不足額はざっと8億円 キャノンデール・ドラパックが存続の危機!


ロードバイクのトップリーグは18の『ワールドチーム』です。2ndリーグは『プロコンチネンタル』で3rdリーグは『コンチネンタル』ですね。サッカーのJ1、J2、J3の関係で考えると、さっと理解できましょう。

 

ツールドフランス、ジロデイタリア、ブエルタエスパーニャ、ぞくにグランチームに出場できるのはJ1相当のワールドチーム18チーム+J2相当のプロコンから4チームですね。

 

プロコンの出場枠はワイルドカードですね。毎年毎年、顔ぶれが変わります。今年のツールでは、

 

コフィディス

ディレクトエネルジー

ワンティ・グループゴベール

フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト

 

の4つが2部からの選抜組みです。チーム成績の最上位はフォルテュネオ・ヴィタルコンセプトの第8位ですね。『J2チームが天皇杯準々決勝まで勝ち残った』くらいの成績でしょうか。

 

この上のチーム成績7位がキャノンデール・ドラパックですね。個人総合ではエースのリゴベルト・ウランが堂々の2位に入ります。

 

これは敢闘賞ものでサプライズですね。最近のキャノンデはブランド的にはぱっとしませんからね~。エアロロードはぜんぜん出ないし、オフロードはアイコンのレフティフォークを止めちゃうし。

 

 

サガン時代のキャノンデ、プレスフィットボトムブラケットBB30時代のキャノンデは良くも悪くも業界内外で目立ちましたが、そこから一気に注目度を失って、こんなていたらくになっちゃいましたね。

 

現在のキャノンデールのロードバイクの印象は『ホリゾンタルの丸チューブのややクラシカルなフレームの自転車ブランド』てものです。

 

アメリカ御三家のスペシャライズド、トレックにはめっきり遅れますね。スペシャライズドはふつうに最強ですし、トレックは640gの超軽量EMONDA SL6で話題を取ります。

 

一方のキャノンデールのトピックスは『レフティフォークの撤廃』です。名案がくっきり分かれますね。

 

これに追い討ちをかけるようにバッドニュースが届きますね。ロードチームのキャノンデール・ドラパックが資金不足で存続の危機に瀕します、あらら。

 

自転車チームの名前

 

自転車のリーグは野球みたいに固定式でなく、Jリーグみたいに流動的です。降格や昇格は日常茶飯事ですね。

 

さらにチーム名がころころ変わりますね。今年の好例がUAEチームエミレーツですね。これは去年までランプレ・メリダでした。ユキヤ・アラシロが在籍しましたね。

 

チーム名の変更はだいたいスポンサーの変更ですね。エミレーツはドバイの航空会社ですね。英国プレミアリーグのアーセナルの大スポンサーです。ロンドンの本拠地のスタジアムの名前がエミレーツ・スタジアムですし。

 

で、メリダの冠がなくなって、バイクがメリダからコルナゴに変わりますね。おかげでコルナゴはひさびさにツールへ出場できました。

 

むかしむかしにはトップレースのチームのスポンサーは自転車関連会社に限られましたが、運営費の増加で資金調達が難しくなって、他業種のスポンサーが解禁されました。

 

いまや自転車ブランド入りのチーム名は少数派です。純粋な自転車関連のネームを冠するチームはBMC Racing Teamだけですね。ほかは他業種や複合スポンサーです。

 

TEAM SKYは放送局、LottoやFDJは宝くじ、アスタナはカザフスタンの複数企業連合ですね。チーム名の由来はげにさまざまですね。

 

また、SKYはピナレロを使い続けますが、アスタナはスペシャラ→アルゴン18です。機材も流動的ですね。

 

キャノンデール・ドラパックは自転車ブランド+その他のスポンサーですね。とうぜん、機材はこの冠スポンサーのものになります。オリカ・スコット、トレック・セガフレードなどがそうですね。

 

自転車チームの運営は自転車操業

 

うそのようなほんとのはなしですが、自転車チームの運営は自転車操業です。ペダルを回し続けるようにお金を回し続けないと、自転車チームの活動はあっけなく停止します。

 

現在のトップチームの年間運営費は20億から30億です。ここから選手やスタッフの給料が支払われて、宿泊費や運営費がさっぴかれますね。

 

スター選手のフルームやサガンの給料は300万ポンドと言われますね。日本円で約4億2000万円です。個人スポンサーやCMの収入は別個です。

 

一般的な感覚ではうらやましいサラリーですが、プロスポーツ選手的にはそんなに高額じゃありませんね。ロナウドやメッシの給料がウン十億、ボクシングのメイウェザーは一戦で200億を稼ぎますし。

 

クリフルもサガンも自転車界のスーパースターですが、世界的知名度には欠けます。ジャンルを飛び越えない。ローカルヒーローですね。

 

ジャンルを飛び越えた自転車界のスーパースターはあとにもさきにもアームストロングただ一人です。チャリ好き以外にその名がそこそことどろきますね。げんにチャリにはまる前からぼくも知ってましたし。

 

クリフルさんが彼の栄光に並ぶにはもう4連覇をしなきゃなりません。もちろん、クリーンに。

 

逆にトップチームの運営費ではメッシの給料しか払えません。フィールドの11人を揃えられない。その予算で運営できそうなクラブはJ1の浦和レッズですね。年間運営費が約24億円です。

 

そして、決定的にお金の集まり方がちがいますね。自転車競技の収入源は基本的にスポンサーだけですね。チケット収入やグッズ収入がゼロです。

 

世界最高峰のロードレースの観戦がなんとタダです。レースは公道で行われます。スタジアムやサーキット的なものはありません。街道の観客のみなさんはおもに地元の方々ですね。

 

グッズ販売も絶望的です。なにを売りましょう? ピチピチジャージ? アイウェア? ヘルメット? ビンディングシューズ? どれも専門的に過ぎます。そもそも売店の設置がむりです。

 

てことで、チームやチームの運営元が自発的に収益を確保できる仕組みが絶無ですね。熱烈なファンがいても、チケットやグッズみたいなおふせの受け皿がない。オーマイゴッド!

 

どんなに信心深い人も神社の境内やそこらにおさいせんをぶちまけません。さいせん箱に入れますね。おふせの受け皿です。それがなければ、機会が失われます。

 

唯一の収入源はレースの賞金ですね。しかし、これはそんなに高額じゃありません。ツールドフランス2017の賞金総額が約200万ユーロ、2億5千万円です。

 

世界的ゲーム大会のThe Internationalの2016年の賞金総額が20億円オーバーですね。もともとの賞金総額は3億前後ですが、ゲームの課金コンテンツが賞金に反映されて、ばーんと跳ね上がりました。

 

こうゆう好景気なはなしは自転車レースにはありませんね。esportsみたいになにがしかの一工夫でばーん! とは跳ね上がりません。とにかく、おふせの受け皿がない!

 

そして、レースの賞金=勝利は選手やスタッフのたまものですから、臨時ボーナスで消えちゃいますね。

 

かりにチーム運営者やエースが賞金を総取りしようなら、選手とスタッフの全員から「はあ?」て言われますよ。士気がだだ下がりです。陰口、背信、謀反、離脱は必然ですね。

 

じゃあ、運営費は一から十までスポンサー、パトロン、タニマチです。企業か個人か自治体か、太っ腹ななにものかが必須ですね。

 

あとは放映権の収入ですね。でも、これは自治体、主催と折半です。運営チームにはまるまる入りません。

 

自転車競技はプロスポーツ的にはマイナーです。ことさらにツール競技はじみですね。まず、子供は見ません。女子も見ない。ライトな男子もそうです。

 

大方はリザルトやトピックスのハイライトで済ませますね。生放送を観戦するのは相当なレベのチャリ好きですね。

 

ぼくはマラソンや駅伝に10分15分で飽きちゃいますから、冗長なツール系の放送にはまったく耐えられませんね~。これはF1のたいくつさに通じます。

 

じゃあ、自転車チームのスポンサーの費用対効果は世間的には希薄ですね。正味、媒体としての魅力は低空飛行です。

 

キャノンデール・ドラパックの存続の危機は昨日今日のはなしじゃありませんね。すこし前に運営費不足がおおやけになって、いくつかの新スポンサーが決定しましたが、そのひとつが撤退しました。

 

これは経営的には懸命な判断ですね。おそらくやり手の側近が社長に進言しましたね。

 

側近「社長、チャリチームの広告はぜんぜんあきまへんで~。コスパ最悪ですわ~」

社長「まじで? ほんまに? やめとこか?」

側近「そうしましょう。ほかに有益な使い道を探しましょう」

社長「せやな~」

 

て場面が思い浮かびます、ははは。

 

冠スポンサーのドラパックは投資会社ですね。契約は2016年、期間は5年です。2004年からサイクリングチームのスポンサーをしますね。

 

前身はプロコンチームです。その人員がワールドチームと3部チームに分かれました。じゃあ、ドラパックはザ・自転車に熱心なスポンサーですね。これは離れない。

 

新スポンサーのひとつはOATH、オースですね。これはアメリカの電気通信会社のベライゾン傘下のAOLがアメリカのYAHOOを買収して設立した新会社ですね。

 

オース自体は今年デビューですが、親会社のベライゾンが巨大です。金には困りませんわねえ。

 

キャノンデール、ドラパック、POC、オースが現在のスポンサーですね。ちなみにキャノンデール・ドラパックの運営元はスリップストリームて会社ですね。

 

くしくもここのゼネラルマネージャーはアームストロングの元同僚のジョナサン・ヴォーターズですね。

 

で、この4社は2018年のスポンサーを約束しますが、もう一つの新スポンサーが「やめとくか~」てなって、資金不足が再浮上しますね。その額は700万ドル、7億円です。予算の3分の1が足りない!

 

このロードシーズンエンドの時期にこのピンチは完全に絶望的ですね。チームの選手とスタッフはすでにフリーになりましたが、エースのウランは移籍を保留しますね。

 

おふせの受け皿、クラウドファンディング開始

 

運営元はチームの存続を最後まで諦めません。上記のゲーム大会の課金コンテンツにヒントを得たか、だれかに知恵を貰ったか、なんと公式にクラウドファンディングを募りますね。

 

 

クラウドファンディングは不特定多数からの資金調達のことですね。ようはカンパですね。有志の募金。さまざまなプロジェクトを発信するKickstarterが有名ですね。チャリ関連のグッズがここからひょこひょこ出ますね。

 

チーム運営費のクラファンは業界初です。『どこかの大富豪やワンマン経営者が名乗りをあげてくれる』てはかない期待より現実的で合理的ですね。

 

資金調達の専用のサイトが用意されました→https://slipstreamsports.typeform.com/to/TveqQM

 

待望のおふせの受け皿ですね。デジタルさいせん箱だ。でも、この行動のはやさがチームのピンチ度をにょじつに現しますね。解散待ったなし!

 

金額は25ドルから100000ドルです。仮に100ドルで700万ドルを集めようとすれば、7万人のファンを要しますね。

 

む、むりだあ! 今のキャノンデにそんな求心力はないよ~。ありがとう、さようなら、キャノンデ・・・

 

『予算規模に合わせて2部3部から再スタート』が青地図でしょうかねー。

 

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