シマノFC-RS510クランク ひっそり4アーム化で105 FD-5801と完全互換

シマノは堺国の釣具とチャリ具の大手企業です。今年の目玉トピックスは新Ultegra R8000のリニューアルです。2013年以来の4年ぶりのリニューアルチェンジモデルです。

ULTEGRA R8000
ULTEGRA R8000

で、この正式グレードのアップグレードはオフィシャル、アンフィシャルではなばなしく喧伝されますが、そのほかのマイナーチェンジはウソみたいにこっそりと行われます。

ツールドフランスの時期がきまして、海外人気自転車ブランドのロードバイクの2018モデルの発表が本格化しまして、車体の詳細がオフィシャルからぽんぽこ出ます。

じゃあ、ぼくはピナレロの2018モデルの国内版をまとめて気付きます。廉価版モデルのドライブトレインの105MIXの多さです。

カタログの注意書きはこうです。「クランクはFC-R510です」てな文面があります。はて、FC-RS510てどんなパーツだあ?

案の定、こっそりアップデ系のイレギュラーナンバーズでした。これが今日の主役です。

新型廉価クランク SH FC-RS510

SH FC-RS510はシマノの型番です。あいにく、これがこいつの正式名称です。デュラエースとかXTRとかの愛称を持ちません。FC-RS510はFC-RS510です。

最近のシマノの正式グレードのパーツの命名規則はアルファベ大文字+X000番台の番号です。新型アルテグラはR8000シリーズ、新型SLXはM7000シリーズ、新作METREAはU5000です。

頭文字はカテゴリです。Road=R、MTB=M、U=Urbanです。で、FC-RS510のFCはクランクで、RSは正規グレード外の烙印です。サブ、控え、補欠です、うえーん。

今回のアルテグラR8000のモデルチェンジでWH-6800 UltegraホイールがWH-R8000 Ultegraとならずに、WH-RS500となっちゃいましたね。レギュラー落ちです。

Ultegraの名称はロードコンポのセカンドグレードのものです。しかし、ホイールのWH-6800 Ultegraは中位クラスのホイールです。セカンドじゃない。

実質のセカンドグレードのホイールはWH RS81シリーズです。素材、価格、性能、いずれがアルテホイールより上位モデルです。

で、このちぐはぐさの解消のためにアルテグラホイールがグレード型番と愛称を失って、WH-RS500になっちゃいました。ハブにもリムにも『Ultegra』の文字はありません。

WH RS500の後継モデル

で、FC RS510です。こいつはなにかのレギュラー落ちやサブ降格の産物でなく、番外クランクFC RS500の正式な後継者です。

amazonの並行輸入はファンタジーになりますが、実体価格は10000円前後です。海外通販の特価完成車や国内のエントリーモデルのロードやロード系のクロスによく乗っかります。

5アームの形状が時代を物語ります。性能的には旧ティアグラクランク < RS500 < 105クランクです。重量はコンパクトの50-34Tで約800gです。105は約750gです。

RS500は105MIXに抱き合わせられますから、105の11速コンポと完全互換性を持ちます。シャフトはホローテック2です。本格派ですよ!

でも、無印の無味乾燥さはCONSです。『FC RS500』では愛着がでないよ~。

105 FD-5801とコンパチ

貴重な5アームの11速クランクとして、安ロードの顔として、長らく定位置を確保してきたRS 500でしたが、上位陣のアップデの余波を受けて、510への進化を強いられました。

2016年リニューアルのデュラエースR9100と2017年リニューアルのアルテグラR8000、この2モデルはででーんと12速にならず、11速を継続しますが、旧型11速とは完全コンパチじゃありません。

つまり、旧9000デュラと現R9100デュラ、旧6800アルテと現R8000アルテのミックスはパーフェクトコンディションじゃない。

具体的にはR9100やR8000のクランクのチェーンリングの歯が旧型よりコンマ数ミリだけ外側にポジションチェンジしました。

実際問題、1mm以下はしろうと的視点では誤差のレベですが、プロやメーカー的には不完全コンパチブルです。まあ、多分、プロも分からんけど、ははは。

てか、コンマ数ミリだけ外にする理由がさだかじゃありませんが。昔からシマノは旧ユーザーにはそんなに優しくありません。一世代使い切り・使い捨てのの設計思想です。

で、アルテとデュラの現行11速用のフロントメカは旧から新までの全部のロード用11速リングに対応します。

そして、ほんとにこそっとサードグレードの105のフロントメカがマイナーチェンジします。FD5801 105です。

これはR9100やR8000のチェーンリングと完全コンパチです。FD9100やFD8000の廉価版です。

105の本気リニューアルは2018年です。現行モデルの5800のデビューが2014年で、新型サイクルが4年ごとですから。十中八九、型番はR7000 105です。

それまでのつなぎにこの5801フロントディレイラーがこそっと出てきました。上位変更の余波です。

で、その余波の余波で105MIXの立役者のRS500がRS510になります。FD5801と完全コンパチ=上位モデルと完全コンパチ≒来年の新型R7000 105とも最終的に完全コンパチでしょう。

ビジュアルは時代のながれにそって、5アームから4アームになります。5アームの11速クランクはほんまに絶滅危惧種です!

ぱっと見はTiagraクランクにうりふたつです。

これのTiagraロゴを『SHIMANO』にすると、RS510のルックスを容易に想像できます。てか、しろうと目にちがいが分からない・・・

そぼくなシンメトリの見た目はむきむきのデュラやアルテより悪くありません。とくにアルテR8000クランクの『デザインがんばったで!』感の丸出しはだめだめです~。

現行デュラ、アルテから来年の105までカバー

510のビジュアルはイマドキスタイルになりました。が、立場は変わりません。安11速ロードの足元を飾るコストダウンの象徴です。105MIXのレギュラーです。

今回のこそっとマイナーチェンジで上位の現行11速モデルから来年の次期105までカバーしますから、2020年の次期デュラエース、2022年のNEXT次期105 R7100、12速化普及期までずるずる生き延びましょうよ。

そして、来年のFC-R7000 105クランクのビジュアルの出来次第でこのRS510の行く末が決まります。ガチムチ系は生理的に受け付けませーん、て人にはこのシンプルさはぴったしでしょうね。

新105クランクはマイルド路線に行って~。カラパタの銀色は期待薄です。真っ黒の有機的ごりまっちょクランクは女子やゆるチャリダーにはいかつすぎます~。

SRAMの現行ロードクランクは5本アームです。つぎのREDのクランクは4アーム化するかあ? それより機械式の12速化が視野に入るからなあ。