近年、ディスクブレーキがロードバイクまで到達します。
旧来のキャリパーブレーキ、クイックリリース、クリンチャータイヤ、軽量フレームを重んじるロードファンにはディスクブレーキ、スルーアクスル、チューブレスタイヤ、強剛性はCONSに思えましょう。
しかし、スポーツバイク業界のトレンドは圧倒的に後者の群です。そして、電動アシストスポーツ自転車のE-bikeや各種の電子ユニットです。『自転車=エコなアナログなノリモノ』の牧歌的なイメージはもう通じません。
さらにドロップハンドルがロードレーサーやシクロクロスだけのものでなくなりました。オールロード、グラベルバイク、ちょっとしたアーバンコミューターもドロハンです。
ジャンルの境目のあやふや化が加速します。
煮詰まったロード用ディスクブレーキ
ロード用のディスクブレーキの規格がおちつきました。フロント100-12、リア142-12のスルーアクスルです。過渡期にすこし出回ったフロントスルー、リアクイックみたいなものは消えました。
一部のフロントは100-15です。しかし、フロントのエンド、アダプターやフォークの交換でままなります。注意事項はリアのスルーアクスルの規格のみです。ねじ山の感覚、ピッチが異なります。
エンドは100-12 142-12スルーアクスル
業界基準はシマノのE-thruです。このスルーアクスルはフレームやフォークの付属品です。フレームセットにバンドルします。

スルーアクスル
上がフレームの付属のMAXELタイプのスルーです。したは別途のものです。MTBのフレームセットにはフォークは付属しません。高価なサスフォークは別売りです。
台座はフラットマウント
ロード用のディスクブレーキの台座はフラットマウントです。これもシマノ系統の規格です。オフロードではSRAMの台頭を許す同社は二の舞を避けるためにロードディスクブレーキには前のめりの本気勢です。
フラットマウントとポストマウント
台座の取り付け穴にもりっとした補強がありません。おかげでオフロード系のポストマウントよりスマートになります。反面、ステーの強度は落ちますが、オンロードにオフロードの剛性は不要です。
ローターは140mm
オフロードバイクのディスクブレーキ用のローターの標準サイズは160mmです。超過酷なダウンヒルやフリーライドバイクのDBローターは185mmや203mmです。ローターが大きくなると、制動力があがります。
これは標準的な160mmローターです。マウントは6穴のねじです。

Snail フローティングディスクブレーキローター
オンロード用のDBローターは140mmか160mmです。シマノタイプのマウントは独自のセンターロック式です。これの略称は『ASF』です。スプロケットみたいにロックリングでハブ軸に止めます。
軽さとキャリパーブレーキみたいなフィーリングからコンパクト・マイルドな140mmローターが若干の優位性を持ちます。
SM-RT900 160mmは119g、140mmは96gです。片側の重量差が23g、前後ペアが46gです。やはり、周り物の重量は気がかりです。
御三家のDBの系統とフルード
ロードパーツ御三家のDBの系統は以下のとおりです。
SHIMANO=シマノ系
SRAM=AVID系
CAMPAGNOLO=MAGURA系
そう、カンパニョーロのブレーキはドイツのブレーキ屋のマグラ製です。

カンパDBキャリパーとローター
シマニョーロならぬトライアルバイクみたいなMIXちゃんぽんのシマグラ(シマノブレーキにマグラキャリパー)が成立するか? 見ものです。
シマノ系とマグラ系はミネラルオイルです。CAMPAGNOLO H11の純正フルードもミネラル系です。例のごとく超高級オイルです。
AVID系はDOTです。SRAM RED HRDやFORCEのフルードの推奨は5.1です。オートバイ用で代用できます。これはAZのフルードです。

ブレーキフルードDOT
ちなみに5.1です。5.1は4や3と同じグリコール系です。5.0はシリコーン系です。DOT4やDOT3との混ぜ混ぜはNGです。
DOTフルードの取り扱いはやや神経質です。メンテの気軽さはシマノ、カンパです。
おすすめエアロディスクロード
このようにオンロード用のディスクブレーキの外枠がほぼ固まりました。固定部分、マウントの仕様はフレームによります。ここが決まれば、設計の懸念のひとつが消えます。
では、独断と偏見で注目のエアロディスクロードベスト5を列挙しましょう。
GIANT PROPEL ADVANCED PRO DISC
2018モデルのエアロディスクロード、ロードバイク全般の再注目がGIANT PROPEL ADVANCED PRO DISCです。

GIANT PROPEL DISC
はい、ぱっと見の第一印象がCOOOOL!です。てかてかのグロッシーな塗装、完全内装ハウジングがエアロ形状にマッチして、イマドキ・スタイリッシュさをいやおうなく高めます。
コンポはシマノ系です。ホイールはGIANTのチューブレスのカーボンクリンチャーです。ここらがややCONSなところです。クランク=ROTOR、ホイール=MAVICがルックス的にベターでしょう。
販売品は完成車のみです。最上モデルは120万です。ぶはー! アルテグラモデルDi2が70万弱です。これのフレームセットを出してくれんかな~?
Scott Foil Disc
ScottのエアロロードがついにDISC化しました。Foil Discがそれです。
The most complete road bike on the market? We think YES!
The new Foil disc: https://t.co/zCmcDdfK7U#NOSHORTCUTS #SCOTTbikes #SCOTTfoil pic.twitter.com/dNeymGVlNU— SCOTT Bike (@bikeonscott) 2017年9月13日
SCOTTのオフロードバイクは強力な布陣です。スルーアクスルフレームの扱いはお手の物です。一目にフロントフォークのエンド部分の形状が目を引きます。
そして、Scott Foil Discのフレームセットはあります! シグマスポーツでFOI 10が30万ちょいです。これを買って、バラ完しましょうかー?
BMC Teammachine SLR01 DISC
BMCからTEAMMACHINE SLR01 DISCです。BMCのエアロモデルはTimemachineですが、BMCのフレームが全般的にエアロよりです。ステーのギャップが決め手です。
軽量モデルのかいはあって、塗装済みのフレーム重量が825g/54サイズです。デフォルトの推奨ローターは160mmです。クリアランスが28cです。
太めタイヤと160mmローターで真のオールラウンダーになれます。完成車付属のDT SIWSSホイールは納得の組み合わせです。SLR01のフレームセットは54万です。40万以内にならんか・・・
CANYON AEROAD DISC
ドイツのCANYONのいきおいは飛ぶ鳥を落とします。まさにバイク界のDer Freischützです。その破竹の快進撃はオフロード、オンロードを問いません。
最近では絶好調のシクロクロスのスター、マチュー・ファンデルポールを要するコレンドン・サーカスへの機材供給が決まります。もうCANYON INFILTEの連戦連勝が目に浮かびます、ははは。
そのCANYONのAEROROADがめでたくDISC化しました。

CANYON AEROAD SLX DISC
SRAM RED ETAP搭載のハイエンドモデルが769000円です。やすい! 足回りはレイノルズです。じゃあ、デュラホイールみたいなものです。
フレームセットは299000円です。や、やすい! てか、ここらが適正でしょうよ。げにブランド系ロード用カーボンフレームはファンタジープライスです。強化プラッチックだのに!
そして、XSが166-172cmです。で、でかい! CanyonのMサイズの推奨身長は178-184cmです。オランダ人、ドイツ人、でかすぎ! いや、日本人がちっさすぎ?
コスパは最強です。フレームセットの日本への送料は17200円です。輸入消費税込み35万前後になりましょう。
3T Strada
3Tはイタリアのトリノの自転車パーツ屋です。2016シーズンからフレームに参入します。デビューバイクはオールロードの3T Exploroです。

3T Exploro グラベルバイク
これはジャンル的にはホビー用です。現代版ランドナーてところです。これでバイクパッキングにいければ、最高にプレミアムなおもいでを作れます。割高だけどね!
ここのフレーム第二弾が3T Stradaです。

3T strada
なんとオンロードのレーシングバイクがフロントシングルの1xシステムです。アイディア先行の感はしますが、このチャレンジ精神はPROSです。
「剛性数十%アップ~」
「空力がなんたら~」
「振動吸収がかんたら~」
みたいな凡庸なキャッチコピーより好感触です。XDドライバー用のロード専用カセットのOverdriveとbailoutも出しちゃいます。3Tはへんにノリノリです。

3T bailout
あと、3Tの国内代理店がAKIコーポレーションからサイクルベースあさひに変わりました。タイヤのケンダ、ライトのMOON、ルイガノとかもそうです。この結果、AKIはほぼKONA屋さんになりました。
あさひのネットストアに3T Stradaが並ぶ日が来るか?!