自転車の発祥にはいくつかの定説がありますが、現在の一般的な自転車、ひし形フレーム、後輪チェーン駆動の乗り物のオリジンは英国の『ローバー安全型自転車』です。
そもそもbicycleという言葉がbi=二重の、cycle=輪です。
しかし、現代の自転車の潮流はイタリア、フランス、ドイツなどの欧州大陸勢、アメリカ、カナダの北米製です。イギリスのバイクブランドはぱっと思いつきません。
最初に出てくるのはたいがいモールトンやブロンプトンです。で、つぎが革サドルのブルックスイングランドですか。トライアスロンではBOARDMANがおなじみでしょう。クロモリパイプのレイノルズテクノロジーを忘れない。
「あ、ラレーがあるやん! いや、ラリー? いやいや、ラーレー? ローリー? んんんン?」
こうなる人はかなりのくろうとです。そう、英国にはRaleighがあります。
ラレーのバイクの秘密
ラレーの創業は8ぞろ目の1888年です。創業者はジョナサン・ラレー・・・でなく、英国人のフランク・ボーデンさんです。
ボーデンさんがノッティンガムのRaleigh streetで営業を始めたからRaleighです。しかし、この道のグーグルマップの記述は『ラリーストリート』です。
このノッティンガムはバーミンガムの隣町です。上述のレイノルズテクノロジーの創業地の近所ですね。
いずれも19世紀末の創業です。となれば、産業革命の波に乗って、持ちつ持たれつで躍進した昔日の栄光が容易に思い浮かびます。
ところがどすこい、国内流通のラレーのバイクは日本の新家工業のライセンス品です。この会社はわれらの大阪の船場のしにせの鉄鋼屋さんです。
自転車乗りにはARAYAのリムはおなじみです。
また、アラヤのリムは競輪のホイールのシェアナンバーワンです。競輪は公営競技で役所体質ですから、レギュレーションはUCIより厳密で保守的です。
で、国内のラレーのバイクはこのアラヤのライセンス商品になります。AKIコーポレーションのルイガノと同じパターンです。
あちらはカジュアル万人向け、こちらはクラシカル通好みです。タイプやブランディングは異なりますが、設計・企画はザ・日本、ザ・大阪です。
日本製・国産はアホみたいに崇め奉られますが、日本企画・国産設計はなぜか嫌がられます。
製造や加工は得意だけど、企画や設計は不得手だという日本人の潜在的な意識が直感的にある?
げんにぼくも日本企画と言われれば、ばくぜんとしょんぼりします。このビミョーな失望感は全体になんでしょうか?
現実問題、世間全般的にDesign by JapanはMade in Japanほどにプレミアムじゃありません。日本製は手放しでハッピーですが。
で、ラレーの国内流通車、raleigh.jpのオフィシャルサイトのカタログのモデルはことごとく新屋工業のバイクです。
イギリスの本家ラレーは設計にも製造にも関わりません。ブランドの名前だけを貸します。
これは全くルイガノと同じです。が、アラヤラレーはアキルイガノみたいにホンカクハの人から白い目で見られません。
「ルイガノほどにポピュラーじゃない。通好みのシブいラインナップしか作らない。硬派だ!」
でも、もしかラレーがバカ売れしたら、掌返しでバッシングが始まります。人気者がやっかまれるのは世の常です。
ただし、ほんまのヴィンテージのラレー、ホンダの子会社が大昔に販売したオールドラーレーは本場の英国ノッティンガムの工房製でした。1970年代のやつです。
イギリスサイトのRaleighが真ラレー
日本の小売の店頭のラレーはアラヤラレーですが、イギリスのストアのラレーは真Raleighです。でも、アメリカのはアメリカラレーです。
欧米のラレーのオフィシャルにはクラシカルクロモリロードレーサー的なものはぜんぜんありません。アーバン、MTB、キッズ、シティ、イーバイク、ロードが満遍なくあります。総合自転車ブランドです。
むしろ、raleigh.jpのふんいきだけが異様です。復刻版オンリーみたいなありさまです。いつの時代のカタログだあ?
英国のイメージ=ヴィクトリア朝、大英帝国、ジェントルマンてことでしょうか。日本の忍者、サムライ、スシ、ラーメンみたいなものです。ある意味、ひどい偏見ですー。
さいわいぼくらはインターネッツで正常な今日の本家Raleigh製品をぽちっと買えます。
SRAMドライブのカーボンロードがこうです。
こんなのはラーレーじゃない! はい、Raleighです。
おつぎは手頃なシクロクロスです。
通勤用、全天型遠出用に打ってつけです。イギリスの天気は猫の目ですぜ~。急な雨が日常茶飯事です。じゃあ、アーバンコミューターにはディスクブレーキでしょう。
そんなお天気事情です。マッキントッシュが英国で生まれたのもふしぎじゃありません。必要は発明の母です。ちなみにレインコートの発明者のマッキントッシュさんはスコットランド人です。
最後はいかつエアロなTTバイクです。
Raleigh – Aura Team (2016)定価 503998円
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特価 302399円
※2016/12/30 01:44:16のの価格
イギリスには五輪連覇のブラウンリー兄弟がいて、トライアスロンが盛んですから、こっちのが今日びのReal Raleighでしょうよ。
逆にクロモリロードレーサーみたいなもんはぜんぜん見つからないよ~。
「古き良き英国情緒のバイクメーカー、流行に左右されないクラシカルで実用的な自転車」
てのはかっちかっちの固定観念とファーストインプレッションの呪縛です。
その呪いがこのマジカル♪キュート♥なキッズバイクで解けますように。
Raleigh – キッズ Songbird 16 バイク (2017)定価 17386円
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特価 15647円
※2016/12/30 01:58:48のの価格