嫌う。効率・イズ・ジャスティス!
マウンテンバイク乗りはそんなに意識しませんが、たまにペダルをつま先ではじいて、シャーっと回転させるとかします。信号待ち中の一人遊びのひとつです。
この完成車に付属しない別途のペダル、これは出荷状態ではわりと渋め、固めです。おろしたてのシューズのようなものだ。すぐにはなじみが出ない。
しかし、使用時間と走行距離が伸びれば、各部がてきどにこなれて、油が抜けて、回転がスムーズになります。
が、年明けに取り付けた中華カーボンペダルはこうならなかった。ZERAYて未知のメーカーの商品です。2019年1月7日に取り付け記事があります。
直後の回転は絶望的です。30度くらいしか回らん!
で、かれこれ2か月が過ぎますが、状況はさほどに改善しません。右は3回転くらいまでパワーアップしました。左は半回転くらいしかしない。
たまたまリアホイールの不調で車体を部屋に持ち込み、チェーン交換やこまかいところチェックします。その一環でペダルの玉当たりの調整をしましょう。
ペダルの外し方とばらし方
ペダルの外し方はうちのブログの過去記事でたびたび出ます。シャフトの回転方向と締め緩めの関係です。
左右のいずれが順回転で締まり、逆回転で緩みます。これを頭に入れないと、緩ませようとして締まる方向に「えいえいえい!」みたいなあやまちを犯します。
とくにノーメンテの古いペダルは固着or固着未遂をやらかします。シャフトが緩まないと、疑心暗鬼が起こる。この締め緩めの関係性は非常に大事です。
このペダルの使用期間はせいぜい2か月です。すんなりと外れました。
が、すでに上の図の左の右ペダルのピンの一つが行方不明です。マウンテンバイクのペダルは『削るもの』ですから。消耗が異常です。
ついでに固定ナットの外側のキャップも不明です。砂が目詰まりします。これは回転系の部位にはかんばしいもんじゃない~。
ごり押しでナット外し
ペダルの踏み面、プラットフォームは外側のナットでシャフトに固定されます。これはふつうの六角ナットです。サイズはまちまちです。
取り外し工具は六角ソケットです。おうちの工具箱を探せば、何個か見つけられましょう。あいにくとうちにはジャストサイズがなかった。
緊急策でナットにマイナスドライバーを当てて、アーレンキーでシャフトをぐりぐりしました。
ちなみにナットの締め緩めの関係もシャフトのそれに準じます。上のペダルは”L”、左ペダルです。つまり、上の図の手前方向にアーレンを回すと、固定ナットを外せます。
ぶじにシャフトが抜けました。
て、反対側からナットとワッシャが出てきました。
この順番をまちがうと、あとで痛い目をします。しんちょうにやりましょう。動画撮影はこういうときに有効です。
あと、自転車系のナットやボルトにはたまに非常用のサイズがあります。汎用工具セットに対応サイズがないとかね。
ベアリングが見当たらない
ところで、ペダルの玉当たりの調整、玉押しの調整ってのはこのペダル内のベアリング鋼球のあんばいの調整のことです。
これはペダルでなく、ホイールハブのベアリングです。ザ・球がしっかり見えます。通称カップアンドコーン式です。
取り出して拭けます。
これは玉当たりの部分です。電車の車輪に対するレールのようなものですか。当たりが強すぎるとか、異物が混じると、下みたいな虫食いができます。
で、やっぱし、これも外側からナットで止めます。過度に締め付けると、ボールの遊びを完全に消し去って、摩擦をむだに強めてしまいます。結果、重く渋くなる。
反対に当たりが緩くなりすぎると、ボールやシャフトが遊びすぎて、ガタやズレが起こります。
これを生かさず殺さずのええあんばいに仕上げるのが玉当たりの調整です。
一部とシマノペダルばかり
しかしながら、最近の自転車パーツのベアリング部位は基本的にシールドカートリッジ式です。鋼球はむき出しじゃない。わっかの下のゴムの下に隠れます。
大半のメーカーのベアリングはこのカートリッジタイプです。使い切りの交換式だ。上みたいにパッキンを外すのはイレギュラーです。
例外はシマノペダル、シマノホイールです。この業界最大手はなぜかカップアンドコーン式をがんこに採用します。あと、ヴィンテージ系や実用系の安いパーツだ。
で、げんみつな玉当たり調整はこれらのみに用いられます。シールドベアリングのベアリング球はほかの部分にじかに触れませんから。
が、そこかしこの固定ナットをきつく締めすぎると、やっぱし、このシールドの動きをも渋く重くしてしまいます。その逆もしかりだ。
代表はヘッドパーツですね。オーバートルクはもっさりの原因、アンダートルクはガタの原因です。
シールド当たり調整? のコツも「ええあんばい」です。
ただし、このなぞのペダルにはベアリングらしいものが見当たらない・・・
DUベアリングタイプってものらしいです。樹脂製のTIOGAシュアーフットとかもこれですって、おくさん。
ベアリングを入れなければ、厚みを薄くできますし、重さを軽くできます。回転 < 薄型軽量ってコンセプトでしょう。
ともあれ、やっぱし、締めすぎ、緩みすぎは禁物です。
AZフッ素グリス投入
シャフトをきれいにして、グリスを塗ります。と、毎度のAZ万能グリスを使わず、アッパークラスのハイエンド品を使いましょう。
15g/1000円!の高級品です。去年に買って、すっかり忘れ去って、ダンボの中におりました。純白のまっしろグリスです。効果のほどは不明です。
構造的にこのDUベアリングのペダルはそんなにぎゅるぎゅるしません。ふつベアリングがないから!
5回転前後がせいぜいです。