自転車のディスクブレーキパッドの交換 目安は摩耗と異音 小技も


少し前まで自転車のディスクブレーキはオフロードバイクの専売特許でした。

 

Hope tech e4

Hope tech e4

 

その勢力圏は日増しに拡大して、ミニベロ、ロードバイク、オールロード、Ebikeまで普及します。

 

シクロクロスを長らく支えたカンチブレーキはこのあおりを受けて、あっという間に歴史の彼方へ消え去りました。

 

 

かようにパーツの規格の標準はトレンドや人気選手の活躍でオセロのように一気に置き換わります。

 

ロードバイクもうかうかできません。SHIMANO、SRAM、カンパの3大メーカーが油圧ディスクブレーキの普及と増産に前のめりです。

 

 

1台目の自転車からディスクブレーキ

 

かくゆうぼくはオートバイ乗りの友人にすすめられて、最初の一台目からディスクブレーキタイプのスポーツバイクを購入しました。

 

のちに機械式から油圧式にカスタムして、その効きのよさに感動して、すっかりディスクブレーキのファンになりました。キャリパーブレーキやVブレーキに特別の愛着やこだわりはありません。

 

もっとも、サブ機のバイクのブレーキはVとキャリパーの合わせ技です。SURLYのクロモリフォークがVブレーキ専用、フレームがバンドブレーキ専用です。

 

モンスターママチャリ完成

モンスターママチャリ完成

 

フロントとリアの効きの差がえげつなくなります、ははは。

 

取扱いに慣れたころに悲劇が

 

先日、なかなか手を出しかねたフルード交換、ブリーディングにとうとうチャレンジして、すんなりメンテナンスできました。こわいものはありません。つぎはキャリパーの分解だあ? ははは。

 

マスターシリンダーのプール

マスターシリンダーのプール

 

これはフロントブレーキのブリーディングでした。ここかしばらく走りますと、この期にリアブレーキの異変を感じます。ホイールがスムーズに回りません。空回りが1回転で止まります。

 

一定の速度に乗れば、車体の重量と慣性で忘れますが、走り出しや低速時にあきらかなしぶさを覚えます。

 

「ローターの干渉か?」

 

て、キャリパーの位置をしつこく調整しても、症状を改善できません。あかるいところでよーく見なおします。

 

ピストン出すぎ?

ピストン出すぎ?

 

うーん、なんかハブ側のピストンの飛び出しがでかく見えます。ブレーキパッドを外して、詳細をつぶさに観察します。

 

戻らないピストン

戻らないピストン

 

オー・マイギャップ! ハブ側のピストンがあきらかに出べそです。しかも、左右で出代がちがいます。手前側は均一です。

 

で、この状態からレバーを軽く動かします。手前側の二つのピストンはレバー開放で戻りますが、ハブ側の二つは固定になります。こいつが犯人です。

 

戻らないピストン

 

ディスクブレーキのピストンには戻りの限界値があります。それを越えてしまうと、キャリパー内に自動で戻らず、こんなふうに定位置で固まっちゃいます。

 

で、なんでこんなにピストンが飛び出てしまうか? 理由はすきま、余地、クリアランスがあるからです。じゃあ、なんでそんなすきまがあるか?

 

これはディスクブレーキパッドのしわざです。左二つがフロントのパッド、右二つがリアのパッドです。

 

HOPEディスクパッドの摩耗

HOPEディスクブレーキパッド

 

ちなみにモデルはHOPEの純正品です。上からの図では真実がわかりません。このパッドを横から見ましょう。

 

パッド削れまくり

パッド削れまくり

 

厚みがあきらかにちがいます。常用のリアブレーキのパッドはぺらぺらです。一方のフロントブレーキのパッドぜんぜんたっぷりです。こっちはほぼ未使用です。

 

ペアを二枚重ねにすると、摩耗をよりけんちょに理解できます。

 

倍

 

はい、リアはフロントのほぼ半分です。この摩耗分がキャリパー内のすきまになります。で、先述のようにピストンが戻りの限度を超えて、飛び出てしまいます。

 

パッド交換の前に一工夫

 

対策はパッド交換です。フロントのやつをリアに入れる。と、リアのクリアランスは正常化しますが、逆にフロントのキャリパーががばがばになります。

 

HOPEのディスクブレーキは国内の流通品じゃありません。個人のショップや販売店の輸入の商品は割高です。英国自転車通販のCRCやWiggleからの取り寄せは2週間コースです。

 

走行に支障はありません。ブレーキはふつうに効きます。でも、摩耗パッド側のキャリパーのピストンが飛び出て、ホイールの回転がもっさりになります。

 

応急措置で対策を講じましょう。

 

パッドの厚みを足す

 

単純にパッドの摩耗分のクリアランスをなにかで補えば、パッドの飛び出しを防げまいかと画策しまして、こんなものを用意します。

 

古チューブのパッチ

古チューブのパッチ

 

古チューブを四角く切り出しました。これをパッドの外側に両面テープでぺたんとくっつけます。ちなみにパンク修理用のゴムのりではくっつきません。

 

パッドにパッチ

パッドにパッチ

 

念のためにパッドを洗剤で洗って、パッチの表面をあらしました。厚みはこんなです。

 

パッチとテープの厚み

パッチとテープの厚み

 

ギャップが埋まりました。パッチとテープで2-3mmの水増しです。

 

この水増しパッドを取り付けましょう。最初にピストンを押し戻します。マイナスドライバーでごりごりこじります。

 

ピストン戻し

ピストン戻し

 

で、ここに水増しパッドを挿入して、ボルトで留めます。エンドの小さなピンはどっかに飛んで行きました。

 

パッドをボルト止め

パッドをボルト止め

 

これでレバーをにぎにぎして、ピストンを押し出します。最初の数回はいい感じでしたが、ゴムがピストンの圧に負けてよれます。硬さが足りません。大失敗!

 

コインでリベンジ

 

このアイディアを捨てきれず、硬いものを探します。1円玉x2が大きさや厚さ的にベストでしたが、コージョリョーゾクが頭をよぎって、ゲーセンコインが選ばれました。

 

ゲーセンコインで水増し

ゲーセンコインで水増し

 

やっつけです。これを再セットします。

 

クリアランスつぶし

クリアランスつぶし

 

ぎちぎちです。ホイールは回ります。干渉はありません。レバーをにぎにぎして、ピストンのでっぱりを見ましょう。

 

グッドピストン

グッドピストン

 

はい、理想的なでっぱりになりました。大成功! ついでに少しオイルを抜いて、レバーをやわめにします。

 

オイル抜き

オイル抜き

 

OKです。新しいパッドを調達できるまでこれで行きます。

 

パッドの交換時期は摩耗と異音

 

今回のメンテは邪道です。このリアブレーキのパッドはすでに寿命です。約8か月、5000kmで使い切りました。まあまあの消耗度です。リアブレーキ偏重のたまものです。

 

ホイールの回転のしぶさを無視して、さらに走り続けると、近日にカラカラカラて異音に見舞われます。

 

これはパッドの内ばねピンとローターが干渉する音です。まんなかのやつです。

 

ディスクブレーキパッドの構成

ディスクブレーキパッドの構成

 

このカラカラ音はパッドの当たりの完全消滅を意味します。これを無視してさらにさらに走り続けると、パッドの土台の座金でローターを痛めちゃいます。

 

ブレーキパッドが到着

 

はい、そんなこんなで新しいブレーキパッドが海のむこうから届きました。

 

HOPE E4 ディスクブレーキパッド

HOPE E4 ディスクブレーキパッド

 

11ユーロ、ざっと1500円です。スタンダードのレジンタイプです。

 

パッドの一式です。パッド、内ピン、とめボルト、とめピンです。ちっこいとめピンを見逃さないように、パッドをべたべた触らないように注意しましょう。

 

パッド一式

パッド一式

 

もっとも、針金の切れ端で代用できますけど、ははは。ちなみにこのHOPEの純正のクリップみたいなミニピンは200円の高級品です。スモールパーツはほんとに割高です。

 

ディスクブレーキパッドの交換はかんたんです。キャリパーやVブレーキみたいにわずらわしい手順はありません。

 

ボルトを緩めます。

 

ボルトを緩める

ボルトを緩める

 

で、旧パッドをすっこぬいて、新パッドを入れます。はい、おわり。

 

Vブレーキのシューの位置合わせとかワッシャの調整とか片効きのトゥインとかがあほらしくなります。

 

この丸ワッシャがくせものです。

 

丸ワッシャいがみ

丸ワッシャいがみ

 

あと、ケーブルガイドのバナナがサビに無力です。定番のブランドのやつがことごとくさびます。

 

Vブレーキ

Vブレーキ

 

それから、ワイヤー類をいじると、もれなく指先を痛めます。それからそれから、ワイヤーのエンドがワシャワシャにほつれます。

 

ケーブル類

ケーブル類

 

初期伸び、アウター縮み、切り口のサビ、アウターエンドキャップ破損、カットしたワイヤーが手に刺さる・・・わりにこまかいポイントがてんこ盛りです。

 

ぼくみたいに金属ワイヤーに苦手意識を持ち始めると、油圧とワイヤレスに一気に傾いちゃいます。で、印象がリムブレーキ < ディスクブレーキになります。

 

カーボンホイールを気兼ねなく使えるのもGOODです。リムの状態を気にしながらダウンヒルするのはビミョーなものです。

 

新品のパッドをならす

 

新品のパッドは完全じゃありません。タイヤと同じく当たりが出始めると、本領が発揮されます。

 

当たりの出し方の手早い秘策はローターを軽くぬらす→ブレーキするを何度か繰り返すことです。つまり、疑似的な水研ぎです。

 

ぬれたパッドは盛大に鳴きますが、あたりが出ると、音がしずまります。これを二度三度繰り返せば、パッドの皮をいい感じに剥けます。

 

予備パーツの調達は早めに

 

マイナーメーカーのパーツの調達はなんぎです。でも、調達性だけを考えると、シマノしか選べません。

 

おまけに在庫品は数日で来ますけど、取り寄せは1週間コースになります。アマゾンや楽天の自転車ショップのストアのシマノ製品はおおむね取り寄せです。

 

結局、相応の日数はかかります。早め、多めが消耗パーツの調達の基本です。

 

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