月曜日の朝の満員電車、それは現代の悪夢、ナイトメア、ワルプルギスの夜です、朝やけど。
都心部へ電車通勤する人々の大半はウンウンてはげしくうなずきましょう。実際、ぼくは一分でKOされます。
個人的には満員電車に乗るより満員電車に轢かれる方がましです。乗り物が苦手ですし、せまいところが苦手ですし、距離感が苦手です。ひとおもいにらくにして! あーーー!!
この満員電車の有効な回避策が自転車通勤、チャリ通、ジテ通です。つぎがジョグ通、ウォーキング通です。でも、毎日の徒歩の運動は関節にややハードです。
チャリ通はそんなにハードでありませんし、時間を節約できますし、イマドキのイシキタカイ系の都会ぽい洒脱さを演出できます。
自転車通勤のメリットとデメリット
前段のように自転車通勤の最大のPROSは満員電車、通勤地獄からの脱出です。チャリ通そのもののメリットとデメリットはイーブンパーです。楽でもなし、苦でもなし。
しかしながら、日本の満員電車が特段に非経済的で不健全で理不尽です。30分の通勤で心身が疲弊します。泥沼のような疲労感ばかりがあとにのこります。体に毒だ。
昔の人は「写真に映ると魂を吸われる」ておおらかな迷信を信じました。これにあやかって、ぼくは「満員電車に乗ると魂を吸われる」てとなえましょう。
その証拠に月曜日の朝から死んだ目をした人々が駅のホームに五万とあふれかえります。かばんを抱えてベンチにうなだれる若い背広姿は一人や二人じゃありません。
あちらが下がれば、こちらが上がる。シーソーゲームで満員電車は沈みっぱなし、チャリ通は浮かびっぱなしです。よい引き立て役です。
この異質な通勤システムの悪評のおかげで回避策のチャリ通の評判がうなぎのぼりです。
自転車通勤の距離
チャリ通はステキです。しかし、限度はあります。最高においしいところは10km、1時間です。それ以上は余計なスポーツ風味をかもしだします。
1時間、10km、この範囲では車種の選択が自由です。ママチャリ、ミニベロ、そして、クロスバイクなんかで充分に完走できます。
ロードバイクないしドロップハンドルの自転車はこの距離ではよさを活かし切れません。とくに都心部の信号のおおさと駐停車はレーサー泣かせです。
ぼくの家から大阪のキタまでが5km、ミナミまでが10kmです。キタまでの5kmは淀川以北の大阪市外、ミナミまでの5kmは大阪市内です。
キタ-ミナミのド都心の5kmはカオティックです。信号のストップアンドゴーと歩道走行が重なって、平均時速はもろにガタ落ちします。
結果、車種のタイム差は縮まります。裏道と小道を駆使しても、10分くらいしか稼げません。
都心部、市内中央エリアまでの距離が10km~にのびるなら、ロードやピストの性能がいきます。10km以内ではクロスバイク神の使い勝手に勝てない。
1-3kmでは運動効果がびみょうになります。せいぜい二駅です。徒歩通勤が視野に入ります。
5-10kmではママチャリ、軽快車がすこし不利です。車体のおもさがじわじわ足に来ます。
高校が片道8kmのチャリ通だった
ぼくは高校には片道8kmのチャリ通で通いました。電車、バス、乗り物嫌いは筋金入りです。一回たりと通学に公共機関を利用しません、ははは。
で、この通学路の行きは上り基調の8km、帰りは下り基調の8kmです。これをホームセンターのママチャリで毎日のように走りました。雨、風、雪、夏、関係なし!
下りと行きの5kmはよゆうです。行きの5km以降がゆるやかな坂で、ぼくを苦しめます。
変速はたしか3段の内装です。こんなです。
この内装3段は『ゆるい、ふつう、おもい』のざっくりです。希望は『ゆるい、ちょいゆる、ふつう』です。軽快車の『おもい』はあきらかにおもすぎる。
5kmはせいぜい20-30分です。シティサイクルの性能にぶうぶうゆわずに走り切れます。5km以上ではクロスバイク神に水をあけられます。
チャリ通王の風格です。実際、10km以内ではむてきです。これに勝てるチャリはないか?
ミニベロが迫るも・・・
ミニベロ、折り畳みはチャリ通王にいいところまで肉薄します。小回りのよさは魅力的です。
でも、小径ホイールは段差や路上ノイズを消化しきれません。そして、フロントフォークの安定度がさがります。前かごに荷物をどさって入れられない。
おまけに同じ走行距離でタイヤやホイールがより多く回転します。各部の消耗が早く進みます。ランディングコストがあがります。
ただ、ミニベロや折り畳みのコンパクトさは出先の駐輪で有利です。屋内にこそっと置く作戦を強行できます。
原付代わりの電動アシスト
クロスバイクの最強のライバルは電動アシスト自転車です。
こういうトレンディーなスポーツ型でなく、ふつうのママチャリタイプです。これですいーて坂を上る学生がめずらしくありません。
電動アシストでは運動効果は微弱です。ママチャリ型電動アシストの位置付けは自転車の延長でなく、原付スクーターの代用ですね。
遅刻魔の学生や会社員には強力な味方です。ネックはバッテリーの充電と経年のへたりです。まあ、3年通えばぜんぜん元を取れます。
「うちのかわいい孫娘を不健全な満員電車に乗せられますか? ねえ、おじいさま」てパパママ世代はジジババにねだりましょう。社会人は自分で買ってね!
逆に原付の学生は都会ではぱたって見ませんねー。国内の単車はほんと不遇です。河原で原付の練習て風習はまだある?
自転車通勤のダイエット効果
自転車通勤のいちばんのメリットは超デメリットの満員電車を回避できることです。そのほかは副次的なものにすぎません。
チャリ通のダイエット効果や運動効果はびみょうなところです。くだんのようにぼくは高校には片道8kmのチャリ通でせっせとかよいました。
片道8kmは往復16kmです。月間走行距離は16×22=352kmです。これはサイクリスト的には完全に走り込み不足です。
チャリ通の強度はウォーキングレベ
平地のチャリ通レベルの自転車の運動の強度はウォーキングや散歩とどっこいです。距離の目安はランの5分の1です。この数値は外部データとぼくの実感に反しません。
てことは、16km/1日のチャリ通=3km/1日のランてところです。200キロカロリーくらい。352km/1月チャリ=70km/1月ランです。消費カロリーは5000キロくらいです。
片道10km以内のチャリ通はせいぜいウォームアップの運動量です。身体は適度にあったまりますが、劇的には鍛えられません。
実際、高校時代のぼくはとくにガリでも、デブでもありません。ふつ体重のふつ学生のふつ帰宅部でした。
買い食いの魔力
暴飲暴食をしなければ、体重を健康的にキープできましょう。しかし、なにがしかの運動をはじめると、もれなく悪魔的な食欲を覚醒させてしまいます。
で、ヒトの性で消化分をぴったり補わず、よぶんにバクバク食べてしまいます。「チャリ通したのに太った! なんでや!」はあるあるです。
自転車は身軽です。行き帰りにコンビニやパン屋やたべもの屋にするって立ち寄れます。買い食いをはばむものは社会人にはありません。
おしゃれなパン屋、いや、『ブーランジェリー』はチャリダーほいほいです。
幸か不幸かGoogleマップや食べログてものが現代にはあります。この手が勝手に信号待ちのあいだについつい『パン屋』や『ラーメン屋』で検索する・・・
こういう新たな発見が自転車のだいごみです。町が身近になる。麺が大盛りになる。味玉がトッピングされる。塩分と水分の補給て建前でスープが飲み干される。
ビバ、チャリ通!
満員電車ではスマホすら気軽にいじれません。天と地の差です。チャリ通太りは人生のゆたかさのあかしです。