SWIFT CARBON 南ア発ドイツ企画アジアンメイドのカーボンフレーム


新興カーボンフレームメーカー SWIFT CARBON

 

雨後のたけのこのように生まれる新興自転車メーカー、SWIFT CARBONはそのひとつです。企画はドイツ、創業は南アフリカ、製造はアジアンです。でも、この自転車パーツ業界、企画や創業の詳細は定かでありません。

 

自転車ポータルサイトのシクロワイヤードの2011年の紹介記事はこんなです。

 

  • 新たなカーボンコンポジットブランドが日本に上陸する。スウィフト・カーボン(SWIFT Carbon)は南アフリカ発祥のブランドだ。
  • スウィフトカーボン社のCEOを務めるのはマーク・ブルウェット氏。90年代の南アフリカナショナルチームでキャプテンをつとめ、フランス、ポルトガルのプロチーム所属を経験した元プロサイクリストだ。

 

この南アメリカ発のブランドが5年の時を経て、なんらかのマジックでドイツブランドになりました。ノーマルな和牛を買い付けて、地元で何年か育てると、ブランド牛を銘打てる、的なロジックでしょうか。

 

しかしながら、真実はつねにひとつです。なにがどうあれ、製造は台湾か中国です。しにせメーカーの一部の超高級フレームのほかはことごとくメイド・イン・チャイナです。

 

現在のスウィフト・カーボンのフラッグシップぽいフレームを見てみましょう。

 

ULTRAVOX TI

ULTRAVOX TI

 

ULTRAVOX TI カーボンフレームです。素材はT700 T800 T1000です。2016年7月現在、東レの最新カーボンT1100を使えるのはピナレロだけです。素材は有名メーカーのフレームに見劣りしません。

 

お値段は3000ドル、30万円です。有名どころの特価カーボンフレームを余裕で買えちゃいますね。サイクリングエクスプレスのDe Rosaとかコルナゴとか。

 

無名の新興メーカーのフレームに30万を出すのは冒険ファンタジーでしょう。デザイン的にも重量的にもごくごくオーソドックスです。

 

プロチームでSWIFT CARBONを使用するのはオーストラリアのドラパックです。ドラパックは2004年の結成で、オーストラリアのプロチームの2番手です。1番手はオリカ・バイクエクスチェンジです、おそらく。こちらの使用車はスコットです。

 

で、スウィフトカーボンのOEM元はどこでしょうか? もしくは、完成カーボンフレームの仕入先は?

 

こちらの記事から中国のXPACEが有力候補だと思われます。以前、De Rosaの848モデルがここの工場産だとさわがれました。

 

じゃあ、AliExpressで探してみましょう。T1000 carbon frameで検索っと。

 

CIPOLLINI風のフレーム

CIPOLLINI風のフレーム ~ China Carbon OEM

 

うーむ・・・

 

ピナっぽいフレーム

ピナっぽいフレーム ~ Cycling with friend all over the world

 

へえ・・・

 

ALGON18みたいなフレーム

ALGON18みたいなフレーム ~Young Cycle Trade Sports

 

もっとNGなものがわんさか出てきました、ははは。

 

ちなみにT1000使用のフレームは6~8万くらいです。EMSで送料込み。保障あり。

 

だいたいこれらのパチモノ工場系直販風セラーはBBの規格、表面フィニッシュ仕上げ、アイテム額面プライスのお勉強なんかをまるっと聞いてくれます。さすがの世界の町工場です。

 

で、この中華工場と元プロチーム所属、国際経験あり、うんぬんの肩書きの人物がつるむと、新興カーボンブランドが一丁あがりです。

 

とどのつまり、新興ブランドとは東レカーボン、フレームの3Dデータ、器用な東アジア人のザ・ハンド、元ロード&ツアー系サイクリストの渾然一体のすてきなミックスちゃんぽんです。

 

SWIFT Carbonはそんなブランドの典型的なひとつです。現実問題、このビジネスモデルはもうしばらく変わりません。安い人手はよそにあれど、カーボンをぺたぺた整形する手先の器用さがイーストアジアのほかになかなかありませんので。