YouTube動画にアフレコで音声を挿れるためには、一般的にはマイク、オーディオインターフェース、ケーブルが必要です。
しかし、これらを全て揃えるとなると、安い物でもそれなりに費用がかかります。
ちょっと声を挿れるだけでいいのに、お値段8,000円~というのは初心者にとっては悩みどころ。
かと言って安い方から探していくと、オーディオインターフェース無しのPC直挿しが妥協点です。
その代償は音質に反映されます。この手のマイクは品質は元より、周囲のノイズを拾いやすいため、高音質での録音は難しいというレビューをよく見かけます。
では一体どうすればいいの?とマイク探しをしていると、最終的にはUSBマイクにたどり着きます。
USBマイクならオーディオインターフェース不要、かつ5,000円以下の低価格な商品が多いため費用を抑えられます。残る問題は音質です。
聞いたことがないような謎メーカーばかりが並ぶため、どのメーカーが音質的に信頼できるのか全くわかりません。
レビューを読んでも良い評価と悪い評価が両極端でどこまで信じて良いのやら。レビューだけで地雷商品を判別するのは難しい……
コンデンサーマイク FIFNE K669の購入
こうなると、もはや実際に購入して試してみる以外に方法はありません。
そこで筆者はFIFINEというメーカーのコンデンサーマイク『K669』を購入してみました。
実際に使用したところ、低価格でそれなりに品質が良く、万人におすすめできるマイクだなと感じたのでご紹介します。
FIFINE K669の開封
高価なコンデンサーマイクだと堅牢なケースに入っていたりしますが、FIFINE K669は紙製の化粧箱です。
別にケースが欲しくてマイクを買うわけではありませんので、問題はないかと思います。
開封して最初に現れたのは奇妙な形をしたカードです。サポート窓口のメールアドレスとウェブサイトのURLが記載されています。
ウェブサイトを確認してみましたが、FIFINEがどこの国のメーカーなのか、社長は誰か、資本金はいくらかみたいな企業情報は未記載でした。謎。
裏面には「大切なお客様へ」と題された挨拶文が記載されています。少し日本語が怪しい箇所がありましたが、とても丁寧な文章で好感が持てました。
サポートに関しては安心できそうです。
取扱説明書はカラーです。紙質もペラペラではなくしっかりしています。
内容も画像付きで分かりやすく非常に丁寧です。Windows用とMac用の説明が書いてありました。
マイク本体のチェック
FIFINE K669本体です。
外装は金属製で、持ってみると小ぶりな割にずっしりとした重さを感じます。
マイクの重さはマイク自体の共振を抑える上でとても重要なので、重いほうが安心できます。
本体中央にボリュームノブがあります。このノブで音量調節ができます。電源スイッチやヘッドホンジャックはありません。
マイク本体には最初から「首振り」が付いています。ネジ径は3/8インチで金属製です。摩耗の心配はありません。
付属のミニ三脚です。100円均一並の安物品質かと思いきや、こちらも金属製でけっこうな重量があり、しっかりした造りです。
ミニ三脚を装着してデスク上に設置すると、思った以上に安定感があります。ちょっとやそっと小突いたくらいでは倒れません。
首振り部分が180°調節できるのですが、無茶な角度にしても自重で倒れてしまうことはありませんでした。
FIFINE K669のスペック
型番 | K669 |
---|---|
型式 | コンデンサー型 |
指向性 | 単一指向性 |
周波数特性 | 20HZ-20KHZ |
感度(0dB=1V/1Pa,1kHz) | -34dB±30%(1kHz内) |
負荷インピーダンス | ≧1000Ω |
最大入力音圧レベル(1kHzTHD1%) | 130dB S.P.L |
S/N比(1kHz,1Pa) | 78dB |
電流 | 3mA |
電源 | 5V USB電源(USB2.0) |
マイクコード長さ | 180cm |
重量 | マイク:約305g(マイクコード含み) スタンド:約80g |
FIFINE K669はコンデンサーマイクです。通常コンデンサーマイクというと48Vのファンタム電源が必要ですが、このマイクはUSBから電源を供給するためファンタム電源は不要です。
指向性は単一指向性。正面約130°範囲の音を拾いやすく設計されているようです。
カタログスペックでは本体重量約305gとなっていますが、実際に計測したところ314gでした。
コンデンサーマイク FIFNE K669の使用感
FIFINE K669の音質
肝心の音質ですが、一聴してすぐにわかるような明らかなノイズは無く、変にチューニングされた感じもなくて素直な音だと感じました。
言ってしまえば音質的に特筆すべき特徴は無いといったところです。低音から高音までフラットで、自分の声をそのまま表現してくれる忠実なマイクと言えます。
ただ高価なマイクと比べると奥行きが感じられず、良くも悪くも平坦な印象です。過度な期待はしない方が良いでしょう。
と言っても、比べなければ気にならないくらいの些細な問題です。
ボリューム調整についてはMIN~MAXまで滑らかに音量調節ができ、ガリや割れはありませんでした。
自分の持っている他のマイクと比べ、心なしか音量を上げてもパソコンのファンノイズを拾いにくいなと感じました。
指向性が単一指向と狭いことが有利に働いていると思います。
FIFINE K669の良いところ
なんと言っても低価格なところです。筆者が購入した当時の価格は2,799円でした。
オーディオインターフェース不要で3,000円以下で手に入るのでコスパは最強です。音質も3,000円以下ならば文句のつけようがありません。
それに「プラグアンドプレイ」という点も良いです。オーディオインターフェースの煩わしい設定なしに、PCに挿すだけですぐに使用できます。
さらにはオーディオインターフェースが不要なことでPCデスクがスッキリします。
マイクを使用しない時もUSBケーブルを引っこ抜くだけですぐに片付けられます。
高価なマイクだと保管や扱いに非常に気を使いますが、安価なので多少雑に扱っても大丈夫だろうという精神的な余裕が生まれるのも隠れたメリットです。
FIFINE K669の気になるところ
USBケーブルはマイク本体から抜くことはできません。致命的なデメリットという訳ではありませんが気になります。
コンパクトに仕舞えない点と、ケーブルが劣化した時に交換できないという点がデメリットです。
YouTube向けコンデンサーマイクのまとめ
「YouTube動画にちょっと声を挿れるだけでいい」という用途であれば安価なUSBマイクが好適です。
残念ながら今回紹介したFIFINE K669は安価なUSBマイクではなくなってしまいましたが、似たコンセプトのマイクは多く存在します。
個人的にはオーディオインターフェース不要で、PCに挿すだけですぐに録音が可能という点が気に入っています。