パナソニックはなにわの門真のおっきい電気屋さんです。前身はナショナル。創業者は伝説の経営者、故・松下レジェンド幸之助です。

この松下さんは日本ビジネス界のイデオン的な伝説の巨人となりましたが、駆け出しのぺーぺーのころには自転車店ででっち修行しました。
つまり、松下のあきないのオリジンはチャリンコ屋です。その関係でナショナル=パナソニックには自転車関連部門が根強く生き残ります。
パナのクロモリやチタンの金属フルオーダーは有名です。むしろ、国産自転車フレームの大手はもうここぐらいです。
電動アシストのパイオニア パナソニックジェッター
パナソニックブランドの完成車のメイン商材はふつバイクでなく、電動バイクです。電池屋パナソニックの強みが最大限に行きます。バッテリーの開発には一日の長があります。
モーター屋のヤマハ、タイヤ屋のブリジストン、そして、バッテリー屋のパナソニックが国内三大電動自転車ブランドです。
とくにパナソニックは国内初の電動原付のDG-EC2を何と1979年に販売しました。案の定、時代を先取りしすぎたこのチャリは歴史の闇に消えました。
その後、需要がフル電動原付でなく、電動アシスト自転車に移り変わりました。世間はノー免許、ノーヘルで乗れる気楽さを求めた。
2008年には電動アシスト自転車の販売数は原付を越えます。いまや庶民の足です。
ジェッターとハリヤ
ロードブームの以前のスポーツバイクのイメージはMTBでした。その時代にノットママチャリルックスのスポーツバイクとしてデビューしたのがジェッターとハリヤです。
この二つは26インチの古典的クロスバイクです。2010年以降のロードブームの前ではスポーツバイクの一般的なイメージはこうでした。
が、2010年以降に弱虫ペダル由来のロードブームが来まして、国内の自転車のイメージが数十年ぶりにがらっと変わります。
結果、サスフォーク、キャリア、カゴの人気がすっかり落ち目になりました。電動アシストもこの例に違いません。オンロード風のものが好まれます。
ヤマハのYRPJはその筆頭です。これはクロスバイクモデルのYRPJ-Cです。

各部がロード風の味付けです。ブレーキはむだにキャリパーブレーキです、ははは。
正味、キャリパーのブレーキ力はVブレーキに劣りますが、『シマノ製のロードコンポ』てキャッチコピーが実機能より大事です。Vブレ=MTBですし。
まがりなりにライバル社が市場のトレンドを汲む中でわれらのパナは2017モデルの電動アシストクロスバイクをスルーします。ジェッターの2017モデルはN/Aです、該当なし。
このままお蔵入りかと思われましたが、今日5月29日のパナの公式アナウンスでジェッターとハリヤが一年ぶりに復活しました。
パナソニック「ジェッター」「ハリヤ」スポーツモデルの電動アシスト自転車、発売 https://t.co/5fKiukfiyV pic.twitter.com/S1FhpdLnjL
— サイクルスポーツ【公式】 (@cyspo) 2017年5月29日
オー、ディスクブレーキだあ! ディスクブレーキ派のぼく的にはうれしいニュースです。そして、ケーブルはフレーム内装になって、見た目は旧式よりずっとすっきりします。
タイヤサイズは700-38Cです。トレンドのディスクロードじゃないかあ! まあ、エンドはクイックリリース式の100、135mmでしょうが。
詳細です。
モデル名 | 重量 | 変速 | タイヤ幅 | バッテリー | 価格 | 距離 |
---|---|---|---|---|---|---|
ジェッター BE-ELHC44 | 21.4kg | 8速 | 700×38 | 25.2V-16Ah | 150000円 | 58-85km |
ジェッター BE-ELHC49 | 21.6kg | 8速 | 700×38 | 25.2V-16Ah | 150000円 | 58-85km |
ハリヤ BE-ELH242 | 22.8kg | 7速 | 26×1.9 HE | 25.2V-12Ah | 120000円 | 48-73km |
です。ハリヤは26インチ、Vブレーキ、サスフォーク、フロントキャリアつきの古典的電動クロスバイクです。目新しさはありません。バッテリとカラーのマイナーチェンジです。
ジェッターはがらっと変わりましたね。YRPJ-Cともすこし違います。ロードレーサーよりアーバンコミューターに近くなります。より現代的で機能的だ。
おまけにYRPJ-Cのバッテリーは2.4AHしかありません。車体は16.1kgまで軽くなりますが、中途半端さがえげつなくなります。
個人的にこの新ジェッターのがなにかと上です。パナの電動バイクの中ではEZ1のつぎくらいに注目のモデルです。