『ゲームボーイカセットの修理』とは何か? ほぼ確実に『電池の交換』です。その他のパーツはめったに壊れません。GBのカセットのガワはとくに頑丈だ。がちがち。
そもそも、この屈強な筐体はバラけるのか? と、外側を見回して、妙なネジに出会うのがゲームボーイカセット修理の始まりです。

カセット購入と動作確認
何となくレトロゲームをやろうと思い、ゲームボーイプレイヤー付きのゲームキューブを買って、近所のリサイクルショップでポケモンを探しました。
結果、ポケモン銀、ポケモン赤、ポケモンエメラルドが見つかりました。お値段は3つで540円です。ちなみに上の紺色のガワのカセットは銀です。動作未確認ジャンク品。
出力はGC本体→アダプター→PC→キャプチャーです。で、この懐かしい画面が出ました。

動作確認OKです。
電池切れはセーブ不能
古いゲーム機、ファミコン本体やゲームボーイ本体はセーブ機能を持ちません。セーブデータはソフト=ROMカセットに依存します。
そもそも家庭用ゲームのセーブ機能の実装はドラクエ3の世代、1988年前後です。それまでのゲームの継続はパスワード式です。
で、カセットのゲームデータのセーブ機能の保持、セーブのセーブはバッテリーに依存します。バッテリー=ボタン電池です。寿命の目安はせいぜい5年です。
つまり、前世紀のレトロゲームのカセットのセーブデータのライフはもうゼロです。
しかし、より古い1996年版のポケモン赤にはセーブデータがありました。

バッジと図鑑がコンプです。手持ちにミュウがごろごろいました。バグ技を使ったな?
一方、1999年版のポケモン銀です。

『つづきから はじめる』がありません。そして、最初から初めて、レポートを取って、リセットしても、この画面に戻ります。
電池切れ確定!
ただし、ゲームプレーは可能です。基盤や端子の損傷はない。やはり、ゲームボーイカセットは異常に頑丈です。
特殊ねじ
ゲームボーイカセットの分解はわりと簡単です。表裏のガワの固定は一つのねじだけです。しかし、これが特殊タイプだ。

プラスでもマイナスでも六角でもありません。いたずら防止系の特殊ボルトです。
試しにラジオペンチやほそい棒でぐりぐりやりましたが、外せませんでした。
DTC-20とDTC-27
特殊ボルトには特殊ドライバーです。通販にこういうセットがあります。

商品の表面の数値の通りにY字ドライバーは2.5mm用、ビットはそれぞれ3.8mmと4.5mm用です。
しかし、このサイズは任天堂系の特殊ねじサイズとは微妙に異なります。星型ドライバーの純正の公式ツールはエンジニア社のDTC-20とDTC-27で、それぞれ3.6mmと4.6mm用です。
しかし、コンマ数ミリの差は許容範囲です。格安セットはジャストサイズではありませんが、ゆるゆるでもきつきつでもありません。純正ツールは割高ですし。
何十個もカセットを分解しなければ、この格安セットで十分に修理できます。実際にこの3.8mmの星型アダプターでポケモン銀の裏蓋のネジを回せました。

Y字ドライバーの方はゲームボーイアドバンスのネジにマッチします。

簡単な対応表です。
Y字ドライバー≒DTY-02
- ゲームボーイアドバンスカセット
- ゲームボーイ本体
- DS
- ジョイコン
4.5mm≒DTC-27
- スーパーファミコン本体
- NINTENDO64本体
- ニンテンドーゲームキューブ本体
3.8mm≒DTC-20
- ゲームボーイソフト
- スーパーファミコンソフト
- NINTENDO64ソフト
カセットのネジのトルクはそう強くありません。ネジ穴の土台がプラスチックですし。ビットを手で持っても、簡単にネジを回せます。
表側をスライドさせる
ネジを外したら、ケースをぱかっと開きます。むりやりこじ開けない。こんなふうに表蓋を端子側へスライドさせます。

カセットの中身の基盤が現れました。

右上の丸いのがバッテリーです。ふつうのボタン電池です。
ポケモン銀のやつはCR2025で、赤はCR1616でした。ちなみにボタン電池の数値はサイズと厚みです。電圧はだいたい一緒です。
ボタン電池の1616も2025も100円ショップにあります。
電池をはずす
では、電池をはずしましょう。ここからの作業はすこし神経質です。
工具は以下です。
- カッター
- ラジオペンチ
- テープ
こだわり派はテープを使わず、ハンダを使って、端子を溶接しなおします。が、一般人はそんなに手間をかけられません。ふつうにテープを使いましょう。

薄い端子が電池の裏表にぴたっと貼り付きます。カッターやかみそりの刃でぺりぺりはがします。
と、ここが山場です。端子の溶接外しです。

まんなかのところに2か所のポイント溶接があります。これはカッターで切れません。ラジオペンチが役立ちます。
裏側です。こっちのはがしが難題です。

あと、ボタン電池のサイドに黄色いカバーが見えます。ボタン電池のサイドは基本的に+極です。このカバーはショート防止です。
それから、電池をペンチで直掴みするのは非推奨です。あて布をしましょう。
端子がちぎれる
おおざっぱなDIYはすんなりといきません。ついつい力任せにぐいぐいやって、裏側の端子を基盤からひきちぎってしまいました。

あー!
はんだごてはうちにはありません。ダメもとで接着剤とテープでくっつけます。

起動してみる
一抹の不安を覚えつつ、このミイラのようなカセットをゲームキューブのゲームボーイアダプターに差します。

起動はOKです。
レポートをとって、リセットを押します。どきどきの瞬間です。


つづきからが ふっかつした!
結論
端子をぶっちぎっても、テープでざつにくっつけても、ふつうに修理できた。
PS.ジョイコンも分解修理できました! →ジョイコンの修理 勝手に動く症状を自分で直す方法と工具



