SRAMはアメリカの総合自転車ブランドです。傘下にホイールのZIPP、クランクのTruvativ、ショックスのRockshox、パワーメーターのQuarqを抱えます。
三大変速メーカーのなかでは最後発のデビューですが、アメリカらしいダイナミックなフロンティアスピリッツで革新的な技術を積極的に投入します。
2016年はとくにエポックメイキングな年でした。ロードバイクには無線電動変速システムのSRAM Red eTApを送り出し、MTBにはフロントシングルの12段変速システム、1×12(ワンバイトゥウェルブ)のSRAM Eagleを発表しました。
フロントシングルはSRAMのお家芸で、最大の強みです。グリップシフターのSRAMから1xのSRAMに完全にイメージチェンジしました。昔日のSRAMはグリップシフター屋さんでしたが、今日のSRAMは1x屋さんです、ははは。
このフロント変速なしの1xシステムはシンプルで画期的です。で、レース用のロードバイク以外にはたいていマッチします。ハイブリッド系のグラベルバイク、アドバイクもぞくぞく1x系に置き換わります。
レースモデルの2xと最安値普及帯のクロスバイクの3×8はまだまだ現役ですが、ほかのジャンルはもう1xで従来の変速域の大部分を賄えます。それのロスよりフロントなしの軽量化、トラブル減少、コスト削減のメリットが上回ります。
フロント変速を気にしないなら、シマノ以外のクランクを気軽にチョイスできますしね。この3TのEXPLOROなんかがぱりぱりのイマドキスポーツバイクです。

3T Exploro グラベルバイク
まさにトレンディーです。
1×12の完成車の特価がぼちぼち出回る
SRAM eTapとEagleは発表と販売からそろそろ一年を迎えます。必然的に完成車は2016年の販売品=2017モデルになります。今年の2017年販売品=2018モデルです。今のところ、2018モデルはピナレロドグマF10くらいです。
で、Eagleモデルの特価車が海外ストアでぼちぼち出始めました。英国人気ストアのChain Reaction CycleのVitus eagle 1×12が15%オフです。
Vitus Bikes Rapide Hardtail Bike – Eagle 1×12 2017
定価 299999円
割引 15%
特価 254999円
※2017/03/25 12:37:12のの価格
Vitusはフランスのしにせブランドです。ラグドカーボンのロードで一世を風靡しましたが、経営悪化でチャリ歴史の影に沈んで、CRC傘下で復活を果たしました。
それが昨年のWiggleのCRC買収と合併の影響でWiggleにも在庫が並び始めましたね。両社のプライベートブランドや専売ブランドのものがちょこちょこ共有されます。ウェアのdhb、小物のBrand X、ホイールのPrimeとかです。
このVitusのセール車は典型的なカーボンフレームの高速MTBです。XCかトレイル用でしょう。サスペンションフォークありで9.42kgです。
カーボンフレーム、1xの組み合わせはふつうに10kg台を切ります。ぼくはドロッパーポストを装着して、フォークをリジッドにするかな~。
注目はSRAM Eagleです。CRCとWiggleは商売の事情でSRAM製品の日本向け出荷をしません。げんに日本語版のページのリストにSRAMのドライブは出ません。
試しに各国のページから『SRAM』のワードでサーチしますと、
日本×
香港×
台湾×
アメリカ×
カナダ×
英国○
スペイン○
フランス○
ドイツ○
イタリア○
て結果に行き当たります。つまり、ヨーロッパが○、それ以外のエリアが×です。GarminやMavicもそんなです。エリア別に販売OKとNGの命運が分かれます。
去年の今頃にはCRCは『無敵のマビックセール!』とかマビック推しだったのになあ。合併の影響です。
が、このVitusのように完成車搭載のSRAMは例外みたいです。日本語版ページからリストアップできますし、カートインできます。
同モデルはWiggleにもありました、ははは。
Vitus – Rapide 29 (2017)定価 299999円
割引 15% オフ
特価 254998円
※2017/03/25 12:59:15のの価格
価格は同じですが、在庫サイズはMだけです。CRCの完成車送料は15000円、Wiggleは8000円です。じゃあ、おのずとWiggleの在庫がさきに売れます。
業界最大手のWiggleとCRCは積極的に規制をしますが、ほかのストアはわりにルーズです。Evansのドライブセットが30%オフです。
ぼくはバラ完のバイクのために発注しようと迷いますけど、マイ足にベストな165mmサイズを見つけられない! 165mmサイズのクランクの選択肢はがくっと減りますねー。
シマノXTRとSRAM REDが12速に?
今のところ、12速モデルはSRAM EAGLEだけです。このつぎの候補が2018年に4年サイクルのモデルチェンジイヤーを迎えるシマノXTRです。そして、そろそろ機械式のSRAM REDの12速化が期待されます。
シマノがこの機に12速を投入しないと、つぎの候補は2020年のデュラエースまで持ち越しになります。それはさすがに周回遅れでしょう。来年のXTRは12速化しますね、希望的観測でね。
ぼくは
1×12
ナローワイドリング
165mm
BOOST
ダイレクトクランプリング
を新型XTR M9100に期待します。現状9000 XTRクランクのシングルモードはダサすぎた・・・
最近のトレンドからSRAMの至上命題はライバル各社の先手先手をうって、革新的な技術を市場に出すことのようです。「ロードドライブの市販品12速化いちばん乗りだ!」は十二分にありえます。
MTB派もロード派もそろそろ12速化の心構えを始めましょう。