フランスのリヨンのリム屋のMAVICは自転車産業の重要な企業のひとつです。レース会場の黄色と黒のマビックカーはチャリ界の赤十字のレッドクロスのようなものです。
2018モデルのマビックのトピックスは再起のチューブレスモデルUSTの大量投入です。そして、手組ファンに歓喜のOPEN PROリムのフルモデルチェンジです。
しかし、初夏のアナウンスではプラズマ酸化被膜のザリザリの黒リム”Exalith”のUST版がちらと顔見せしましたが、そのあとにすっかり鳴りをひそめて、手組派に一抹の不安を投げかけました。
「大幅遅れ?」
「お蔵入り?」
実際、Mavic.comのロードホイールのリストにはUSTモデルやExalithモデルはありますが、Exalith USTがいまだにありません。とうぜん、リムのOPNE PRO Exalith USTもない。2019モデルになってしまう~。
て、この期になんと海外自転車通販ストアがしれっとMavic Ksyrium PRO Exalith USTの予約販売を開始しました。
海外ストアにExalith USTが!
ところは台湾、ストア名はサイクリング・エクスプレスです。貴重なアジアの自転車通販ストアです。アクセスの大半がfrom Japan、利用者の大方が日本人です。外部データとレビューから分かります。
通販最大手の英国CRC=Wiggleはマヴィクの取り扱いをやめました。Mavicを買えるのはこのサイエク、Merlin Cycles、Pro Bike Kitなどです。→今日の特価マビックホイール
カンパニョーロの2018モデルとシマノの2018モデルは各ストアにはやばや並びますけども、マビックの2018モデルの入荷はごくごく最近のことです。
4大ホイールブランドの最後の一角、フルクラムのオフィシャルは現時点で2017モデルのままです。これは2016年10月にUP、2016モデルのカタログは2016年2月にUP・・・まちまちです、ははは。
では、主役のMavic Ksyrium Exalith USTをじっくり見ましょう。
Mavic Ksyrium Pro Exalith UST Clincher Tubeless Road Wheelset 2018
定価 190300円
割引 22% = ¥43336円
特価 146964円
VIP特価 129999円
※2017/11/07 11:14:38のCycling Expressの価格。※VIP特価はVIP会員限定
はい、Exalith USTです。Clincher Tubelessて記載が続きます。型番の記入間違いじゃない。多分、画像はノーマルのKsyrium PRO Exalithです。見た目でノーマルかUSTかは分かりません。
ぼくの記憶ではExalith USTの完組ホイールの現物はお初ファーストです。マビックの公式ページを日、英、仏と切り替えますが、このモデルを見つけられません。
このサイエクのksyrium PRO Exalith USTの先行予約受付の締め切りが11月13日です。マビック公式発表はその前後でしょうか?
Ksyrium PRO Exalithのチューブレス版
USTはMAVICのチューブレスホイールの技術です。チューブレスイージー、チューブレスコンパチブルでなく、ピュアチューブレスです。シーラントなしでチューブレス化できます。
でも、パンク予防や減圧対策に少量のシーラントを入れるのは定番の手法です。ワイドリム化以降の25c~のチューブレスタイヤはそうそうパンクしませんけど。
USTのチューブレスキットはホイールの付属品です。サイエクの商品説明に”Comes with Mavic BR601 quick releases, Maivc tyres, UST valve and accessories”てあります。
もっとも、マビックのホイールは純正タイヤ装着済みのパッケージで手元に来ます。チューブレスバルブを拝むのはつぎのタイヤ交換のときです。
Ksyrium PROシリーズの比較
以下にカタログと過去のリストからKsyrium Proシリーズを抜粋しました。
モデル名 | 重量 | タイヤ種 | タイヤ幅 | 素材 | 価格(ユーロ) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Ksyrium PRO | 1475g | CL | 25-32 | アルミ | – | ~2017 |
Ksyrium PRO SL | 1395g | CL | 21-30 | アルミ | – | ~2017 |
Ksyrium PRO UST | 1420g | UST | 25-32 | アルミ | 949 | チューブレス |
Ksyrium PRO Exalith | 1475g | CL | 25-32 | アルミ | 1149 | ~2017 |
Ksyrium PRO Exalith UST | 1420g? | UST | 25-32 | アルミ | ? | チューブレス |
KsyriumはPROとSLとExalithモデルが混在します。いちばん上のKysrium PROはすでにカタログ落ちしました。UST発表後の末尾Cのクリンチャーモデルは軒並みカタログ落ちの憂き目にあいます。
そして、2018モデルのKsyrium PRO USTのが軽量です。55gの差は大です。取り付けの手間の他に型落ちのピュアクリンチャーモデルを選ぶ理由が見当たりません。
2017モデルはすでにC17ワイドリムですし。622x15cのクリンチャーは超軽量アルミホイールのR-SYS SLRばかりです。メーカー視点では23cクリンチャーがほんとのアナクロイレギュラーになりました。
UST化の55gのダイエットの内訳はなぞです。リム? ハブ? スポーク? 基本的にチューブレスリムはクリンチャーリムより重くなります。維持がいっぱいでしょう。じゃあ、ハブだあ?
はたまた、SLモデルの技術をUSTに反映したか。クリンチャーのKsyrium PRO SLは1395gです。+25gでUST化は妥当な数値です。
それとも、あとからKsyrium PRO SL USTやKsyrium PRO Exalith SL USTが出るか。型番が冗長だあ!
サイクリングエクスプレスのKsyrium Pro Exalith USTの商品ページにはかんじんの重量がありません。が、旧PROとPRO Exalithの重量が同じ1475gです。
ここからPRO Exalith USTはPRO USTと同じ1420gでしょう、おそらく。
実売の価格差は
キシプロ=8万
キシプロSL=10万
キシプロUST=10万?
キシプロExa=10万
キシプロExa SL=12万
キシプロExa UST=13万
キシプロExa SL UST=15万?
です。現行モデルはExalith、SLできれいに+2万円刻みでプライスアップします。新作のキシプロExa USTは割高になります。キシプロUSTの実売レンジは8-10万円でしょう。
単純な最軽量はksyrium Pro Exalith SLです。1300g台です。
Mavic Ksyrium Pro Exalith SL Clincher Wheelset 2017
定価 174800円
割引 32%
通常 119015円
特価 113015円
※2017/11/07 12:12:45 のProBikeKitの価格。特価は追加割引クーポンコード[ B4C75 ]を入力した場合の金額
あいにくとカンパフリー版の在庫ばかりが売れ残ります。これもExalith SL USTまでの命です。
R-SYSはUST化しない?
気がかりは超軽量ホイールのR-SYSです。R-SYSはアルミホイール最軽量クラスのナローリムです。23cタイヤ派の最後のとりでです。
ところで、23cの細リムはチューブレス化にはすこし不利です。バルブ付近の構造がタイトになりすぎます。前回のロードのUST化の大きな要因です。
てことは、RSYSはUST化しない? はたまた、ワイドリム化してしまう? じゃあ、ヒルクライム用最強アルミクリンチャーホイールの座があやうくなります。アルクリの危機!
やはり、メーカーの新作の傾向ではロードバイクのヒルクライムの地盤沈下が浮き彫りになります。トレンドは転がり抵抗、グリップ、エンデュランス、エアロです。
「23cタイヤと軽量アルミクリンチャーホイールで近所の山道をえっちらおっちら上る」
て、自転車シーンが急速に遠のいていきます。ヒルクライムからスポーツバイクに入ったチャリダーには最近の自転車のトレンドはさびしいところでしょう。
嗚呼、坂バカよ、永遠なれ、forever