スポーツバイクの本場は欧米です。ブランド、ステージ、チーム、トップ選手はあちらに集中します。それを支えるのがアジアの生産力です。自転車製造の本場は東洋です。
で、歴史的に売上的にスポーツ自転車は欧米人を基準に作られます。バイクやウェアのMサイズは日本人にはあきらかにでかめです。
世界の身長事情
ドイツ人やオランダ人の成年男子の平均身長は180cmを超えます。アメリカ人、フランス人は180cmに迫ります。必然的に180cm前後が欧米のボリュームゾーン=Mサイズです。
一方の東南アジア人の平均身長はおおむね170cm前後です。単一民族の台湾、韓国、日本がここに入ります。
中国は都市と地方でちがいます。そもそも領土が広大だ。14億人の平均をとるのがすでに難題です。
おとなりの北朝鮮は165cmにとどまります。北朝鮮の一般市民の栄養状態はよろしくありません。穀物中心です。あとは酒です。
あそこは鎖国状態です。国交が限られます。で、安い輸入食材が入りません。自給自足です。穀物はできますが、飼料が足りません。畜産が無です。
当然のごとくアメリカ産牛肉はない。チーズもヨーグルトもない。ハムもベーコンもない。牛乳もない。卵と鳥と魚ばかりでしょう。たんぱく質とカルシウムが圧倒的に足りません。
つまり、東洋人の身長の伸びは食事の欧米度に大きく比例します。おにくのパワー! モンゴロイドの上限は170cm前半のようです。
ここからサプリや療法や薬剤で上限が爆発する可能性はなきにしもあらずです。でも、そうゆうものはだいたい欧米で発展します。サプリ、プロテイン、BCAA…
結局、身長の格差は埋まりません。むしろ、東洋人+10cm、欧米人+11cmとかに広がりかねません。
早熟の日本人、晩成の欧米人
世界的に日本人は早熟な民族です、アダルティーな意味で。身体がオトナになると、成長が止まります。伸びのピークは15歳前後です。中学生。ここで急激な成長は止まります。
欧米人は晩成型です。カトリック国であれ、プロテスタント国であれ、あちらの文化的背景はキリスト教です。欧米人はほんぽうに見えて、わりと敬虔です。
少なくとも、その手のコンテンツは日本みたいに野放しのフリーダムじゃありません。
で、内外の要因で身体がオトナになりきらなければ、成長期がながつづきして、背が17、8歳まで伸び続けます。この差は大です。
日本人の股下
日本人の男子の平均身長は172cmです。女子は158cmです。多少の誤差はあれ、この二十年の平均値は大きく変動しません。
日本人の食生活はすでに欧米風です。ぼくの記憶の中で食い物は変わりません。おやつ、ハンバーガー、ラーメン、ふつうにありました。
生活習慣もおなじくします。マンガ、ゲームはありました。インドアとアウトドアの遊びは半々です。
これをバリバリの体育会系の生活習慣に変えても、身長の爆発的な伸びを期待できません。現代の日本人、モンゴロイドの平均身長の上限は170cmちょいのようです。
正味、劇的な身体能力の向上には食事や生活習慣の改善より人種のハイブリッド化の方が効果的です。日本人男子は異国の異性にはぜんぜんモテませんが、日本人女子はまあまあモテますし。
身長x0.45
で、日本人の足の長さ、股下は身長の45%です。英語ではInseamです。男子は172×0.45=77.4cmです。女子は158×0.45=71.1cmです。
ちなみにぼくは身長169.8cmの股下72cmです。162cmの女子平均並みの足の長さです。比率は43%です。ザ・短足です。
2%は小さく見えますが、差は数センチ単位になります。1%=ズボンの丈の1サイズみたいなものです。おかげでデニムをウェストに合わせると、裾をダボダボにできます。
また、この数センチは胴にでーんと加わります。足の長さ-5cm=胴の長さ+5cmです。全体は10cmの変化になり、バランスがおかしくなって、シルエットがやぼったくなります。
きわめつけにデカ頭、デカ顔が加勢すれば、頭身がめりめり短縮します。ごりごりのモンゴロイドの完成です。
なにわのおばちゃんの最高の賛辞、
「あんた、しゅっとしてんなあ」
とは無縁です。来世にはしゅっとした白人のイケメンに生まれて~、マイソウル。
股下で選ぶフレームサイズ
自転車のサイズ=フレームのサイズです。ロードは48とか50とか520とか、オフロードは15とか17とかです。
いずれが車体のBB中心からトップチューブの上端までの距離を示します。
ロードの表記はメートル法、MTBはインチ法です。この部分はフレームの中心部、基礎、背骨、大黒柱にあたります。
ここの距離でサドルからクランクまでの長さが決まります。これは股下の長さと一致します。すなわち、股下のサイズが最重要です。
逆に頭頂までの正味の身長は重要でありません。次点は胴の長さと、腕の長さです。自転車の乗車に必要なのはペダル上の足からハンドル上の手までのアーチです。
うーん、てきとうに描いた図の頭身とぽちゃっと感にすごく親近感がわきます。ごりごりのモンゴロイド、ごりモン頭身です。
この図から人体の頭部は重量、空気抵抗には完全に蛇足です。西洋の首なしお化け、デュラハンはロード向けの体系です。そして、フレームの後ろ三角はサイズには関与しません。
サイズが大きすぎる=BB芯からトップチューブまでが長すぎると、シンプルに足がペダルに届きません。
フレーム500mm、クランクアーム170mmですでに670mmです。サドルとヤグラの厚みとシートポストの出代が6cmに収まらなければ、ぼくの股下73cmに黄信号がともります。
もっとも、靴底の厚さで股下はすこし伸びます。厚底ブーツをはけば、短足さんが世間さまなみのINSEAMを持てます。が、ズボンの生地で-5mmです。
オフロードバイクはこんなにきつきつじゃありません。Sサイズが15インチの38cmとかです。
オフロードバイクのサドル高をロードバイク並みにすると、急な下りで前のめりになって、すってんころりんします。あと、足つきが悪くなる。危険です。
あと、足の長さはトリックにも影響します。足長さんはサドルやタイヤとのクリアランスを多くとれます。
短足野郎の股下はつねに窮屈です。遊びがない。動きが小さくなって、重心移動がむずかしくなります。
だれか股下を分けて! バイクを動かすときには梃子の原理を使います。支点、力点、作用点です。
短い棒でものを動かす、シーソーで前の方に乗って相手を浮かせるのは一苦労です。ザ・手足のリーチ不足。
短足は傾向的に短腕で短指
前段の恐ろしい真実のとおりに足が短くなる=胴が長くなるです。短足さんは胴長さんです。
「じゃあ、差し引きゼロで身長ベースが正解じゃないか?」
て、発想は自然と出てきます。しかし、正味の胴長は上記のアーチと一致しません。ハンドル側の末端は手です。
統計的に短足さんは短腕さんです。胴の長さが170cmクラスであっても、腕の長さは平均以下です。ちなみにぼくのリーチは167cmです。
それから、個人的な感覚で短足=短腕=短指みたいです。あきらかに短足のぼくの手は同身長の成年男子よりミニサイズです。
各部の実測値が資料の平均値から-5mmほどになります。ためにシマノやSRAMのブラケットは手に余ります。
欧米向けモデルの¥は合わないし、アジア人向け、日本人向けのも合いません。足の長さがジャパニーズの平均以下ですから! 足の長さの偏差値が赤点ですから、はぴー!!!
こんな典型的短足男子にはアジア向けの女子モデルのバイクサイズがわりと参考になります。ぼくの腕と脚の長さは165cmの女子に匹敵します。
ロードフレームは480-510、MTBフレームは15-17です。おおまかなサイズはXS-Sです。
後日、東京サンエスのラ・クランクの後継モデルのジェイクランクの162.5cmを買いました。リング付きの価格はあれですが、アーム単体はまあまあです。