Fulcrumロードホイール一覧2018 DBが大挙 タイヤ幅上限がガバガバ超拡大


Fulcrum、フルクラム、単純な広義の意味は『支え』や『支点』です。てこの原理ではここのところです。

 

支点力点作用点

支点力点作用点

 

そして、自転車業界ではイタリアの人気パーツブランドを指します。本家イタリアのFulcrumのURLはfulcrumwheels.comです。ヴェネト州のクールなホイール屋さんです。

 

ホイールのほかのパーツは専門外ですが、まれに海外ストアやオークションサイトでFulcrumのクランクがイレギュラー的にぽっと出ます。

 

姉妹企業の総合パーツ屋カンパニョーロがホイール、変速機、クランクを作れます。これをちょちょっと手直しすれば、Fulcrumモデルにできます。

 

しかし、かんじんの市場が特段にそれを求めません。ユーザーがフルクラムに求めるのはかちっとしたレーシーなホイールです。

 

 

Fulcrum今昔物語

 

Fulcrumは今でこそ人気のホイールブランドです。しかし、そのデビューの背景はなかなかフクザツです。

 

ロードバイク界のアカデミックな意見に「ドライブとホイールを同一ブランドで揃えるのがジャスティスだ」てものがあります。

 

コーディネイトの統一性、ステイタス、格式を重視する流儀ないし作法です。これは新参ライトユーザーには?な発想ですが、業界関係者や古参の自転車好きの間ではわりと通用します。

 

うるさい人はパーツの一点豪華主義をも否定します。「アルミフレームにフルカーボンのBORA ONEは不相応だ」とか「クランクだけをデュラエースにするのは無意味だ」みたいな意見です。

 

で、このフォーマルな発想では『カンパニョーロのホイール+シマノコンポ』のようなMIXちゃんぽんがタブーになります。

 

しかし、昔からカンパのドライブは高嶺の花ですし、シマノのホイールはじみです。かっこいいカンパホイールと安定のシマノコンポの組み合わせはアカデミック、フォーマルでなくとも、定番の組み合わせです。

 

往時のカンパニョーロはその現実的な需要、ファンの声、欧州名門のプライドの間でいたばさみになって、知恵を巡らせます。

 

単純にシマノコンポユーザーのシェアを取るために自社の名義の製品をライバルにすり寄せれば、ブランドの威信と自尊心を損ねますし、旧来のユーザーの反発を買います。

 

そこで登場するのがFulcrumです。このニューブランドの名義でシマノユーザー向けのホイールを売り出せば、うるさ方のヘイトを緩和できますし、自転車の本場企業のプライドを守れます。一石二鳥!

 

・・・てのがFulcrumの誕生の有名なエピソードです。オリジナル・カンパの都合で生み出されたクローン、コピー、カンパニョーロ´みたいなもんでしょうか。

 

しかし、フルクラムはラウ・ル・クルーゼみたいにダークサイドに落ちず、すくすくめきめき成長しまして、オリジナルと肩を並べ、りっぱに4大ロードホイールブランドの一角を占めます。

 

そして、この10年でスポーツバイクがぜいたく工芸品からハイテクフィットネスグッズに変化して、くだんのようなフォーマルな発想は急速に風化します。

 

いまのロード業異のホットな討論はMIXうんぬんでなく、キャリパーブレーキ vs ディスクブレーキ、クリンチャー vs チューブレス、23cタイヤ vs 25cタイヤ、人力 vs 電動ですね。

 

ちなみにぼくの個人的な意見では後者がことごとくジャスティスです、ははは。

 

最近のフルクラムの動向

 

そんなフルクラム、姉さまカンパニョーロ、いかついマビック、まじめなシマノがロードバイクホイールの四天王です。

 

このうちのマビックが海外通販最大手のCRC=Wiggleのストアからしれっと消えました。ホイール、ウェア、アクセサリの日本向けの出荷に規制がかかります。商品ページが日本語版に出ない。

 

対照的にフルクラム、カンパニョーロ、シマノのホイールはいろんなところでフリーダムにじゃんじゃん売られます。しかも、たいがいは送料無料の対象になります。

 

内外価格差はでかめです。輸入消費税の目安の5%が加わっても、価格差がまったく埋まりません。海外ストアの通常価格が国内のセール価格です、ほんとに。

 

妙に割安だった2017モデルのフルクラム

 

シマノ以外の3社のホイールは基本的に1年ごとの刷新です。今年2017年の発表製品は2018モデル、来年2018年発表製品は2019モデルです。

 

中身や仕様のフルモデルチェンジは3年か4年ごとです。モデルチェンジしない継続商品の新旧のちがいはロゴ、カラーパターン、年式、細かいアップデだけです。

 

全般的に2017モデルのフルクラムのホイールは2016年後半の発表・流通の直後からずいぶんとお買い得でした。

 

2016年後半から2017年前半の円高ポンド安の影響を加味しても、同族企業のカンパニョーロのホイールよりえらく安く買えました。

 

一時期、売れ筋のアルミハイエンドホイールのRacing Zeroが割引コード付きで7万を割りかけました。一方、国内実売は10万オーバーで推移します。これは勝負になりません。

 

ワイドリム化 DBホイール化が進行

 

Fulcrumの2017モデルの大きな出来事はミドルグレードのRacing 3、ハイエンドのRacing Zeroのワイドリム化です。リムの有効内径が15mmから17mmに広がり、推奨タイヤが23Cから25Cになりました。

 

そして、2018モデルには大量のディスクブレーキ用のホイールが加わります。Racing4、5、6、7のDBの一群です。

 

fulcrum racing db 2018

Fulcrum racing db 2018

 

Fulcrumはロードの他にMTB用ホイールを手掛けます。姉のカンパニョーロよりディスクブレーキホイルの展開には積極的です。

 

このアルミホイールのミドルグレードのDBモデルはことごとくセンターロック式、スルーアクスル、チューブレスイージーです。ディスクロード用ですね。

 

カーボンリムはAC3に

 

先行のカンパニョーロのカーボンホイールの2018モデルはリムに新しい技術を盛り込みます。ブレーキフェイスのAC3処理です。

 

リムフェイスに特殊なナナメのみぞを入れて、表面の排水をうながし、ウェットコンディションの制動力を飛躍的に高めます。

 

フルクラムのカーボンホイールもこれに伴って、2018モデルからAC3化します。もちろん、キャリパーブレーキ用のカーボンホイールだけのアップグレードです。

 

AC3の対象はSPEEDシリーズとZERO CARBONです。人気のQuattro CarbonはAC3化せず!

 

フルクラムのロードホイールの一覧2018

 

ほかの三つのホイール屋はすでに2018モデルを発表しますが、フルクラムは例のごとくスロースターターです。公式ページの更新は10月以降ですね。おそめ。

 

が、この11月なかばにようやくのアップデートが来ました。以下にこの2018のPDFカタログを参照して、ロードバイクホイールのデータをまとめましょう。

 

型番のT=チューブラー、C=クリンチャー、DB=ディスクブレーキ、数値=リム高です。重量は前後セットの公称値です。

 

タイヤ種のTU=チューブラー、CL=クリンチャー、TL=チューブレス互換モデルです。タイヤ幅はカタログ内の推奨サイズです。

 

備考のAFSはディスクブレーキローターの固定方式です。シマノタイプのセンターロック式がAFSです。

 

打消し線はカタログ落ちです。

 

モデル名 重量 リム外幅 タイヤ種 タイヤ幅 素材 価格 備考
SPEED 55T 1280g 24.2 TU 25- カーボン CULTハブ
SPEED 55T DB 1395g 26.5 TU 25- カーボン NEW CULTハブ
SPEED 55C 1470g 24.2 CL 25-50 カーボン NEW CULTハブ
SPEED 40T 1213g 24.2 TU 25- カーボン CULTハブ
SPEED 40T DB 1340g 23.5 TU 25- カーボン CULTハブ
SPPED 40C 1420g 24.2 CL 25-50 カーボン USBハブ
RACING 360T 865g 20 TU 23- カーボン CULTハブ リアのみ
RACING LIGHT XLR 1226g TU 21-28 カーボン CULTハブ
RACING LIGHT XLR 80H 1540g TU 23-32 カーボン CULTハブ
RACING SPEED 50 1360g TU 23-32 カーボン
RACING SPEED 35 1260g TU 23-32 カーボン
RED WIND XLR 50 1590g 20.2 CL 23-32 アルミカーボン CULTハブ C15
RED WIND 50 1755g 20.2 CL 23-32 アルミカーボン C15
RACING ZERO CARBON 1340g 24.2 CL 25-50 カーボン USBハブ
RACING ZERO COMPETIZIONE 1510g 22.5 TL 25-50 アルミ CULTハブ
RACING ZERO NITE 1506g 22.5 CL 25-50 アルミ USBハブ
RACING ZERO 1518g 22.5 CL 25-50 アルミ USBハブ
RACING ZERO DB 1590g 23.8 TL 28-62 アルミ USBハブ C19
RACING 3 1560g 22.5 CL 25-50 アルミ 人気No1
RACING 3 2WayFit 1596g TL アルミ
RACING QUATTRO CARBON 1555g 24.5 CL 25-50 カーボン セミディープ AC3なし
RACING QUATTRO CARBON DB 1605g 23.5 CL 25-50 カーボン セミディープ
RACING QUATTRO LG 1725g 23.2 CL 25-50 アルミ セミディープ
RACING 4 DB 1690g 23.5 TL 25-50 アルミ NEW セミディープ AFS
RACING 5 LG 1658g 23 CL 25-50 アルミ
RACING 5 DB 1610g 21.8 TL 25-50 アルミ NEW AFS
RACING 6 DB 1690g 21.8 TL 25-50 アルミ NEW AFS
RACING 7 LG 1763g 23 CL 25-50 アルミ
RACING 7 DB 1740g 23.8 TL 28-62 アルミ NEW AFS C19
RACING SPORTS 1892g 23.8 CL 23-32 アルミ C15 OEM

 

SPEEDとの混同のもとだったRacing Speedがカタログ落ちしました。強度に難を抱えた超軽量のRacing Lightも消え去りました。

 

タイヤ幅のワイド化のトレンドが推奨タイヤサイズによく現れます。C17モデルのリミットが25-32から25-50に修正されました。

 

旧来のタイヤの『標準から上下2ランクが限界だ』説がますます形骸化します。上限の50mmはほぼ2インチです。メーカーが29er系統のグラベルタイヤの着用を完全に想定しますね。

 

新顔のアルミDBホイールブラザーズはことごとくチューブレスイージーの2WayFitタイプです。この影響でRacing 3の2wayや完成車付属のSportsのDBモデルが姿を消します。

 

DB化ワイド化の流れがさらに加速

 

Fulcrumの方向性はカンパニョーロより前衛的です。DB、チューブレス、ワイドタイヤ化ですね。C17系の推奨タイヤ幅を50mmまで拡大して明記したのはなかなかの英断でしょう。

 

ディスクロードの登場でオフロードとオンロードの境目があいまいになります。昨今、オフロード機材とオンロード機材のMIXさえがめずらしいはなしじゃありません。

 

このカオスな時代には、

 

「カンパニョーロとシマノのちゃんぽんは美しくない」

 

て説がなんとほほえましくクラシカルに思えましょうか。

 

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