自転車タイヤのチューブはおもに3種類です。ブチル、ラテックス、PU。

真っ黒いブチルチューブが多数派です。ブチル=合成ゴムです。ラテックスは天然ゴム、PUはポリウレタンです。あとはノーパンクタイヤだったり、チューブレスタイヤだったり。

で、真っ黒いブチルチューブのパンクにはゴムパッチとゴムのりを使います。が、この取り扱い方や特性がおなじみのスティックのりや瞬間接着剤とは少し違います。
正しいゴムノのりの使い方を紹介します。
軽量チューブのパンク修理
自転車チューブのパンクに使うゴムのりの使用上の注意点は以下の通りです。
- 薄く延ばす。盛らない
- 乾かす
- 叩く、圧着
ゴムノリは瞬間接着剤みたいにカチカチにはなりません。うまく貼り付けるのに量は重要ではない。手順が大事です。
とくにノリの大盛りは失敗の原因です。それではゴムパッチが密着しません。その理由とパンク修理の簡単な手順を以下で説明します。
パンク修理の道具
今回の主役のチューブは一般的なスポーツバイク用の軽量ブチルゴムです。ラテックスやポリウレタンではありません。
工具は以下です。町の自転車屋やホームセンターの自転車コーナーで一切を調達できます。
- タイヤレバー(へら)
- 荒い紙やすり
- パッチ
- ゴムのり
- 洗面器と水
町の自転車屋もチャリンコマニアもこのシンプルな構成でパンクを修理します。実際問題、地元密着の自転車さんの食い扶持はこれです。低コスト高収益。
紙やすりでチューブを荒らす
では、パンク修理に着手しましょう。手始めにパンクの周囲のゴムを紙やすりで荒らします。これは表面積の倍増とゴム地の露出のためです。

このときにパッチより広い面積をやすり掛けします。 気持ち広めにやりましょう。そして、縦横斜め、円三角四角…みたいにゴムの上に不均等な線を入れます。
汚れをとる
荒らしのゴムかすや油分は接着材の敵です。水でさっと洗って、からぶきします。
このとき、穴が水に浸かると、水がチューブの中に入り、水抜きがめんどくさくなります。濡れぶきん&ワイプオールがベストです。

ゴムのり≠接着剤
水気をとばして、ゴムのりを塗ります。やはり、広めに薄く延ばします。

ぼくはハケとかヘラとかをいろいろ使いましたが、最終的に薬指に落ち着きました。もちろん、事前に指先をカピカピのからからにして。手油は密着の敵です。
このあと、のりをきちんと乾かします。これはパッケージの注意書きにあります、「よく乾かしましょう」と。
ゴムのりは瞬間接着剤みたいにカチカチになりません。一定の粘り気は残ります。グミだ。でないと、修理箇所のしなやかさが失せる。
表皮を荒らして、表面積を増やし、ゴムの中身を露出させ、そこにゴムのりを浸透させます。
極論、ゴムのりはグミやジェルやスライムみたいなものです。空気と時間で完全には硬化しません。のり=接着剤=アロンアルファの連想ゲームをわきに置きましょう。
充分に乾かして、べたつきを感じなければ、パッチをぺたっと貼ります。
パッチを圧着
へらでみっちり圧着します。この圧着がゴムのりのキモです。つまり、ゴムのりは接着剤でなく、圧着剤です。
パッチとチューブとゴムのりの拡大イメージがこうです。
パッチの接着面には最初から微小な凹凸があります。チューブにはこれがありませんから、荒らしの作業が不可欠になります。小さな縦の谷間のおかげで表面積が増える。
で、パッチとチューブの表面のすきまに入り込んだゴムのりが圧着の広がりから縮んでそれぞれを吸着します。さらに圧力で反応が起こって、ゴム同士が溶けて癒着します。
ですから、つるつるのチューブ+つるつるのチューブはぜんぜん貼り付きません。ゴムのりのモリモリべた塗りもおなじことです。むしろ、量は逆効果だ。
チューブの表面を荒らして、のりを薄く延ばして、パッチを圧着する。これが上記の理想的なイメージの状態を生み出します。
このゴムのりの仕組みを知らずに、瞬間接着剤感覚でどぶどぶ盛っても、うまく貼り付けられません。
荒らす、薄く延ばす、圧着する、それぞれに意味があります。
洗面器に浸ける
最後にチューブに空気を入れて、洗面器に浸けます。
ロード用の軽量ブチルチューブはほんとにきゃしゃです。パッチの厚みがチューブに勝ちます。バランスはやや崩れますね。
最後の審判者、洗面器&水です。

だだもれでございます!
それから、このパッチがチューブに幅広・・・いや、18ー25cのチューブが非常に細身です。横幅がパッチからはみ出る。パンクの箇所次第で貼り付けがむずくなります。
結局、はしっこのオレンジの部分を切って、貼り直しました。
ゴムノリの使い方まとめ
- チューブを荒らさないとノリを浸透させられません
- 薄く伸ばす。盛らない。ギガ盛りは逆効果
- 乾かす
- べたべた触らない
- 圧着する


