Tern Vektron S10 2018 Boschの電動アシストユニット搭載の最注目E-bike


日本の電動アシスト自転車=ママチャリタイプです。原付のお株を奪い、世間にすっかり根付いて、市民権を得ます。ママさん、パパさんを助け、チャリ通学生の足元にすら及びます。

 

一見、中高生に10万の電チャリはぜいたくに見えます。しかし、3年間の交通費・定期代、朝夕の通勤ラッシュ時の公共機関の不健全さを思えば、優しいジジババは孫に10万の電動を買い与えましょう。

 

欧州発のE-bikeトレンド

 

一方、海のむこうの電動アシスト自転車は日常生活からホビー、さらにスポーツシーンへ波及します。電動スポーツバイク、E-bikeです。工業大国で自転車大国であるドイツが中心地です。

 

このトレンドはオンロードよりオフロード系です。バッテリーユニット、アシスト装置の重さとかさが軽量なロードタイプと相反します。オフロードバイクではそのデメリットが緩和されます。

 

E-bikeの用途

 

遊び方的には『きつい上りを機械でやって、楽しい下りを人力で遊ぶ』てものです。自力ゴンドラですね。

 

実際問題、自転車の上り、ヒルクライムはトレーニングや実力の測定には有効な方法です。しかし、楽しいものじゃありません。きつさを楽しめるアスリート志向の人は少数派です。

 

ネット上ではなにかとヒルクライム信仰、ストイック至上主義は目立ちますが、これらはまあまあのベテラン、手練れ、中級者以上の見解です。

 

チャリ界の『ゆるい』や『ゆるポタ』はだいたいうそです。きついことをサラッとこなす、しんどい顔を見せない、わたしの体力は無限です・・・古典的なスポ根、部活的なノリです。世間一般の認識とは相当なズレがあります。

 

多数派の一般人は坂を嫌います。げんにぼくのスポーツ好きの連れは50kmのサイクリングには出ますけど、1mmたりと坂を上りません。こんな人にこそ電動アシストE-bikeでしょう。

 

MTBの電アシの使い方は釣りの電動リールにそっくりです。表層までモーターでウィーンて巻き上げて、最後の引き上げを人力でやる。大人のぜいたくなアソビです。

 

実際問題、手巻きにはムラが出ます。電動モーターのが一律にラインを巻き上げられます。バラシが減り、釣果が上がります。

 

ボウズはむなしさの極みです。

 

シマノゴッドの力を得た釣り竿がついに!

シマノゴッドの力を得た釣り竿がついに!

 

むずかしい電動ロード

 

ロードバイクの先進な電動化のこころみはいくつかのメーカーで見られます。Orbea Gain、Focus Project Y、Pinarello Nytroなどです。

 

 

FocusやOrbeaは優秀なオフロード部門を持ちますから、トレンドなオフロードE-bikeからノウハウを移植できましょうが、ロードライクなピナレロさえがこんなふうに先鋭的な電動ロードを発表します。

 

いまいちパッとしない国内ブランドのE-bike

 

こんなふうにスポーツE-bikeのムーブメントは拡大の一途をたどります。これが電動ママチャリ大国の日本へぐいぐい押し寄せます。

 

ただ、国内の独自のアシスト規制のために海外モデルの直販は不可になります。北米モデルは速度がネック、EUモデルはアシスト力がそうです。

 

結果的に国産ブランドが保護されまして、ヤマハやPanasonicが日本のE-bike市場で先行します。でも、本格的な競争にさらされないと、カリカリの先鋭的なものを作れません。

 

結果、国内のE-bikeはどこか微温的なものになります。

 

電動クロスバイクYRPJ-C

電動クロスバイクYRPJ-C

 

ヤマハがモーターショーで公開する最新鋭オートバイ、Ai搭載のMOTOROiDみたいなケレンミはありません。E-bikeは小さくまとまります。パナのXM1もそうです。こちらの期待の斜め上を行かない。

 

結局、ママチャリタイプの電動アシストが稼ぎ頭です。ニッチなスポーツタイプのE-bikeにやっきにならなくても、売り上げとシェアを確保できます。

 

「採算度外視! ヤマハがついにやっちゃいました!」

 

みたいなハッチャけぶりが待ち遠しいものです。

 

最注目E-bike Tern Vektron

 

国内の電動アシストはヤマハ、パナソニック、ブリジストンの3社の独占市場でした。しかも、99.9%はママチャリ用です。スポーツタイプのユニットは2016年からです。

 

そして、2017年に地殻変動が起きます。ヨーロッパのE-bikeアシストの最大手のドイツのBosch社が日本市場に殴り込みをかけます。黒船です。

 

さらにシマノがヨーロッパ向けのアシストユニットのSTEPSをひっさげて、逆輸入の形で国内デビューを飾ります。STEPSは後発ですが、自転車を知り尽くすシマノの製品は要注目です。

 

はたして、国内のE-bike市場でスタートダッシュに成功するのはモーター屋のヤマハか、電池屋のパナか、本場のBoschか、自転車のシマノか? て構図が現在の日本の電動バイク事情です。

 

で、いろんなブランドが参入して、たくさんのモデルが出ますが、国内のE-bikeは海外の本気のやつに見劣りします。

 

そのなかでTERN VEKTRONだけは海外モデルの魅力をぞんぶんに残します。

 

 

おもしろいバイクを出すTERN

 

TERNはアメリカのフォールディングバイクブランドです。ローンチは2011年です。新しい会社です。が、ここの社長のお父さんがダホンの創業者です。折り畳みのノウハウはぜんぜんあります。

 

で、お父さんとこのダホンはわりと保守的なスタイルを貫きますが、息子さんのとこのTERNは面白いバイクを毎年のように出します。

 

たとえば、Verge X11です。

 

 

スタンダードな11速の451ホイールの高速折り畳みに見えます。が、変速がSRAMです。リアホイールがHG仕様でなく、XD仕様です。こうゆうタイプです。

 

Novatec ハブ とXDフリー

Novatec ハブとXDフリー

 

これを使うと、トップギアを11T以下にできます。このVERGE X11のカセットはSRAM XG-1150の10-42Tです。オフロード系のワイドレシオです。

 

日本の青山のKittdesignてデザイン事務所とのコラボモデルはことごとくイケメンバイクです。代表はアーバンスタイリッシュなSurgeシリーズです。

 

 

これのフォークはミニベロベースでなく、ロードやクロスの700cベースのカスタム専用品です。見た目がしゅっとして、イケメンになります。

 

こうゆうふうに他社が会議室のネタだけで終わらせそうなオモシロアイディアを市販車に乗せて、世に送り出します。これがミニベロファン、カスタム派、自転車屋の店長をうならせます。

 

「Tern、おもろいことしよるな~」

 

てなものです。

 

VektronのここがCOOL!

 

電動アシストユニットの難点がバッテリーの配置です。内蔵式であれ、外装式であれ、チャリ全体の見た目を損なわずにバッテリーを配置するのは難儀です。

 

むき出しのポン付け=ママチャリ式ルックスになっちゃいます。ふんいきが所帯じみる。日常を感じさせる要素はスポーツやホビーには禁物です。

 

上のヤマハの電動クロスバイクのバッテリーはコンパクトな外装式です。ママチャリのものよりずいぶんスマートになりました。

 

しかし、オンロード系バイクのしゅっとしたビジュアルとは合いません。若干のちぐはぐさが目に付きます。

 

FocusやOrbeaやPinarelloのE-bikeはこの点を完全に改良します。ぱっと見は電動アシストに見えません。反面、バッテーリーの容量は減ります。FocusやPinarelloのバッテリーは250kWです。

 

MTBは大型化、モンスター化でこれを克服します。もともとオフロードバイクはオートバイのモトクロスをインスピレーション元にします。ユニットやモーターとはフレンドリーです。

 

そして、フォールディングバイクです。折り畳み機構や可変機構、独特の設計でふつうのスポーツバイクよりガジェット感、ツール感が強くなります。極論、乗って遊べるおもちゃだ。

 

パナソニックにはBMX風の電動ミニベロEZがあります。

 

パナソニック 電動BMX風ミニベロ EZ

パナソニック 電動BMX風ミニベロ EZ

 

前後のキャリア、小径ホイール、特徴的なフレーム、超ハイライズのハンドルバーetcのおかげで電動バッテリーユニットがそんなに目立ちません。

 

こんなふうに外付けバッテリーとガチャこい折り畳み、小径車の相性は悪くありません。ビジュアルがへんに間延びしない。

 

これを踏まえて、VELTRONの外付けバッテリーを見ましょう。絶妙な配置です。バッテリー込みのビジュアルの統一感と完成度が高得点です。デザイナーががんばりまりました。

 

この車体のボリュームに合わせて、太めのSchwalbe Big Appleタイヤで釣り合いを取ります。ホイールは406ですが、2インチの太タイヤで最終外径は451より大きくなります。

 

さらにディスクブレーキでメカニカルガジェットさをアップしつつ、重量級の車体の制動をらくちんにします。この車体にキャリパーブレーキはナンセンスです。

 

変速はフロントシングルの1×10です。いまやフロントマルチはロードバイクやクロスバイクばかりのものです。

 

また、電動ユニットコンパネ+リアシフター+フロントシフターの手元やハウジングはややはんざつになります。

 

このジャンルではこまかい変速調整域は蛇足です。加速や上りやキモチヨクナイ・ゾーンはモーターさんの仕事です。人間はキモチイ走りの領域を鼻歌交じりで甘受するばかりです。

 

TERN VEKTRONのお値段は298000円、販売は2018年春以降です。試乗車のアウトレットが近場の店舗で出ないかな~。30万しか予算を取れへんから~。

 

え、定価で買える? いや、買えません。きっとカスタムで10万を使っちゃいますから、ははは。

 

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